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悪魔だらけの探偵部  作者: 木板 実
第2章 歓迎の予告状
14/30

第13話 2人とも•••?

 今日は文化祭当日。


 結局、この1週間は特に何もすることなく過ぎた。

 例の予告状を送った犯人はもちろん判明していないが、それに関連した動きも見られなかった。

 私としてはあの予告状から事件の匂いはしなかったので忘れようとしたのだが、昨日の夜に白澤くんからこんなメールが届いた。

『明日の朝7時半に部室に集合。白澤』

 メアドを交換したとき、今時メールを使う高校生がいることに動揺を隠せなかったが、いざ本当にメールが来た時には思わず「まじか」と言ってしまった。

 ただ、それよりも文化祭当日の朝に呼び出しをしたことが不思議だ。

「『集合』ってことは、私だけじゃなくて青里さんと緑橋さんも呼ばれたのかな・・」

 まさか白澤くんはあの予告状を信じているのだろうか。

 でも、あの日青里さんも言っていた通り、あの予告状に意味は感じられない。

 予告状を送ること自体はアニメとかでよく見るし、あり得ることだとは思う。

 ただ、それをこの部活に送ることがまるで無意味なのだ。

 私ですらこの予告状がイタズラだと分かっている。なら白澤くんだって見抜けているに決まっている。

 だからこそ、今朝呼び出された理由がもやの向こうに・・。




 ※※※




「ろ、ローテーション?」

 集合時間から10分遅れてやって来た白澤くんは、いつも通りの雰囲気で説明した。

「そう、オレたち4人が一定時間(ごと)にローテーションで宝石を護衛するんだ」

 隣の青里さんと緑橋さんからは「ほーい」という気の抜けた返事が聞こえたが、私としては納得いかない。

「ちょ、ちょっと待ってよ?まさか白澤くん、あの予告状のこと信じてるの?」

「信じる、って言うかー・・、いや、まぁ信じるってことになるな」

 その曖昧な返事に反論しようとすると、有無を言わさぬ勢いで白澤くんが話し出す。

「恐らく犯人は今日『勇壮な翠玉(ブレイブ・エメラルド)』を盗むために行動を起こすだろう。故に何があるか分からないから、無闇に動くことなく、しっかりオレに連絡するんだ。それから・・」

 なんだか小学生の遠足みたいな説明が始まった。

 しっかり注意事項を説明し終えた白澤くんは、私に視線を向け、

「なんか、気に食わないって顔してるな」

「そりゃ、私には君の考えが欠片も見えてこないからね」

 べーっと舌を出して非難すると、白澤くんは「ふっ」鼻で笑った。腹立つ!

 ここまで疑念を顔で示しているのに、全くネタを明かしてくれない。こうもかたくなに口をつぐんでいるとなると、青里さんと緑橋さんはもう白澤くんの考えが読めているのだろう。最初の事件の時は緑橋さんがそんな感じだったはず。

「9時から文化祭は始まるが、そこから1時間単位で交代する。順番は最初にオレ、次に美咲、そして江、最後に赤崎だ。今日は14時までしか開催されないから、恐らくオレが最後になるだろう」

 単純計算で、私は12時から13時までが担当になるだろう。

 2人からはさっきと同様、気の無い「りょーかい」という返事が聞こえた。

 ・・やっぱ、私だけ知らされずに蚊帳の外にされるのは気分が良くないなぁ。

 白澤くんの当たり前のような指示、そして2人の間抜けな返事を書いていると、その気持ちが余計に高まっていく。

「それじゃ、オレは顧問にまだ用があるから、ここで解散ってことで」

「ん?まだ、ってことは、さっきも森田先生と何かしていたの?」

「え?あ、ああ。7時半までには終わると思ってたんだけど、案の定延長しちゃってな」

 なるほど、それで10分遅れたのか。

 先生に用ってなんだろう?やっぱり予告状のことかな?

 白澤くんに言われた通り、この1週間は誰にも予告状のことを他言しなかった。もちろん先生にも。

 その意図が分からずじまいではあるが、とりあえず今は保留だ。

 白澤くんが廊下を歩いて行き、私たちから離れていくのを見守る。

 明らかに遠くなったところで私は残った2人に向き直ると、

「あのー、そろそろ教えて欲しいんだけど、何で白澤くんはあんなにも予告状を信じ切ってるの?」

 すると2人は顎に手を添えて、


「ほんと、不思議よね・・」

「さっぱり分かりませんね・・」


 2人から溜息にも近い言葉が返ってきた。

「・・あ、あれ?」

 心の声が漏れてしまった。

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