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無言の帰宅 ③
夕暮れが
すっかり街を暗闇に落とし込んだ中
私は
二人が一緒に暮らした
アパートへ帰宅した
羽田空港から
東京モノレールを乗り継いで
東京郊外へ
二人が通う大学近くの
割りと小綺麗な中級者クラスの
世帯向け高級アパートだ
具体的には
歳上の彼女の住むアパートに
私が転がり込んだ
いわゆる居候の紐みたいな関係だ
そんな関係のカップルは
当時はたくさんいた
昭和の終わり頃の話だ
この物語は
ヤングジャンプやヤングマガジンらが
青年向けの漫画雑誌として刊行された
まだ未来に希望が
たくさんあった時代の話だ




