『92話 古城31』
『92話 古城31』
冒険者や騎士団はアスカの説明で作業を。
たぶん半信半疑だった。
ただ成果は直ぐにでるのは俺はわかっている。
解体作業は開始されていて、俺のスキルを発動してまもなく、作業者の間から異変の声が聞こえる。
「は、は、は、は、は、速い、速い、速いぞおおおおおお!」
「凄えええええええええええええええ、スライムに、スライムに触ったら、もう解体終わっちゃった!」
「私もだあああああ、いつ解体したか記憶がないのに、終わっちゃった!」
アスカは息をのんで待っていると、次々と声があり、それも大問題が起きたかのような言い方だ。
「ロメーロ様、作業者の方が大変な騒ぎになってます、みんなどうしたの?」
「解体スキルの効果を体感したのだろう。まあ、これはわかっていたことではあるが」
「ロメーロ、ロメーロ、大変だ、大変だ、解体が終わっちゃったんだ!」
「スライムサンダーとスキュラだ、あれだけいたので、大変な時間かかかるはずなのに、触ったら終わった。自分でも何が何だかわからない!」
自分で何を言っているのかわからないなら、聞いている俺はもっとわからないはずだが、逆に完全にわかる。
それが俺の器用富豪だからな。
ガブレラ神から直接授かったスキルだから、そこらのスキルとは根本的に違う。
それが明らかになった。
「それが器用富豪スキルの効果だ。通常の1000倍に解体速度を上昇してあるから、本人でも認識不可能な速度で解体されてしまうのだ」
「さ、さ、1000倍! どんな数字かちょっとイメージできないですけど、討伐で大活躍したのに続き、解体作業もロメーロの独断場だ」
「本当に凄い、ロメーロといると、頭がおかしくなりそうなくらい凄い!」
「ロメーロ様。皆さん褒めてます。もう絶賛ですし、中には神様を見ている感じで見ています」
「直接に解体作業をしなくていいと言うから、スキルで応援したまでだ。解体作業のような作業も時短可能なのが器用富豪スキルだ。速い方がいいだろう。王都にも早く帰れるしな」
もの凄い数の魔物がいるのであり、解体作業だけで1日かかってしまうとしたら、大変な時間の無駄と言える。
ようやく効果を体感したのか、あちこちで騒ぎになったのが全て俺の器用富豪スキルとわかり、俺の名前が連呼される。
まあ、わかってはいたが。




