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10話 合流

10話 合流


「菜月からの連絡が途絶えた。」

ドイツからシアトルまで10時間かかる

つまりすぐには向かえない

「どうすんの?日本からも結構かかるでしょ?」

「アメリカの海兵隊ネイビーシールズを向かわせた。30分で到着予定だ」

「さすが隣国」

「アメリカのインターポールのテロ対策の実働部隊もドイツで訓練中で大部分が留守だ」

航空機内で地図を広げる

「シールズはオスプレイで中庭に降下予定、菜月がいることも連絡してある」

『菜月の誤射の危険性は?』

和水が無線越しに質問してくる

「オスプレイの爆音でどうせバレるから上から拡声器でアナウンスを入れるそうだ」

「聞こえるかな?」

「あちら側も十分配慮するし、菜月も人質の可能性も加味してすぐには打たないだろう」

「なるほどね」

「後6時間」

すでに事件発生から4時間、菜月到着から1時間が経過、そろそろシールズが到着する頃だろう


「やばいやばいやばいやばい」

総合情報棟に入るために中庭を横切っていたら明らかにインターポールの部隊ではないオスプレイが飛んできた。

「we are Navy SEALs!(私たちはネイビーシールズだ!)」

「アメリカ海兵隊?!」

即座にヘルメットのIRストロボを点灯させ、スモークグレネードを取り出す。

オスプレイの降下地点にスモークグレネードを投げて援護しつつ総合情報棟から様子を見にきた2人組に射撃する。

「Hello!I'm Navy SEALs captain(こんにちは!私はネイビーシールズの体調だ!)」

後ろからフル装備のシールズ隊長に話しかけられる。

冬季装備である白装備に暗視装置、フルカスタムされたhk416、特殊部隊だと一目でわかるフォルムだ

「Hello!I'm JSFD(私は自衛隊です)」

JSFDとはJapan Self-Defense Forces(自衛隊)の略称である

「Go!I'll escort(私が案内する)」

クソ汚い英語で申し訳ない筆記試験は赤点スレスレで合格したんだと思いつつ総合本部に入る

無線に何か言っていたがわからなかった

「ニホンゴスコシナラハナセルヨ」

カタコトの日本語でシールズの隊長が言って来る

「ヘルプ、シェルター、ピーポー(シェルターの人間を助ける)

英語が苦手だとバレたなら単語のみで話す

「OK」

「ユアチーム、ゴー、ツーフロア、レベルスリーウェポンルーム(あなたたちのチームは2階のレベル3武器庫に行け)」

「OK、Go 3rd floor!Delta is underground(OK 3階へ行け!デルタは地下)」

デルタと呼ばれたチーム6名が来る

頼む1人にしてくれ

「ゴーシェルター、ピーポーヘルプ」

「俺元日本勤務だから日本語話せるよ翻訳係やろうか?」

海兵隊の1人が話しかけて来る

にしてもめちゃくちゃ悠長な日本語だなと思いつつ

「お願いします。今からシェルターの人質を助けに行きますが敵が制圧している可能性があります」

おそらく今話した言葉を翻訳して他の5人に伝えてくれた

「この扉の先です」

事前に聞いていた暗証番号を入力する。

キーパッドの隣が開きボタンが出て来る。

このボタンを押すと内側と通話できるというボタンである。

一度閉じると裏からでしか開けられない

「I'm JSFD!」

インターポールのIDを刺して味方だということを証明する。

エアロックの扉が開き内側に入る

ここはスペース的に1人しか通れない

避難の際は別の扉が開くが、閉めたら内側から解除しない限りこの扉しか出入りできない

ちなみにこの扉も内側しか開かない

扉を通り抜けて小部屋に入るここで全ての武器を起き両手を上げる

するとエアロックが開きシェルターの中に入れる

「菜月!」

渚が抱きついて来る

後ろには大我の姿もある

「お二人とも無事で何より、怪我は?」

「大我が足を骨折、私は今すぐでも動けるよ」

他にも20〜30人の警備員や職員などがいた

ライフルを向けていた警備兵3人も警戒を解き銃口を下ろした

「では渚さんはこれから敵の掃討と化学兵器の確保を、この棟はネイビーシールズがやっているのでB棟へ」

「わかった。他の人たちは?」

「中庭にオスプレイを下ろしてもらってそこで搬出という手段で行きます。ただ無線が切れているのでバッテリーもしくは海兵隊の交渉が必要です」

「予備バッテリーはこれ使って」

そう言って渚が自分の端末を渡して来る

「でも…使えないんじゃ?」

「この中にある無線系統は停電で全滅、こんなコンクリート施設だからね、衛生通信端末も圏外」

「なるほど、じゃ早速」

部屋から出る扉を開けてもらいp90を持って部屋を出る

通信が復活すると同時に仁宛に発信をする

「あっもしもし?渚と合流した。」

『お前の端末は?』

後ろから安堵のため息が数個重なって聞こえてきた

「寒さでバッテリーがやられた。ってのをメールの方で連絡したはずだけど」

『来てないよ、送信できてなかったかも』

「そっか、とりあえず渚さんとB棟に突入してガス兵器確認する」

『ガス散布の恐れは?』

「そのためにガスマスク持ってきましたよ」

そう言って腰からぶら下げているガスマスクをちらっと見る

「大我さんは骨折でリタイア、この端末もバッテリがやばいから切るね」

『わかった。気をつけろ』

そう言って通信を切る

「行こう渚さん」

「武器と装備をください」

「あっ……」

とりあえずホルスターからg17を抜いて予備マガジン3本を渡す

「ありがとう、行こう」

そう言って2人肩を並べる

渚との2人チームは半年ぶりで少しワクワクしている自分がいた

「シールズはこの棟と人質救出を、私と渚さんでB棟のレベル3化学兵器保管室へ」

「わかった!」


B棟のガラス扉を一枚叩き割る

「もうシールズ来た時点でゴーストエントリー諦めた」

「それもそうだね」

渚がg17とライトを構えて突入する

暗視装置はライトが干渉するので上に上げて自分もライトを使う

「怖い」

水色に染まった世界から暗闇の世界に変わる。

「それはそう」

p90のライトを付けて廊下を歩く

「そういえば渚さんのpwは?」

「ん〜襲撃された時部屋に置いてあったから無いのよ。」

なら仕方がないなと思いつつライトの光が人影を捉えた

「ストップ!ハンズアップ!」

手には…ライフル、こちらに向けてきたのがはっきりわかった

渚がg17を射撃する。

パスンという籠った音が響き渡る

「世界人口が1人減ったね」

「でも、世界では今も何人も生まれてるよ」

「ですよねぇ…日本でも人口増えて欲しいんだけどねぇ」

「そうですね…そういえば日本だと朝ですかね」

カナダと日本では-13時間ずれているはずだ

タブン

「今何時?」

「3:30」

渚が時計を確認する

「日本だと16:30ですかね」

「そんなズレるのか」

廊下を曲がる

「クリア」

突き当たりの部屋がレベル3化学兵器保管室だ

「Go」

早足で廊下を進み、ドアまでたどり着く

扉の横に張り付き、扉を開けてフラッシュバンを入れる

「ハンズアップ!ハンズアップ!I'm JSFD!」

部屋の中に4人、右奥の机の裏に2人、左奥の保管棚の裏に2人、右側を渚に任せて左の棚に射撃する。

棚に置いてあるおそらく化学兵器と思われる容器をぶち抜かないように注意しながらp90を打ち込む

「ハンズアップ!ハンズアップ!」

スライディングして回り込みフルオートで撃ち込みまくる

「クリア、化学兵器は全部無事?」

「わからない、とりあえず確認しよ」

保管情報の紙を確認する

「……3個ない」

「は?」

「無力化ガス…“カルフェンタニル”」

「は?」

カルフェンタニル

ロシアで2002年発生したモスクワ劇場占拠事件で政府が投入したガス

人質129人の尊い命を政府が奪った事件

非致死性ガス

呼吸が停止するガス

睡眠ガス

ナロキソンが拮抗剤と呼ばれているガス

「やばい奴が盗まれた。500ml缶3本」

少量でも後期を発揮するガスが1500ml

「どうします?」

p90のマガジンを交換しながら聞く

「とりあえずここにまだいたってことは探してたものがあるはず、まだ本隊がいる。止めに行く」

「わかりました」

そう言って2人で部屋を出る


「ガスが一部盗まれた。敷地内捜索中」

先程渚の端末から送られてきた説明だ。

何が幾つ無くなったなどは一切ない、それほどバッテリーが緊迫した様子なのだろう

「レベル2にあるガスで一番強力なのは?」

『私が調べた。在庫表を見る限り、マスタードガス2000ml保管されてる』

和水が無線越しに報告する

「……都心でばら撒いたら」

「他にも危険なのがいくつか保管されてるよね?他国の仕業だと願いたいけど国には報告しよう」

「OK」

電話を取り出して警視庁テロ対策課に電話をかける


「コンタクト!」

1階に降りるとヘリの音がしたのでその方向を見たら走る2人の後ろ姿があった

「手を上げろ!動くな!」

p90の5.7ミリを発射する

あちらも応戦する

おそらくヘリはテロリストのものでそれでガスを持ち出すつもりだろう。

「止まれ!」

敵がこちらを向く

渚のGlockのライトがくっきりとその輪郭を捉える

その顔は

「アジア人!」

東アジア系の顔立ちの人だった。

中国や台湾、韓国、日本などに見える

「両手を上げて投降しろ!撃つぞ!」

日本語が通じれば脅せると思いばちばち日本語を使う。

だが反応はない

廊下を曲がる

廊下の先の入り口の先にヘリが止まっている

それで逃げるつもりだろう

「渚さん!止まって!」

伏せてp90のセレクターをフルオートにする。

そのまま乱射する

1人の足に当たって転ぶ

もう1人は命中せずヘリに乗った。

「くそ!逃げられた!」

「大丈夫SEALDsが監視してるからすぐ追える」

その通りで過ぎ去って行く小型ヘリコプターの後ろをブラックホークが追って行った

「いるならさっさと捕まえてほしいんですけどね」

「あくまで監視と離脱が目的だから中に人いないんでしょ、手錠」

渚が倒れ込んだ人の上にしゃがみ込み、動けないようにしながら手を出す

「ほいっと」

手錠を投げる

「ありがとう」

「さぁて…ここからどうしますかねぇ」

日本人だったとしたら日本でガスを使ったテロを起こすだろう


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