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70歳の一人部活  作者: 種田潔
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飛行機雲と円盤投げ

いつもの河川敷で円盤を投げていると何の鳥だろう、気持ちよさそうにコロコロといい声で鳴いている。

声の主を求めて川岸に降りていくと藪の中に見知らぬ一羽の小鳥の姿。

真似をしてさえずってみるが、その鳥は私の偽物のさえずりを見破ったようでうるさいとばかりにどこかに飛んで行ってしまった。


見上げれば青い空には一筋の飛行機雲。

そもそも飛行機雲はどのようにして出来るのだろう、とフト疑問に思う。

家に帰って見つけたサイトが私の疑問に答えてくれているが、要旨はこうである。

「飛行機雲には大まかに分けると、2種類の出来方がある。まず1つ目は、エンジンから出る排気ガスが作り出す雲。飛行機の飛ぶ高度1万メートルでは、地上より約60℃も気温が低く外はマイナス40℃以下。このような状態で、飛行機のエンジンが300~600℃となった排気ガスを出すと、その中の水分が急に冷やされて凍り、雲となって白く見える。これは冬の寒い日に息を吐くと白くなるのと同じ原理。 2つ目は、飛行機の主翼などの後ろに空気の渦ができて、部分的に気圧と気温が下がり、水分が冷やされるためにできる雲」

なるほど。

「しかし飛行機雲は、飛行機が飛びさえすればいつも見られるわけではない。飛行機の飛ぶ高さや上空の温度、湿度、空気の流れなどの条件がそろわないと発生しない」

そうだったのか、

また飛行機雲の出現はその後の天候のサインであることも知った。

飛行機雲が長時間残り、その後に薄雲が広がってくるようだと西から低気圧や前線などが近づいている証拠で天気が下り坂のサイン。逆に飛行機雲が短く消える時は晴れが続くことが多いそうな。

生まれてこの方私はただぼんやりと空を見上げていたが、そういうことだったのだ。これで空を見上げる楽しみが増えた。

この新知識は早速家族に披露し、彼らが日ごろ何かと軽んじている私への認識を大いに改めさせなくてはならない。


空といえばトワ・エ・モワのヒット曲に「空よ」がある。

1970年当時、視聴者からオリジナル曲を公募し、優れたものをプロの歌手による歌唱で発表するNHK総合テレビの『あなたのメロディー』という番組があった。「空よ」はその番組から生まれた曲で、当時浪人生活を送っていた私はこの名曲誕生の瞬間をテレビで見ている。

この河川敷は頭上に360度清々と空が広がり、よく飛行機雲を見る。それを切り裂くように私の投げた円盤が気持ちよく飛んでいく日もある。


・円盤が飛行機雲を両断す


荒井由実時代のユーミンに「ひこうき雲」という曲がある。

それを口笛で吹きながら、投擲練習を終えた心地よい疲労を感じつつ川沿いの道を自転車で帰宅。



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