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『91話 古城30』

『91話 古城30』



 一番理解してくれているのは今のところアスカくらいか。

 なぜかアスカは初めから俺を疑うことなく理解してくれるのは、彼女は器用貧乏を差別していないのもある。


 たいていの人は、冒険者などは器用貧乏スキルを下に見ているふしがあり、器用貧乏スキル自体は数多く持っている人はいても、冒険者パーティー内での地位は低いのだ。

 実際に低いし、使い捨てられる場合もある。


 俺もオリオンのパーティーではそうだったし、他のパーティーに行ったとしても同じだったろうことは想像がつくものだ。

 強力なスキルを一つ持っている方が貴重なこともある。

 器用貧乏だと、どうしても平均的な低いスキルなので、期待されていない。


 器用貧乏から器用富豪に進化したのは、世界でも俺だけと思えるのは、急に進化したのであり、俺にもそこらへんのところはわかっていない。

 ガブレラ神がなぜ俺を選んだのかさえ知らないのだから。

 まぁそういうのもあり、器用富豪スキルを使うとした。


「器用富豪スキル、解体作業速度1000倍上昇」


 器用富豪スキルを冒険者と騎士団全員に発動したのである。

 全員に発動するとスキルは膨大な力が必要なので、できるだけしたくはないのだが、早い方がいい。

 もう魔物はいないだろうからな。


「まさか、イフリートスを倒した、あの器用なんとかスキルですか!」


「器用富豪スキルだ。気にせず解体を続けてくれ」


「冒険者と騎士団の皆さん、ロメーロ様が続けてくれと言ってます。どうか続けてください!」


 アスカが俺の代わりに伝えてくれた。

 みんなはまだ俺の言っている意味がわかっていないようだったけど、アスカが説明したら、少しは理解してくれたらしい。

 説明するのが難しいのが器用富豪の欠点でもあった。


「あ、はい、続けたらいいですね、まあアスカさんがそう言うなら、続けてみますけど、たぶん同じだと思う」


 アスカのアドバイスを聞こえたのだろうが、あまり真剣にきいていない感じであった。


 まあそうだろうなと思ったのは、スキルというものは、たいていの場合において、実際に体感して初めて理解できる。


 いくらアスカが口で説明しても、こればかりは難しいのもあり、俺はしばらくの間、待つとした。


「ロメーロ様、何も変化ないようだよ、本当に変化があるの?」


「大丈夫だ。俺の器用富豪スキルだ。今までも見てきただろ。直ぐに結果が出るさ」


「はい、もうちょい見学してみます。今まで奇跡を見てきましたし」

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