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異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~  作者: 存在証明
アルバード王立高等学院~新たな出会い~

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紡ぎあう運命の青い糸

時は試験1日目の夜に遡る


「全く世話がやける」


ライはそう言いながら湖の上を走っていた。正確に言うと湖の上ではなく魔法で作った氷の足場だが。


対岸まで走るとふと懐かしい気配を感じた。


回りを見渡すとそこには美しい銀髪の少女が立っていた。


「ぇっ、カイ、くん?」


少女が震える声でそう言う。


「…久しぶりだな、有栖(アリス)。俺の中では10年ぶりだがお前にとってはもう少し長いかもしれないな。」


とライが言い終わるか終わらないかの内にアリスと呼ばれた少女はライに抱きついた。


「会いたかった、本当に会いたかった!!ごめんね、約束を破ってしまって、本当にごめんね!」


水晶のような青い眼からは止めどなく涙が零れ落ちる。


「俺は気にしてない。…そもそもお前のせいじゃない。」


ライはそう言い優しげに微笑んだ。


「それでも、それでも約束を「分かったって!謝罪

は受けとる。これでいいだろう?」…うん」



「そうだ、聞いてよカイくん。今ね、学院にカイくんと同じ名前の子がいるんだよ。話し方とかは違うんだけど、とってもカイくんに似ているんだ。」



「あー悪りぃ、今の俺はライっていうんだ。そう呼んでくれ。」


ライがそう言うとアリスはきょとんとして顎に手をあてた。


「もしかしてイシカガ ライ?」



「そうだけど何で知ってんだ?」



「カイく、、ライくんがゲームの名前設定を毎回それにしていたから嫌でも覚えるよ。」



「そうだったか?…アリスの今の名前は何なんだ?」



「私?私はアイリスだよ。昔と違って可愛く生まれて良かったよ。これでもう虐められないしね。…そういえばライくん、どうしてここにいるの?生徒ではないんでしょ?」



「それは秘密事項だから言えないんだけど、アイリスは親友だからな。いつか言える時になったら言うよ。」



「わかった、待ってるね。」



「それじゃあそろそろ失礼する。これだけは忘れないでくれ。俺はいつだってお前の味方だ。…今世でも君の幸せを願っている。じゃあな…有栖」


そう言ってライは颯爽と立ち去った。


その後ろ姿をアイリスは悲しげに見つめていた。



ハールーン帝国


ライは乗っていた海竜から降り自分の帰りを待っていたであろう男を一瞥した。


「…どこに行っていたのですか?」



「シェナード王国に懐かしい顔を見に行っただけだ。そう責めるなよ。」


ライそう言いながら地下室へと歩き始める。


「…一つ聞いても?…どうして私を宰相になさったのですか?」



まだいいとは言っていないんだが? とライは思いながらも口を開く。



「…質問に質問で返すことになるが、そんなことを知ってどうするんだ?忠誠を誓ってくれる訳じゃあるまいし」



「単純に気になるんです。私のような人間はどうも独裁者には気に入られないようなので」



「そうだろうな。独裁者にとってお前みたいなバカ正直で人一倍正義感が強く真っ直ぐなヤツは一番目障りだろうからな。だが、今の俺にはそういうヤツこそ必要なんだ。この国を本当に想っていて曲がったことが嫌いなお前みたいなやつがな。」



「…別世界から来たあなたはこの国になんの思い入れもないと思いますが。」



「この国には、な。取り敢えずこの国をしっかり建て直すことができたあかつきにはお前に王位を譲ろうと思ってる。その時にはもう少し詳しく話せるかもな。…ああそうだ、この城にあった盗聴魔道具は全て撤去できたのか?」



「ええ。まさかあんなにあるとは思っていませんでしたが…」



「盗聴魔道具がいたるところにあったから一芝居打ったんだ。仕掛けた奴らは俺が麻薬かなんかで貴族を思いのままに操っているとでも思っていることだろう。」


ライはそう言ってガチャっと地下室への扉を開いた。


「結構な数になったな。」


2人の目の前には数十人もの暗殺者が縛られていた。


「お前達が新入りか?」


そう言って5人の暗殺者の目隠しをとる。


ライが眼を合わした暗殺者からスッと色がほんの少しだけ消えていく。


「ここの暗殺者の半数以上がカイという人に送る予定だった者達ですか…。貴方も人がお悪い。」



「なんのことだか。」


そう言ってライは肩をすくめる。


「バカどもの戦力を削ぐことができたんだからそれでいいだろ。あと5年は働いてもらうぞ、タルメリア伯爵。」



「いいでしょう。」



「初めとはえらい違いだな。」



「あなたが狂人の革を被った人間(こども)だと分かったので」



「いいや、お前は何も分かっていない。俺は紛れもなく頭のおかしい人間だ。」



「本当に頭のおかしい人はそんなこと言いませんよ。それに、たとえあなたの頭がおかしくても構いません。この国を多少荒くとも治めることができるのは現状あなたしかいませんから。」



「確かに、俺より強くて賢い人間はそうそういないだろうな。だが、一人では大多数の人間(マジョリティ)には絶対に勝てないんだよ」


そう言って悲しげに嗤う彼にかけてやれる言葉が思いつかず、伯爵はそっと次の言葉を待つのだった。


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