『90話 古城29』
『90話 古城29』
勇者オリオンは俺のスキルによって時間短縮されているのを知っていたのかは、今となってはわからないが、解体作業における時間は、冒険者には省きたくても省けない時間というのが、常識だ。
実際に騎士団500人と冒険者100人が手作業で解体作業に集中しており、大変な重労働となった。
アスカも解体をしており、
「ロメーロ様。スライムの解体は難しい、グニャグニャしているから切れないの!」
「スライムは粘性魔物だ。解体するにはコツがいる」
スライムは粘性魔物なのでアスカは手こずっていて、ジェル状を解体するのは意外と難しいとされ、俺もオリオン達と冒険中に、やはりスライムを解体したが、時間はかかった。
ただその当時はまだ器用貧乏スキルだったことあり、現在の俺は別人である。
「ロメーロは休んでいてください。最大の功労者ですので、お疲れでしょう。せめて解体くらいは騎士団がやりますから」
「そうですよロメーロ様。もう休んでいてよね」
「俺が手を出すのはいいと言うことか。了解した。俺が直接ではなくて、間接的に手を出すのはいいのだな」
「間接的とは。まさかまたスキルで……いや解体作業はほとんどが手作業の仕事ですし、Sランクの冒険者が解体しても、Fランクが解体しても時間は変わらないと言われるのです。ロメーロのスキルでも変わらないはずです」
どうやら俺という存在を騎士団は完全には理解していないと思えるのは、器用富豪スキルには解体作業の速度をも上昇させるスキルがあるのだ。
俺という存在を今度はわかってくれるはずてあろうか、でもわかってもらえないかは、オリオンもそうだったしな。
オリオンも結局は追放されるまで俺を理解してくれなかったが、騎士団はオリオンよりは理解してくれる。
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