『78話 古城17 イフリートスの魔法』
『78話 古城17 イフリートスの魔法』
イフリートスの不気味な笑いが聞こえる。
奴は最初からこれを狙ってたのは、大部屋に誘い込むのを待っていたのだ。
最初からイフリートスが姿を現れたなら、その神話とかいう魔物だから、みんな逃げてしまうし、戦いを避ける可能性もある。
それをあえてここまで姿を隠しておき、大部屋に誘い込むと逃げ場はなくなるし、一気に炎の魔法で全滅させるてわけか。
相手のことを褒めるのは好きではないが、良く考えたとは思える策ではあっても、俺の前には通じないのをわからせるかな。
いくら伝説級のイフリートスだろうが、器用富豪はその上をいく。
伝説級の上をな。
それが器用富豪だ。
「あああああ、雷光の団がみんな倒れているぞ。死んだ、全員死んだぞ!」
「まさか一撃で全員死亡かよ、化け物だ、化け物だ、神話の化け物が現れたああああああああああああ、逃げろ、逃げろ!」
「逃げろおおおおおおおお、雷光の団が一撃て、強すぎだあああああああ、勝ち目はないぞおおおおおお!」
「あはははははははははははは、逃がすかバカ。我から逃げれる思うな、ヒュドラよ回り込め、一人たりとも逃がすな!」
「はい、イフリートス様、入口を封鎖します」
命令されたヒュドラが冒険者を囲い込むと、出口を防がれた形になって、出口にはヒュドラ、前にはイフリートスとなっていた。
やはり俺の思ったとおりに奴は、この大部屋で全滅を企んでいたのだな。
ヒュドラは初めから戦いをせずに、あくまで出口の封鎖役か。
Aランク級のヒュドラにさせるとは、ぜいたくな役者だな。
普通には考えられないので、誰も考えつかないし、発想もないだろうか、俺に通じると思ったか。
たとえヒュドラが出口を守ろともヒュドラ程度で守れるかと言えば俺には封鎖にはならないがな。
まぁヒュドラはいても居なくても俺には同じだが、最初は雷光の団を救わないとな。
すでに俺が守る前にメガイラプションを受けてしまったのだから。
焼け死ぬのも時間の問題だ。
ヒュドラの攻撃力とは比較にならない破壊力だったが、これ以上はさせない。
古城を占拠しているが、出ていかせる。
必ず古城から俺が追い出す。
「ロメーロ様。もう最悪になっている。雷光の団は全滅してるし、他の冒険者、騎士団達も逃げ道を塞がれてます!」
「見てわかるよ、俺がいるのは計算外だって教えるとして、アスカはここにいろ、決して動くな」
「はいロメーロ様。まさかロメーロ様、あの伝説級の化け物イフリートスと戦う?」
「そのまさかだな」
「お止めください!」
不安そうな顔をする。
俺がイフリートスに負けると思って心配している風だ。
心配は無用だ。
たとえ伝説級の化け物だろうが、俺が負けることはない。
むしろイフリートスに後悔させるのを、この場にいる騎士団も冒険者達も目に焼き付けることになる。
真の化け物とはなにかを。
「心配ない。アスティよりは俺は強い」
アスカは心配そうに俺を見ていたのであるが、あまりに危険なので遠くの位置に待機させた。
さすがにイフリートスと戦わせるわけにはいかないので。
「おおおおおお、ロメーロだ、ロメーロがいる、助けてくれロメーロ!!」
「ロメーロ、もうダメダメ、もう全員死ぬぞ、逃げ道がない!」
「そう慌てるでない。みんなはイフリートスと戦う必要ない。俺がやる」
「ロメーロが!」
「えええっ、ロメーロ戦う気かあの化け物と!」
冒険者らはもう気が動転していて、何を言っているのかわかっていないのだ。
絶望的な思考が頭の中を支配してしまったからで、イフリートスの狙いでもあり、それを俺は打破したいわけだ。
俺が居るのを知らないイフリートスは、まだ勝った気でいるのだが、そう簡単にはお前に勝たせないと俺は前進する。
イフリートスは、追加で火魔法メガイラプションの詠唱開始していて、俺の存在には気づいていないのは、問題だ。
早く気づくべきで、俺と戦うのなら気づかなくてはならないし、遅いと言えるところは、やや鈍感なのかイフリートスは。
それとも自分の力を過信しすぎか。
もっと強い強者がこの場にいるのに鈍感だったな。
「グハハハ、もう終わりか、なんだよ、あっけねえ冒険者だ、このまま古城は我の物にして、次はカイザール国王都も我の物とする。グハハハ、あっさりと一つの国を手にしたら、エピック国や他の国も我の物にする。この分だと楽に3日もあれば世界は我の物になるな、グハハハハハ、メガイラプションで焼け死ね」
「あああああああ、また炎が来るぞおおおお!」
「もうだめだああああああああああああ、ロメーロおおおおおお、助けてええええ!」
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