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初めての対人戦

シルヴィアとベンは、暗く沈んだ森の中を進んでいた。日が沈み、辺りはすっかりと夜の気配を纏っている。木々の間から漏れる月光が、足元を淡く照らしているだけだ。


「気をつけた方がいいかもしれません。」シルヴィアが、静かに言った。その言葉には何かを察知したような、少し緊張感のある響きがあった。


ベンはその言葉を聞きながら、周囲の気配を敏感に感じ取っていた。その瞬間、茂みの中から低い声が響いた。


「おい、そこの二人! ちょっといいもん持ってそうだな。」


突然、道の先から現れたのは、数人の野盗だった。顔には無精ひげが生え、身にまとっているのは粗末な鎧や皮装備。鋭い目つきで二人を睨みつけ、手には鋼の刃をしっかりと握りしめている。


「やっぱり、こういう連中か。」ベンは冷静に呟き、周囲の状況を観察する。シルヴィアも、後ろで慎重に構えながら、相手の動きを見守っている。


その中の一人が、ニヤリと笑ってシルヴィアに目を向けた。「おいおい、そこの姉ちゃん、いい顔してんな。金品も奪わせてもらうが、お前も頂くぜ?」


別の野盗「おいおい、姉ちゃんの最初は俺がもらうからな!」



ベンの体が瞬時に硬直する。怒りのこもった目で野盗を睨みつけ、息をのむ。シルヴィアは冷静に一歩後退し、ベンの横に立った。


「ベン、下がってください。」シルヴィアは静かに言いながら、掌に魔力を集中させ始める。


ベンはその声に反応しながらも、野盗たちの動きを見守る。「ああ、大丈夫だ。こういうやつらには、手を出させない。」


野党が笑った


「おいおい、お前1人で何ができるんだっていうんだよ!」


そして野盗のリーダー格の男が、愉快そうに笑いながら刀を引き抜く。「姉ちゃん、そんな色白男より、俺の方が無骨でいいだろ。そんなやつすぐに忘れさせてもらうぐらい、ご奉仕は無駄に時間かけさせてもらうぜ!」


その言葉を合図に、野盗たちは一斉に動き出す。リーダーの男はベンに向かって一直線に突っ込んできた。ベンはすぐに大剣を引き抜き、足を踏み込むと同時に相手の攻撃を受け止める。


剣同士が激しくぶつかり、金属の鈍い音が響く。ベンはそのまま力を込めて相手を押し返すが、リーダーの男も負けじと踏ん張る。力の差は明らかにベンの方が上だったが、相手は必死に踏みとどまっている。


「お前、なかなかやるじゃねぇか!」リーダーの男は歯をむき出しにして叫ぶ。


ベンはその一瞬の隙をついて、大剣を横に振り、相手の肩をかすめた。リーダーの男が苦しげに身をよじるが、すぐに体勢を立て直して反撃の体勢に入る。


その瞬間、別の野盗がシルヴィアに向かって走り出した。そいつの手には細長い短剣が握られている。シルヴィアは瞬時に魔法を発動し、手のひらから光の弾を放つ。弾は空気を震わせて進み、野盗の足元に激しく衝突した。


「うっ!」野盗がバランスを崩し、その場で転がりながらも再度立ち上がろうとする。しかし、シルヴィアは次の瞬間、もう一発、今度は光の刃を手から放つ。刃は鋭く空気を切り裂きながら進み、直線的に野盗の胸部を貫通した。


その野盗は、力なく膝をつき、倒れ込んだ。


「シルヴィア!」ベンが振り返り、無事を確認すると、すぐに戦いに戻った。リーダーの男が再びベンに向かって突っ込んでくる。ベンはその動きに反応し、大剣を逆手に持ち、相手の攻撃をひらりとかわした。そのまま隙間をついて相手の腹部を切り裂く。


「ぐっ…!」リーダーの男が苦しむが、まだ諦めていない様子だ。だが、ベンは冷静にその動きを見極め、最後の一撃を放つ。大剣が一閃し、リーダーの男を地面に沈めた。


周囲の野盗たちはその戦況を見て、徐々に退却を始める。しかし、ベンの鋭い視線がその動きを止めた。彼はまだ油断せず、周囲を警戒し続ける。


「逃げるな。」ベンは冷徹に言い、すぐに周囲の足元に落ちた剣を拾い上げた。「もう一歩でも近づけば、容赦はしない。」


残りの野盗たちはその言葉を聞き、すぐに背を向けて、森の中に消えていった。


静寂が戻り、ベンは大きく息をつきながら周囲を見渡す。シルヴィアは少し離れた場所で、冷静にその戦闘を見守っていた。


「無事でよかった。」シルヴィアは安堵の表情を浮かべ、ベンに向かって歩み寄る。「でも、もう少し早く対応できればよかったかもしれません。」


「いや、問題ない。こういうのは慣れてるからな。」ベンは軽く微笑んで答えた。「次からはもっと気をつけよう。」

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