状況整理
途中からすごく重くなってしまった
どうしてこうなった(涙)
それでは、どうぞ
Side:ラヴィニス
リヴィア様へサーベルが振り下ろされる瞬間の私はとてつもなく悔しかった。
私はとても悔しかった。
私が弱いせいで、雇われた暗殺者を倒し切ることができず、
私が重傷を負ったせいでリヴィア様を足を引っ張ってしまい、
挙句の果てに、リヴィア様が私を守るために……
「うぅ…………」
私はどうしようもなく弱かった。
本来騎士は、主を守るためにその身を捧げるというのに、
主が騎士を守るために、その身を捧げてしまうなど……
このままじゃ……リヴィア様を死なせてしまったら……
亡き国王様に……父上に……
合わせる顔がない!!
「リヴィア様ぁ――――――――ッ!!」
誰でもいい! どんな奴が来ても構わない!!
リヴィア様を、守ってくれ!!!
その時……
「間に合え―――――――――――!!」
そんな声が聞こえた気がした。
気が付いたら。
「え………?」
リヴィア様が突然消えていて、振り下ろされたサーベルが空を切った。
リヴィア様は? そう思い、朦朧とした意識の中、あたりを見渡してみると。
「あ…………」
リヴィア様がどこから来たのか、少年にお姫様抱っこをされていた。
リヴィア様が無事だという事に安堵しつつも疑問に思わざる負えなかった。
(いったい……どこから……?)
「ふう……間に合った。足ガクガクだってのによお」
そんな声が聞こえた。
(もし、かして……先ほどの……『間に合え』とは……)
この少年が言ったという事か。
だとしても、まだ結構遠くからの声だというのに。
(まさか……あの一瞬で……距離を…………詰めたと…………いうのか…………!?)
いくらなんでも速すぎる。どれほどの速度を……
私が謎の少年を不思議に思う中、少年はリヴィア様に向けて大声を出す。
「お前が死ぬ必要はねえ。あいつらは全員オレが倒す!」
「!」
……いくらなんでも無理だ! と普段の私ならそう思ってしまうが、
(私は……重傷を……負って……いる。……しかも……リヴィア様の……性格だと……私を置いていくことは…………ない…………!)
おまけにあの少年の移動速度……
あの少年に懸けるしかないのか。
私にも騎士としての矜持があり、子供を戦わせることなどできない。
しかし先ほど誰でもいい。どんな奴が来ても構わないと思った。ならば……
「少……年……」
私が残りの力を振り絞って出したほぼ掠れた声を少年は聴きとってくれた。
その事にうれしく思い、私は少年に頼む。
「なんだ?」
「恥を……忍んで……頼みが……ある……」
リヴィア様を助けるためなら私の矜持など……!
「リヴィア様を……守って………くれ…………」
その言葉を最後に……私の意識は……
Side:藍
怪我を負った女の騎士からの頼みを聞いたオレは……
(リヴィア……だと!?)
内心驚いていた。当然である。
もう鍵となる人物見つけちゃったよ、早すぎだろ!
誰だよ世界は広いと言ったのは!
しかし、命を狙われているとはね……
この女の人、かなり切実そうだったな。
こりゃ、何とかしなくてはな。
「なんだよクソガキ! 俺たちの仕事邪魔してんじゃねーよ!」
「子供は家にでも帰ってネンネしてなぁ!」
「それとも邪魔するってんなら容赦はしねーぜ?」
ぎゃははは、と笑うガラの悪いおっさんども。
まったく、ずいぶんと不愉快な奴等だ。
「待ってください!」
「ん?」
オレの後ろで地面に下ろし、立ちあがった少女がこちらに向かって制止の声をかけた。
歳は十五、六あたり、プラチナブロンドの髪を一つのおさげにして、高貴な感じがする服を着ている。
育ちがいいのだろうか、どこか浮世離れした顔をしているが今は緊張した様子で俺を見つめていた。
「あなたは……あの方たちと闘うつもりなんですか?」
「ああ、そうだが?」
「だめです! あなたのような子供が戦っていいわけがないでしょう!」
……まったくこいつといいこの人といいおっさんどもといい、
そんなにオレは子供に見えるか?
大体お前も(目測だが)十五歳あたりで子供じゃねーか。
「あなたが戦う必要はありません! 私一人の命で助かるんですよ!」
あぁ?
「私一人が命を…「やめろ!!」…っ!?」
まったくこの子は……
必要以上に責任を感じるタイプだな。
「言われなきゃわかんねーようだな、おまえは。いいか?」
オレは近くで倒れている女の騎士を指さして言う。
「この人はな、おそらく子供(に見える)であるオレにこんなことを頼むことは、どうしようもなく葛藤したはずだ。それでも恥を忍んで頼んだってことはそれほどまでにお前には生きてほしいという事なんだよ。その気持ちを無視して『私一人で』なんてほざいてんじゃねえぞ!!」
「…………!」
オレの言葉を聴いたリヴィアという子は表情を歪ませて声を張って反論した。
「じゃあどうしろって言うんですか! このままだとラヴィニスは殺されてしまうんですよ! 私はラヴィニスに死んでほしくないから……私は……私は……!」
ラヴィニス……この人の名か。
こんなこと教えるのは残酷だが…………仕方がない。
「リヴィア……だっけ? お前が命を張ったところで、あいつらはラヴィニスって人も殺すつもりなんだよ」
「えっ……?」
「そうだろ……あんたら?」
オレはおっさん共にそう言う。
「そんなわけねーじゃん。俺達は約束を守るよぉ~」
「そうそう。せっかくお嬢ちゃんが命を張ったってのによぉ」
「ガキィ、あんたのせいで台無しになるんだぜぇ~」
……ったく、白々しい。
お前らが嘘をついているなんて【心音心理】で丸わかりなんだよ。
わかりやすいくらい鼓動が鳴っているんだよ。
「リヴィア」
そしてオレは、
リヴィアに最も残酷な現実を突きつける……!
「どちらにせよ……
…………このままだとラヴィニスは、助からなくなる」
「………………!?」
オレの発言に言葉すら出ないリヴィア。
それでも俺は続ける。
「出血多量ってことだ。かなり血を流している。今はまだかろうじて息はあるが、このまま放っておくと……間違いなく死ぬ」
「……そんな……そんな……!」
その場で泣き崩れるリヴィア。それに対しあいつらは……
「おいおい、せっかく黙っていたのに」
「ずいぶんと残酷なことをするんだなぁ。ガキのくせにぃ」
「おお~怖い怖い」
オレは、あいつらの声を聞かず、あいつに問いかける。
(おい、ノワール。おい、おい)
«何だね»
(あのラヴィニスって女の血液、オレで賄えるか?)
«それは無理だ。血液が違う。しかし…»
(しかし?)
«そこの暗殺者の何人かは同じ血液だ»
あいつらの何人かが同じ血液…………ならば!
「リヴィア、諦めるな! そのラヴィニスって人の血液を別の人の血液で賄えばいいだけだ!」
「まか……なう……?」
「そうだ。そのためには……」
オレは、前方を見る。そのためには、
「いいかげん決めなよ。いったい誰が死ぬかをさぁ」
「そうそう。もっとも、この光景を見られた以上」
「君も殺しの対象だぁ!!」
暗殺者を何とかしないとな!
戦闘は次になってしまいました。すいません。
(今度こそ)シアンは一対多数にどう戦っていくのか
ラヴィニスは助かるのか!?




