ニャン×3
ニャン×3
お昼休みも終わりかけなのだが。
終わった……
テスト本当に終わった。
全然できなかった。
これは追試確定ですは。
あぁ、やだな…
「煌樹さんっチーっす。」
「あーっす。」
肩を組むようにもたれ掛られる。
「テスト?」
グデーっとした状態のまま尋ねてくる。
「全くダメだった。」
「うわあぁ!」
「残り確定、いやだ!」
半分、泣きながらに答える。
「おやおやぁ?」
「好きな人の前の席で緊張しましたかぁ?」
ニヤニヤしながら聞いてくる。
うっぜぇ!
「うるさい、はよ席もどれ。」
うっとうしい。
「おやおやぁ。」
「いいのかな?」
「せっかく素敵な情報を持ってきてあげたのに。」
どうせロクな情報ではないだろう。
と、思いつつも気にはなる。
「別に大したことない情報だろ?」
「期待してねぇよ。」
そう言った途端、そいつはより一層ニヤつく。
「喜べよ。」
「お前、多分両想いだぞ。」
時が急加速した。
宇宙が一周してまた戻ってきた。
「まぢで?」
そいつは肩に手を置き、まっすぐに目を見る。
「まぢだ。」
言い終わると同時にチャイムがなった。
「おっと、残念。」
「この話はまた後でだ。」
そいつは席に戻って行ったが、入れ違いに後ろの席の思い人が戻ってきた。
チャイムが鳴ったので席に戻ってきた。
相も変わらず、煌樹からは尻尾が生えている。
友達との会話で、分かったことと言えば。
私以外に、尻尾は見えていないということ。
本人がどうなのかは、わからない。
だが、少なくとも聞いた範囲では、誰もその存在に気付いていないようである。
チョンチョンと、鼻の先端に触れてくる。
本当はしっかりと縛り付けて、おとなしくさせたい所だが。
どうも私の反応速度では、捉えることができない。
片手でサッと払いのける。
もしかして、この二週間で私がおかしくなったのか?
いやいや……
お医者さんだって、大丈夫って言ってくれたし。
そもそもあの程度なら、誰だってなる訳で。
病気が原因なら、毎年何人もの人がこれを拝むことになるし。
と、言うことは。
何が原因だ?
うーん……
考えてもわからないが。
このままでは、今後の学校生活に影響してしまう。
いやしかし、明日以降もこうだと決まったわけではないし。
思わず頭を抱え込む。
その様子を見た、教師は己の授業が分かりにくいと考え。
ある者は、好きな人の事でも考えているのだろうと考え。
彼女の本当の悩みに気づける者など、誰一人としていなかったのだ。




