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飛頭蛮、考える②

屋上から社内の中に入り、私が所属する28部署へと向かう途中。


「うわっ!」


打った部分が痛いなと思いながら廊下を歩いているとすれ違った12部署にいる座敷童のお鈴ちゃんが私を見た瞬間驚きの声をあげました。名前はスーツの胸ポケットに付いていたネームプレートを見て判明。


「あなた!」

「はい?」

「頭から血が出ているわよ!」


えっ、頭から血が?私は自分の頭から血が出ているか確認として近場にある窓を鏡にし、見てみると。頭ではなく額から目の上に掛けてうっすらと血が垂れ流れていました。

あれ?おかしいな。今まで私は縫い物で指に針が刺さっても血なんて出たことなかったのになんで、額からは血が出ているの?はっ!まさか、私の体にはまだまだ秘密があったとか。


「へぇ、胴体と離れても血が出ないのに。どうしてなんだろう」

「冷静に判断している場合じゃないでしょ!」

「私は妖怪です。こんな小さな傷は…」


私は問答無用で近場にある椅子に座らされると、お鈴ちゃんがどこからともなく取り出した包帯や消毒を使って私の頭を手当てしてくれました。うぅ私、お鈴ちゃんと会話したことないのに、すぐに助けてくれるだなんてお優しいお方です。


感謝の気持ちを含めてその事を言うとお鈴ちゃんは驚きの言葉を話し始めました。


「だって、あなたは有名人よ」

「まさか、私のデスクがアニメ関係で埋め尽くされているのが、そこまで有名になってしまいましたか」


手当完了。そして、私がお鈴ちゃんに対して軽口を叩くと。


「アニメオタクの中国妖って言うのは通常運転で」


あっ、そうなのですか。


「あなた、岸涯小僧から見惚れられているでしょ?だから、有名人なのよ」


この座敷童、顔や姿は幼女だけど中身はおばさんだ。それに、お鈴ちゃんは岸涯小僧先輩を狙う女妖怪じゃない!だって、薬指に結婚指輪をはめているから。


「そんな目で見ないでよ。大丈夫、私は既婚者だから、いくらイケメンの岸涯小僧は狙わないわよ」


やっぱりですか。じゃぁ、お鈴ちゃんじゃなくてお鈴さんって呼ばないといけない。


「私、そんな事で有名人になってしまったのか」

「そうよ、イケメンに見惚れられた女妖怪」


なんだか嫌な予感がする。もし、漫画のように行くなら私はこのまま岸涯小僧先輩の過激なファンによって虐められ辛くなり精神的にボロボロになって、行く行くはこの会社から出て行かなければならなくて。


「そんなの嫌!」


だって、私がここに来たのは、路頭に迷った私をここに入れてくれたいぬがみさんに、精一杯働いて会社の利益を少しでもアップさせて恩返しするためなのに。


「声に出ているわよ」

「えっ!」

「まぁ、あなたが心配している社内いじめは無いから大丈夫よ」

「その自信はどこから」

「だって、岸涯小僧のファンの反応がね。別にどうでも良いっていう感じだったの」


それは、ただ単に相手にされていないだけじゃないでしょうか?

『こんなアニメオタクなんか直ぐに飽きられてポイよ』

『だから、別に気にしなくても良いし』

だろうなぁ〜。


「おばちゃん、応援してるわよ」

「あ、ありがとうございます」


よくわからないからとりあえず意味不明なお礼を言いました。そして、その場でお鈴さんと離れると私は28部署へと足を向けました。


「よしっ!」


Q.私は何のためにここに入社しようと思ったんだ?


A.いぬがみさんに恩返しするため!


Q.今の所の売り上げ状態は? (28部署の成績も比べて)


A.右肩上がり!


私は自問自答して頭の中を整理します。


「誰に何と言われようと、私は私だ」


恋愛について考えるのは後にしよう。今はまず目の前にある仕事をこなさなければ!


「でも、ちょっと中国に帰りたいかも」


友達の一目五先生に会いたいとか思ったり。これは、俗に現実逃避というやつですね。



本編にも座敷童のククリちゃんがいますが

今回の座敷童のお鈴は

・身長、140センチくらい

・スーツ姿

・茶髪で髪を頭の上でお団子

・赤いガラス玉が付いたかんざしで止めている

こんな感じです


本当は本家(じんがいさん)にたくさんの妖を登場させたいのですが、これ以上増やすと話がややこしくなってしまうので、出来ないのですよ……


雪女も天邪鬼もカマイタチも一反木綿とか


出して主人公と絡ませたいけど話が脱線してしまう。だから、ここで色々、登場させて下さい

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