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第8話 魔法学校の試験内容2

 俺はセシリーを誘おうと声を掛けに行った。


 だがセシリーは意外にも人気者だった。


 といっても女子が集っていたに過ぎない。


 そこには俺が入る隙はなかった。


 仕方がないので俺は諦めることにした。


 いずれ恩返しができればいいんだがな。


 そうこうしている内に俺は試験場に着いた。


 試験場を見渡すとなにやら的のような物が宙に浮いてあった。


 しかもその的には全方位型のバリアが張られていた。


 ほう。これはこれはあの的がバリアを張っているようだ。


 だが……実に軟弱そうなバリアだな。ここは軽く突破できそうだ。


「これより実技試験を行います。呼ばれたら来て下さい。では一番。アレス」


 なるほどな。さっきの筆記試験の順位をそのまま持ってきたのか。


 いいだろう。ここは軽く終わらせてやろう。といってもこの程度なら本気を出すまでもない。


「では。実技試験。開始!」


 さてさてどのようにしてバリアを破壊しつつ的を射るかだな。ならばここは――


 突技【チェインスピアー】


 俺が無詠唱した瞬間。先端に突起が付いたチェインが急に出てきた。俺は静かにチェインを操作し的をバリアごと貫いた。


「はぁ!?」


 うん? なにを驚いているんだ? たかが的を貫いたくらいで驚くなんて教養がないんじゃないのか。試験官の。


「平民が……馬鹿な。上等生でもバリアを破るか破れないかだぞ? しかも最硬度の的を意図も簡単に貫いただと!?」


 なんだと!? それが本当ならやりすぎたな。俺が英雄光だとばれたとしてもたかが知れているように見せないとな。ここは。


「は!? ……おほん。すまない。えーと……アレス君はもう下がるように」


 俺は静かに一礼しその場を後にした。うーん。やりすぎは本当にやめるべきだな。これは。反省。反省っと。


「では次。セシリー」


 お? 我が恩人のレベルを知る大きな機会だ。ここは……見せてもらおうか。セシリーの実力とやらを。


 セシリーが指定位置に着く前に俺が的を見ると自己再生していた。ほう。そんな機能まであるのか。素晴らしい。


 とここでセシリーが指定位置に着いた。とここで俺は暇つぶしにセシリーのオーラの色を見た。ほう。青色か。


 そう思った次の瞬間。セシリーの右手から渦を巻いた水が出てきた。見たところ先が尖がっている。これは俺と似ているな。


 だが一つだけ違うのは誘導力がないところだろう。俺のチェインスピアーは魔素操作によって誘導力がある。


 うむ。とはいえこのバリアを破壊するには十分過ぎだ。勢いのままにバリアを破壊し的に傷を付けていた。ほう。素晴らしい。


「……また平民が。この二人。可笑しいぞ」


 試験官の愚痴が聞こえた。だがそんなことは知らん。ただ俺達は力をセーブしながらもやっただけに過ぎない。


 もし不正を疑うのなら勝手にしてほしい。と言いたいのだが生憎そんなに俺は暇人ではない。


 この時の俺は周りから畏怖の念を感じ取っていた。痛々しいほどに。ほう。そこまでびびるのなら今後はさらに手加減しよう。


「ううむむ。……まぁいい。では! 次!」


 そう言ってくれると助かる。では俺はそろそろセシリーと会話でもしようかな。さっきはできなかったからな。今度こそは。


「その。なんだ。セシリー」


 俺が戻ってくるセシリーに近付き話しかけた。だがセシリーは無言だった。仕方がないので続けて言うことにした。


「あのギードとかいう奴から助けてくれて有難うな」


 これでも無視されたら俺の立場がない。もしこれでも無視のようならさっさと恩返しをして楽になりたいものだ。


「そう」


 セシリーの言葉はなんとも塩辛かった。俺は思わず拍子抜けしてしまった。だ、駄目だ。ここで会話を終了したら。


「にしてもセシリーって何者なんだ?」


 うん? なんだ? 急にセシリーの目付きが白くなった。この時の俺は失言をしていることに気が付かなかった。


「貴方こそ……何者?」


 あ。不味い。もしかしてセシリーは俺が英雄光である以上のことを知っているのではないか。だとしたらどうすれば――


「俺は」


 どうしよう。言葉に詰まる。まさかこんなことになるなんてな。変に嘘は付けないぞ。だからこそにここは正直に言わねばならない。


「実は」


 凄く興味津々の眼差しを俺に向けている。セシリー。君は意外にも人当たりがきびしいな。く。口が動かない。だが動かすしかもう――


「実は?」


 ぐふ。俺が墓穴を掘ったのだ。だからここは俺の責任で行かねばならない。本当はだれかが助けてくれた方がいいのだが。


「こら! そこ! 私語を謹みなさい!」


 あ。怒られた。だがそれでいい。そうだ。ここは注意をしてくれた試験官に謝っておこう。俺は試験官に一礼して謝ったつもりだった。


 セシリーはそんなことはせずにむしろ俺が悪いかのような空気を出していた。なんだろうな。意外とセシリーは俺の敵なのか。うーん。分からん。


 それからというもの。セシリーとの会話はなくなりなんとも近寄り難い仲になってしまった。うはぁ~。きっと仲良くできると思ったのにな。残念だ。実に。


 ふと気付いた時には全ての中等生が実技試験を終えていた。この中でバリアを破壊し的に傷以上を付けた者は俺とセシリー以外いなかった。


 これがどのようなことなのかなんて今の俺とセシリーには理解できなかった。だがすぐに分かる時がくる。俺とセシリーはそんなことで終わらない仲だということが。

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