第5話 とある噂とサプライズ
「なぁなぁ、聞いたか?」
「何が?」
望月がスインへ質問をしていた。
「リュウロのパーカーのフードに、目みたいなのがあるじゃん」
「その目、動くらしいんだよ」
「うっそだぁ」
望月のバカみたいな発言に、スインは呆れていた。
「だから、嘘か本当か確かめるんだよ」
まるで、少年のようなキラキラした瞳に、スインは弱かった。
「えぇ〜…」
「久しぶりに会社来たのに…」
こんな事を言っているが、なんやかんやで、結局は手伝ってくれる。
「いーじゃんかよ」
「よっしゃ、じゃあ謎を開明に、ご〜」
望月がスインの着物の首元を掴んで、謎の解明に行こうとした、その時に、
「あ、居た居た」
社長が2人を呼び止めた。
「なんすか、社長」
「今日って、4月21日だろ?」
「あ、リュウロの誕生日」
スインが答え、社長が頷き、
「だから、リュウロを会議室に呼んでくれないかな」
2人に、頼み事をした。
「どこっすか」
「第6」
「あざす〜じゃ、リュウロ呼んでくるわ〜」
望月が会議室の場所を聞くと、スインを、連れて、仮眠室へと向かった。
「えぇ....私も…?」
そうして、壱鬼一柱は、仮眠室で寝ているであろうリュウロを呼びに行った。
❂
皆さん、お久しぶりです。
リュウロです。
今日は久方ぶりに、小説を書いています。
そして、本日書く事といえば、
「おーい、リュウロ〜」
望月が呼んでいる、
今日も、書く隙間は無いのだろうか、
「これから会議があって、着いてきてくれるか?」
望月が言うと、嘘っぽく聞こえるのは、気のせいだろうか。
「会議…なんかあったっけ」
私がそう聞くと、望月の隣に立っていたスインが答えた。
「…突然決まったの」
スインが言うなら、本当の事か。
さて、会議室へ向かいますか。
「あぁ、今回やる会議室は、第6な」
第6か、珍しいなと思いながら、私は会議室へ2人と共に向かった。
❂
会議室へと着き、扉を開けた瞬間、
「「「ハッピーバースデ〜!!!」」」
会議室に居た全員がそう叫んだ。
その後、クラッカーの音も聞こえてきた。
「…あれ、今日って誰かの誕生日だった?」
私が疑問に思っていると、
望月が頭を鷲掴みにして、撫でてきやがった。
「今日は、お前の誕生日だよ」
…そうか、忘れていた。
今日は、私の誕生日か。
口角が緩むのを実感しながら私は微笑んでいた。
そして、小声で誰にも聞こえない声でこう言った、
「誕生日おめでとう…██」
その後、参加する他の社員も集まった。
誕生日と言うのは、めんどくさいな。
誕生日つっても、ただの平日なのに、
まぁ、他の奴らが楽しんでるから、別に良いか。
……そういえば、
昔、こんな感じで誰かに祝られたこと、あったような、気のせいだろう。
❂
誕生日会が終わる頃、何処からか、
「リュウ……とう」
と聞こえたような気がした、……が、気の所為だろう。
だが、何故だろう、とても懐かしく、暖かい。
まぁ、どうでも良いか。
さて、残っている仕事を終わらせるとしますか。
❂
リュウロが仕事場へ戻り、周りに人が居ない時、望月がスインに問いかけていた。
「スイン〜見たか〜?」
「うん、見た」
「あの目…動いてたな」
なんと、まだあのパーカーの秘密について調べていたのだ。
「動いてた…」
「…でも、悪い奴では無さそうだな」
「うん、今は様子を見てみよ」
なにかを感じ取った彼らは、リュウロに報告するのは、後にしようと話し合った。
「後、リュウロの隣に居た死神、めっちゃ楽しんでたな」
「うん、そうだ」
「ウェ?」
望月が突然、ぶっ込んできた言葉に、スインは驚いてしまった。
「気づいてたの?!」
「最初っからな」
「だから、出会った当初、めっちゃ仲悪かったんだよ」
そう、望月とリュウロは、最初からあんなに仲が良かった訳ではなかった。
「あぁ…なるほどね」
「まぁ、話してる内に仲良くなったんだよ」
「な?」
望月が、空へ向かって問いかけた。
その時、何処からか黒い髪と狐の耳を生やして、片目を隠している死神が現れた。
服は、死装束の着方をした真っ白な着物だった。
「…ツネさん」
スインがそう言うと、その柱は、微笑んで言った。
「楽しかったな、今日の誕生日会は」
「どーせ、お前の提案だろ」
スインが自身より上の位に居る柱へ向かい、タメ口で話している望月に、少し恐怖を覚えてしまった。
「そうじゃ」
スインは、そんな返事をした柱に驚き、
「なんで、こんなことをしたんです?」
と、問いかけてしまった。
「そんなもの…リュウロに楽しんで貰いたかったからじゃ」
死神でもあろう方が、ただ一人の少女の為に、なぜそんな事をしたのか、疑問に思った。
「いや、あの子、誕生日とかハロウィンとか、ただの平日って考えますからね」
呆れながら、彼女は言う。
「そうじゃったな」
その柱は、笑った
「さて、そろそろ妾は、あの半神の元へ行くとするかの」
そう言った彼女に、望月は思い出したかのように問いかけた。
「そういや、リュウロは死神と、あの神の加護を受けてんだっけ」
「そうじゃな」
「妾は今夜、あの神の元へ行き、話をしてくる」
久しぶりに知人に会うような口ぶりで、その柱は言う。
「…私は行かないから」
「いや、スイン、貴様も来い」
「はぁ!?」
行かない発言をした彼女を、引き連れるように、
「ストッパーが居れば安心じゃ」
スインは、自身がなぜストッパーなのか、理解が出来なかったが、上の位に居る、上司のような柱に、逆らう勇気は、無かった。
「……しょうがない」
「じゃ、行ってくる」
「行ってら」
望月に引き留められ無かったのを、残念に思いながら、一足先に、リュウロ達に加護を与えた神の元へと行った。




