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教えてピンク先生  作者: むらかみ
9/15

サンバイザー

ハァー僕は深い溜息をつく。

今日はバイトも休みだから布団の中で丸くなっている。あれから美希ちゃんとは特に進展もなく、ご飯にも誘えない。

やっぱり僕の事なんてなんとも思ってないし

誰にでも食事の誘いぐらいするよね。

なんか浮かれた自分がバカみたいだ。

このまま何事もなく時間だけが過ぎていくのかなぁ〜。

僕はどうしたらいいんだろう。



そうだピンク先生に聞いてみよう!

、、、どうしたらあの人に会えるのかな?


あー教えてピンク先生!


母(拓海お友達がきたわよー

あがってもらうわよー)


階段を上がってくる音がする。

ガチャ


ピ、ピンク先生


ピ(よっ!恋愛してる?)

ピンク先生は得意のセリフを言うとどっかりと腰をおろした。

あっ。ピンク先生TシャツがロンTになっている。

いやそんな事よりどうして僕の家がわかったんだ?母親もこんな怪しい人家に上げるか?

僕がそんな事を考えてると。ピンク先生は静かに話し始めた。


ピ(美希ちゃんはいい子だ安心しろ。大好きになればいい。)

問題は拓海がどうしたいかだ。自分の思う様に行動してみろ)


そう言うとピンク先生は立ち上がり帰ろうとする。


あっ待ってください。僕はどうしたらいいんですか?


ピ(誘えばいい。食事でも、映画でもいい)


えっ。いつですか?どのタイミングですか?

なんて言えばいいんですか?


ピンク先生は僕の方へ近づいてきて


ピ(今だ。いますぐ誘いにいくんだ!女の子から食事の誘いをさせるな!どれだけ勇気がいると思っているんだ。彼女は待ってるぞ早くするんだ)


ピ(そうだ拓海に、魔法を掛けてやろう。)


そう言うと。ポケットからサンバイザーを出して僕にかぶらせてくれると、


ピ(これで今日、拓海のやる事は全て上手くいくぞ)


そう言うとピンク先生は出て行った。


ハッと我に帰り階段を駆け下りると。

丁度ピンク先生が玄関から出て行った。


母(あの子面白い子ね。拓海にあんなお友達がいるなんてね。)


母は凄く嬉しそうだ。


部屋に戻ると又布団に潜り込むとピンク先生は無茶苦茶だよ。そんな事出来る訳ないじゃん。

静かに目を閉じる、、、


僕がどうしたいか、、、


僕は布団を跳ね除けた。


僕はピンク先生がかぶらせてくれたサンバイザーを少し深くかぶると。 よし!


バイト先に向った。

バイト先に着くと裏口から入る。

あっ棚瀬さん美希ちゃんは?


棚瀬(あっ今帰ったよ。本当今だよ)


僕は軽く頭を下げると、店を飛び出した。


目の前に赤いスポーツカーが止まっている

それに乗り込む美希ちゃんが見える。

僕は動けない。、、 、彼氏かな。

急にテンションが落ちる。地面を見つめる。


ふとサンバイザーが目に入る。僕は無意識に駆け出していた。


美希ちゃん!!!今からご飯食べに行こうよ!!!


かなり大きな声だ。自分で言った言葉なのに

自分の耳がそれを疑う。


キョトンとして。呆然としている彼女がそこにあり、瞳孔が開いてトランスしている僕がそこにある。




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