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第9話 魔法学校の試験内容3

 なんだかな、まさかこうなるなんてな。


 次の試験内容はなんと実戦。しかも相手は二位のセシリーだ。


 待ってくれよ。心の準備ができていない。恩人と戦うなんてなんの冗談だ。


 とはいってももう既に俺とセシリーは呼ばれて練習場にいる。


 はぁ。もう。戦うしかないのか。く。俺は受かる為に負けたいはない。


 だが。


「では両者共。見合って……始め!」


 戦えない。相手は恩人だ。しかも――


「来ないの? なら――」


 ぐふ。セシリーは容赦なく来る気のようだ。


 この時の俺はセシリーを侮っていた。まさか。セシリーが四賢者の子孫だなんて。


 この秘奥義はかつての四賢者が生み出した秘術だ。


 なんでも精霊と一体化することによって生み出された究極の融合技。


 ふふ。はは。ははははは。面白い。面白いぞ。セシリー。君は一体何者なんだ?


 そう思いつつも俺は二門の発射口が噴出する水柱を避けていた。


 セシリーはいきなり精霊を呼び起こすと融合した。その姿が今の姿だ。


 実質。セシリーは二門の発射口と二つの手で俺を攻撃してきた。


 二門の発射口は筒状になっておりふたつとも宙に浮いていた。


「逃がさない」


 恐ろしい執念だ。だが本当に四賢者がいたとはな。この感覚はセルフィ以上だな。マジで。


 そのどこまでも伸びてくる竜のような二門の発射口に噛みつかられても厄介だろう。く。今の俺は避けるで精一杯だ。


 だがこの程度では俺は終われない。いや。終わって堪るか。行くぞ。ここからが本番だ。セシリー。


 俺はセシリーの水柱を避けながら魔法を構築する。まずは。秘奥義【英雄光の加護】+魔法技【魔素変換】+罠技【自動反撃】


 かつてセルフィに使ったのだがこちらでも通用するのだろうか。舐めてはいけない相手だがどうなのだろうか。


「バリア?」


 うん? セシリーが俺のバリアに気付いた? く。カウンターは失敗か。


「なら」


 うん? くる。間違いなく。最大級の技が。俺には分かる。


 セシリーは両手を並ばすように前に突き出した。そして二門の発射口も合わせた。


 こ、これは――


「これなら……いける。いっけぇえ!」


 セシリーが繰り出した技はジェットストリームだった。しかも特大に大きかった。


 ま、不味い。これでは魔素変換が間に合わない。なんとかしなくては――


 俺は先端が尖って勢いよく回転しながら突っ込んでくる水柱を見ながら慌てて戦術を変えた。


 まずは英雄光の加護以外を排除し再構築――


 だ、駄目だ。間に合いそうにない。く。なら英雄光の加護だけで耐えてみせる!


 俺は英雄光の加護を手加減することなく全面に押し出した。もう。覚悟の上だ。手加減はしない。


「や、やった?」


 ふふ。はは。残念だったな。セシリー。俺は……負けていないぞ。だが中々の威力だった。楽しかったよ。色々と。


「え? 嘘?」


 なぁ? セシリー? もう二度目はないよな? 俺は知っているからな。お前の弱点を。


「あ」


 精霊を従えれるのはせいぜい一分から三分が限界だ。つまり……セシリー。お前にはもう強みがない!


「もう……容赦はしない」


 だが手加減はしといてやる。行くぞ。セシリー。いや。水の賢者セシリーよ。これが……俺の恩返しだぁあ!


「ひぃ!? う」


 俺は英雄光を全面に押し出した。その結果。セシリーは驚き気を失った。なんだか。納得がいかないのだが俺は勝ったようだった。


 たまにあるのだ。お互いにオーラを感知し合うと気を失うということが。だがこれで分かったな。セシリーが本物の水の賢者の子孫であることが。


 またの名を精霊使いのセシリーか。憶えておこう。それにしても……相変わらず試験官はびびり倒したままだったな。


 それでも気を失うことがなかったところを見るとやはりこの世界の魔力感知はたかが知れているように思えた。それはそれでラッキーだ。


 ちなみに気を失ったセシリーは医療室に運ばれることなく魔法によって強制的に起こされた。なんでも予選がまだあるのだとか。


 だがこれでセシリーは分かった筈だ。この俺が英雄子孫であるということが。でなければあんなにオーバーな反応はしないだろうからな。


 晴れて一位通過ができそうな俺は次のセシリーの戦いも見ていた。セシリーは精霊を使い切った割には圧勝していた。


 苦戦知らずで二位通過か。本当にこの世界のレベルは低いな。だがセシリーの伸びしろはまだまだあるだろう。なぜなら水の賢者の子孫なのだから。

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