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こんな人生ありですか?  作者: 南部鉄器愛好家
1/7

出会い 1-1

1章の1を1-1と表示します。

タイトルは章の時のみ表示しようかな?

手探りなのですいません。

  初執筆、初投稿です。転移・内政物です。

 戦闘はありますが,基本グロ無し、イチャラブ無しのあまり

 UP・DOWNの感じられない内容かな?

 じぇじぇじぇのような方言は入れないようにしますが、

 入っていたらご容赦を。

 特に投稿周期は決めていません。

 では、よろしくです。

==============================


  二〇一三年四月 

 気温二〇度前後の、肌寒かった春先の長雨がようやく上がり、

 久しぶりに晴れが続いた週末の土曜日。

 この頃から、ひと月半ほど先の梅雨までは、冬の期間が長い

 北東北各地で散り残った梅や、それを追いかけて咲いた桜。

 色とりどりの花々が、我も我もと玉突きのように

 自分たちの出番を主張する。

 それを道行く人達は、目を細めて、春の光りと共に楽しめる

 季節となる。

  そんな季節の始まりの事だった。


 俺(児玉 祐二)と、彼女の小野田 瑞樹は、M市郊外にある

 小岩〇農場まきば園近くの、滅多に人の来ない、広大な高原の

 緑の大海原に佇んでいる。

 縦横約四kmはあるだろうか。記憶によれば確か、関ケ原の

 合戦の舞台でもある関ケ原市がすっぽり入る広さだと思う。

 ナレーションの方が言っていたような。

  なので、ここを緑の大海原と言っても言い過ぎではない。

 しかも、これで牧場ではない。

 牧場などは疫病対策等のため、一般の方の無断入場は厳禁

 である。指定された場所だけOK(皆さんも要注意)

 この牧場は全国的にもよく知られ、大学生のころ、東京で

 放送していたのを偶然見て、懐かしさを覚えたことを思い出す。


  五月連休の催事も良いが、東北と言えば、淡い光に写し

 だされる冬の雪まつりが幻想的で素晴らしい。

 この雪祭りには大型の雪像を、自衛隊滝沢駐屯地の皆さんが、

 毎年その一年間に流行ったキャラクターなど(その年により

 増減するが)二〇~三〇基ほど製作される。

 また一〇年程前になるが、国営放送の朝ドラで一本桜が

 有名になり、放送翌年に観光バスを多数連ねてやって来たもの

 の、野鳥に桜の芽を食われて、桜の花が全く咲ておらずボヤい

 て帰る一幕を放送していた。


 三月すえの、梅の濃いピンク色から始まり、四月の頭は薄桃色

 の桜が咲き、ようやく東北に春が訪れる。

 千年以上昔になるが、奈良時代以前は、花見と言えば梅だった

 と言い、現在の花見の対象である桜も、関東では散り始める時期に、

 東北各地で開花宣言が聞こえてくるほどの季節差がある。

 またそんな田舎でも、平地と県北部の山合いとでは、更に

 一~二週間ほどの差がある。


 四月すえには平地でソメイヨシノが散り始めると、今度は山合いで

また咲き始め、そのソメイヨシノと日を開けずに、ソメイヨシノより

花がやや大きめで丸く、少しピンクが強い、ふんわぁ~りとした

八重桜が咲き始める。

街道筋にはハナミズキの白い花が咲き、歩道には小・中学生が育てた

のであろうかプランターに入った、赤や黄色のチューリップが

風にゆらゆらと揺れている。


  五月ともなれば庭先の生け垣の一部に、ピンクや赤のつつじが

 咲き始め、庭先にはその家の主人が手作りで拵えた2m程の高さの

 棚に紫のフジの花が、ひっそりと、だが美しく咲いている。

 そして、少し目線を山に移せば、その頂にはまだしっかりと残雪が

 広範囲に見える。


  こんな田舎で毎年見ている風景ではあるが、この時期の華やかな

 季節感は格別なものだ。

 季節感と言えばいいのか、命の躍動感と言えばいいのか、季節が

 濃密な空気と匂いの塊となり迫って来る。

 この感じは、何十回この地方を訪れようとも、この時期、ここに

 住まなければ、きっとわからないであろう。

 目で見るこの美しい景色と、肌で感じる季節感を彼女と共有した

 かったのには訳があった。

 


 彼女は神奈川県相模原市生まれで、高校卒業後、東京の会社に就職。

 それに伴い、実家から出て一人暮らしを始めたそうだ。

 二〇〇八年四月。俺も大学卒業後、小野田さんと同じ会社に入社。

 営業職に配属され、入社三年目の彼女が俺の新人教育担当者の一人

 だった。


 社会人二年先輩で、年齢が二歳年下というのは、最初の接し方に

 戸惑いを感じた。

 小野田さんは身長一六二cmでショートカットのキリッとした雰囲気

 があったので、何かスポーツでもしていたかと聞いてみると、

 高校時代には格闘系の部に所属し、県大会優勝、全国大会三回戦進出

 というバリバリ武闘派女子だったそうだ。

 なるほどそれでか。

 気さくな感じがした中に、キリッとした第一印象を納得した。

 肌は若干、日に焼けた胸元の金の、飾りが無いチェーンが紺の

 スーツによくに合っていた。

 しかし、俺より都会に住んでいた割には、あか抜けない感じがしたと

 思ったは内緒だ。

 こんな感じを悟られでもしたら、きっとその侮蔑の態度に俺の動きが

 鈍り、冷たい視線で凍り付くこと間違いなし。

(これを誰得なんて言っている方たちはきっと、なんかの実を食べた

 能力者だと思う。そんな状態で仕事になるかぁ~、汗)

 

 そんなことを思い出しながら、入社してはやふた月、靴の底が減り

 始めた頃、久々に会社から近い(徒歩三分)定食屋に、ちょっと

 遅い昼食をもとめ、小野田さんと来ていた。

 俺はかつ丼、彼女は天丼を注文し二人ともほぼ同時に、携帯チェック

 のため、目線を落としたとき、ふと聞き覚えのある声が二人の耳に

 届いた。

 店内を見回すと、衝立の向こう、小上がりの畳席で、同期の男三人の

 姿が見えた。

 俺は、ああ三馬鹿か、と思い興味もないので、すぐ視線を携帯に移した。

 移したと同時に何故か、店内にも人がおり、それなりに雑談しているが、

 三馬鹿の声が不愉快にも俺の耳に届く。


  一人は社主の縁故入社、一人は重要取引先の役員の息子だ。

 もう一人は、お約束の取り巻きA君。

 名前は知らんし知りたくもない。(太鼓持ちと覚えよう)

 うちの会社はそこそこ大きいらしい。

 全社員六五〇〇名、支社は主要五大都市に、四十三営業所を有する

 規模だ。

 何年かに一度、こんなのが一人、二人入るらしいが、このふた月での

 出来事は本社内でも下っ端の方では、既に有名人だった。

 課長に相談するも、やんわりと「お前らで何とかしろ」と言外のお達し

 であり、結論として現場は、仕事をさせない、回さないを暗黙のルール

 として対処しているそうだ。

 なので、内勤であるにもかかわらず、こいつらは今、午後の一時を

 回っているのに、まぁだ、ここにいて、おしゃべり(噂話)に華を

 咲かせている。

 また、その話も下らなく、社員証付けているのに、うちの社長の経営で

 はだめだとか、

 〇〇部長は賄賂をもらっているとか、〇〇課の課長は〇〇課の・・・と

 不倫してるとか、(聞こえない部分もあったが問題なし)同じ課の

 主任の仕事より俺の方が効率よくできるとか。「まぁ何様よ」と言う

 内容だ。

 おそらく、俺が思うに、社長、部長のくだりは、お前のオヤジの話を

 聞きかじったか、お前のオヤジが賄賂渡してんじゃねぇのかと思うし、

 主任は、お前らに簡単な仕事振って、後始末で地獄を見たから、

 お使い程度の仕事も回せないんだよ、きっと。

 そのペラペラよく回る舌が付いているから、あちこちに会社の恥を

(こいつらのこと)さらして歩く可能性を考えたんだろうさ。と予想

 している。

 当たっていようが、いまいが興味は全くない。


 俺たちは、こいつらに気が付かれないよう、さっさと食って店を出よう

 と思い、飯をかき込んだ。

 店を出て、小野田さんが開口一番「男の子がおばさん化しているって

 聞くけどこんな感じのことかなぁ」と言うもんだから、自分たち世代の

 名誉のために「あいつらは、下の下であって、珍しい部類だから

 勘違いしないでほしい」というと「わかってるわよ、児玉君の評価って

 意外に高くつけているのよ」と年上ぶった言い方をするので「それは

 ありがとうございます、小野田女史」と返した。

 すると小野田さんは上目遣いに「女史なんて言わないで」と非難の視線

 と言葉と、右手の突き出しを俺にくらわした。やはり何気に痛かった。

 

 






一行の感覚が(文字数がわからず編集し直してしまいました。

結構この章は長いかな?

飽きずに次話もお願いします。

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