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異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~  作者: 存在証明
ルーヴルへの旅路

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謎の影

イリアス視点


「カイは神殿に行っちゃったけどイリアスはどうするん?」



「うーん、そうだな、僕はギルドに行ってヒーラー限定の依頼を受けようと思ってる。コウは?」



「俺は暇やから買い出しに行ってくるわ!カイにも会ったら言っといてくれへん?あっ、そや!ルーンも一緒に連れていってくれへんか?食材買うのに狼連れとったらちょっと気まずいねん」



「わかった。ありがとう。」


そう言って僕は宿を出てルーンと冒険者ギルドに向かった。



ヒールレベル3以上のヒーラー

内容:怪我の治療 

報酬:50000リビア


やっぱりまだあった。怪我を治すには神殿に行って治療をしなければならない。だが、神殿では捻挫程度の怪我であっても最低10万リビアはかかる。冒険者ギルドに依頼を出すことはできるが、剣士や魔法使いよりも数の少ないヒーラー、しかも高レベルであればあるほど、聖人君子でない限り報酬の少ないこのような依頼は受けない。

だから、出し損になるため治療依頼を出す人はほとんどいない。いたとしたらそれは、お金はあまりないが親族などが酷いケガをおってしまって途方にくれている人が多い。

アルクィンでは神父様、いや、領主様が治療代を無償にしてくださったが、他の領地ではこういうことはほとんどない。だから、時間があればそういう依頼を受けてほしいと神父様に頼まれたのだ。


「お願いします。」



「この依頼は孤児院からのものなんです。誰も受けてくれる人がいなくて…本当にありがとうございます!」



孤児院か…それならば早く行かないとな






























「すみません、ここがシャーレ孤児院ですか?」



「はい、そうですよ。私は院長のシャーレと申します。ここに何かごようですか?」



「冒険者ギルドから依頼を受けたんですけど、怪我人の元に案内して貰えませんか?」



「あの依頼を受けてくださったのですか?!ありがとうございます、早速ですがご案内させていただきます。」



シャーレさんに案内されて孤児院の中に入った。子供達は皆健康そうで一目でいい孤児院だとわかった。


目的の部屋に入るとそこには同い年くらいの少年が苦しそうに顔を歪めて眠っていた。


「彼はリオネルいいます。冒険者として2日前に薬草を取りに行ったそうなのですが、その時深い傷をおってしまったんです。傷のせいか熱も出てきて…どうでしょう、治せますか?」



「ええ、治せます。ですが熱は傷ではなく毒のせいだと思いますよ。ファレン高原には毒を持った魔物が多く生息していますから。」


そう言ってヒールとポイズンキュアを使うとみるみる内に表情が穏やかなものとなった。


「…う…ん?……痛くない?」



「気がつきましたか?」



「先生…?」



「リオネル、こちらの冒険者の方があなたを治療してくださったんです。お礼をいいなさい。」



「ありがとうございます、ほんとうにありがとうっ…」


そう言って少年は涙を流した。


「リオネル、1つ聞きたいことがあるだがいいか?」



「もちろん、分かることなら何でも答えるよ」



「毒はポイズンスネイクのものだと思うんだが、一番深い傷はどの魔物にやられたんだ?」



「それが俺にもよく分からなくて…。どこからか攻撃されて、俺以外の薬草を取りに来た冒険者は全員死んだんだ。すぐに逃げたからどんなやつにやられたのかは見てない、だが逃げる過程で魔物と戦ってないから俺が受けた毒はソイツがやったと思う。」



「わかった、貴重な情報をありがとう。この事はギルドに報告してもいいか?」



「ああ、構わない。」



「シャーレさん、子供達には街からあまり出ないようにお伝えください。嫌な予感がする」



「分かりました、それでは門まで送りましょう。重ねて申し上げますが、本当にありがとうございます。」


シャーレさんはそう言って深くお辞儀した。



孤児院から出てギルドに向かう途中、怪しい男が話しかけてきた。


「失礼、イリアスさんですか?」


声をかけてきたのは黒いフードを被った怪しげな人物だった。


「知らない人に個人情報を教えるなって言われてるんで」



「それは失礼した。だが、こちらも個人情報を教えるわけにはいかないのでね。…あの路地裏に行きなさい。君の友人が倒れているだろう。」



「お前がやったのか?」


そう言って睨み付けるも効果はなさそうだった。


「いや、私達は君達の味方だ、信じては貰えないだろうし詳しくも言えないがな。」


そう言って黒いフード付きマントをはためかせて一瞬にして目の前から消えた。


ヤツの言ってることが嘘だとしても見に行かないわけにはいかない。


それに、ルーンはヤツが現れた時に警戒はしていたが威嚇をしなかった。いつだったか、カイがルーンには一目で敵か味方かもしくはどちらでもないかの区別ができると言っていた気がする。カイのことを信じるならばヤツは敵ではない。


そっと路地裏に入ると血の臭いがした。


急いで角を曲がるとコウが倒れているのを発見し、慌てて脈を確認した。


「良かった、気を失っているだけか…ヒール!」


傷はほとんど治ったが一向に眼を覚ます気配がなかった。


「急いで神殿に行かないと!」


そして僕はコウをルーンに乗せて神殿まで急いで走った。


コウ視点

それから俺はイリアスと別れて食材を買いに出た。


まずは卵からやな。肉はホーンラビットのやつ余っとったよな?あ、でも待って、今日ピーマの肉詰めをつくる約束しとったわ。

危ない、ピーマを買い忘れるとこやった…


そしてピーマを買おうと店主に声をかけようとしたその時だった。


「キャー!!!ひったくりよ、誰か捕まえて!!」



引ったくり犯らしきフードを被った者が俺の隣を駆け抜けた。


思わず俺はソイツを追いかけた。


「待てやこらぁ!!」


ソイツは通行人にぶつかったり押しのけたりして進んでいく。

すると突然ソイツは路地裏に入った。後を追って入るとソイツは立ち止まってこっちを向きフードを外した。見覚えのある男の顔が自分の視界に入った。ソイツは薄ら笑いをして自分のことを睨み付けた。


「よぉ、久しぶりだな?」


ソイツの名前はベーグル。俺の兄を殺した張本人や。でも、なんでこんなところに…


「なんでお前がこんなところにおんねん!」


「てめぇのせいだよ!赤目は忌むべき存在だが、赤目を殺したら村全体が祟られるっていう迷信を信じた村人どもに追い出されたんだ!なのにまだ生きているだなんてな!ちょうど良かった、思う存分憂さ晴らしさせて貰うぜ!」


そう言って殴りかかってきた。ベーグルは村で一番強い狩人だ。そんなやつに俺が勝てるわけがない。

逃げれたのにも関わらず、俺の声を聞いてわざわざゆっくり走りやがったな…クソっ

































何時間たったんだろうか?いや、もしかしたらほんの数秒だったのかもしれない。それでも俺にはとてつもなく長い時間に感じた。しかし、ある時急に痛みから解放された。


ぼやける瞳に写るのは俺の前に立つ黒い影だけだった。


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この世界狭いな
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