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28部署に鬼が入ってきた!③

本日2度目の投稿です

そっきーが告白されたその日の夕方。社内ではそっきーに人間の彼女がいると言う話でいっぱいになっていた。どうやら、告白現場を見ていた他部署の幽霊が広めたらしい。


「へぇ、お前彼女持ちだったのか」


ちょっと安心するがっきー。これで飛頭蛮は取られる心配はなくなったね。なんて事を口にしたら自滅するので控えよう。


「ソウキ後輩にはすっごく可愛い萌香ちゃんって言う彼女がいるんですよ!もう、料理は上手くて美味くて女子力の塊みたいなー」

「飛頭蛮ちゃん、熱くならないの」


現在、オレたちは28部署で仕事をしながらそっきーの彼女、萌香ちゃんについて話し中。特に飛頭蛮の力に入れようが凄かった。そっきーに彼女がいると言うことは、昼間の告白の返事はもちろんNOだ。


言い方悪いけど、ろくろっ首をフった時に言った言葉は確か『オレには人間の彼女がいるから』とかそんな感じ。だから、盗み聞きしていた幽霊たちに広められたんだったけ。


「優しくて可愛くて本当に女の子って感じがしますよね」

「そう、キィ後輩も分かってくれる⁉︎」

「もちろんです」


オレも萌香ちゃんって言う子にがどんな子なのか気になってきた。写真くらいならそっきー持ってるかな?


「そっきー!萌香ちゃんの写真ってある?」

「写真ですか」


そっきーは携帯を取り出して少し弄ると石のように固まった。効果音にピシッ!って言う音が聞こえたけど、大丈夫か?


「そう言えばオレ、萌香の写真なかったんだ」


まるで、今日の昼間のオレのようにサラサラサララと砂になっていくそっきー。あぁ、オレもあんな風だったのか。


「萌香ちゃんの写真、入っていないのですか?」


メリーちゃんが不思議そうに聞くとそっきーは力なく首を縦に振った。


「帰れば会えるし」

「同棲してますもんね」

「写真に収めるよりも目に焼き付けたいから。でも、1つくらいあっても良かったかな」

「それでしたら」


そんな、そっきーにメリーちゃんは自分の携帯を取り出してとある画像をそっきーに見せた。オレも見させてもらったけど、その写真は体操服を着た黒髪セミロングの小柄な可愛い女の子がバトンを持って走っている写真だった。


「この子が萌香ちゃんねぇ」

「萌香ちゃんの体育祭に行った時に撮りましたよ」


それからあと数枚、そっきーに写真を見せるとメリーちゃんはそっきーに写真送りますよと言った。答えは案の定、即答でいると答えた。


確かに飛頭蛮が言っていたように見た目から女子力の塊みたいな女の子だな。


「そっきーってロリコン?」


言い終えるか終わらない内に、どうやら、そっきーは自分の妖力をオレに押し当ててきた。身体全身にいつもの何倍もの重力がのしかかってきたみたいで体が重い。なんだろう、この感じはがっきーに似てるな。あっ、更に重くなった。


「って、がっきーも便乗して妖気当てないで」


すると、飛頭蛮がロリコンについて講義し始めた。


「火前坊先輩!ロリコンと言うのはですね、幼稚園から小学3年生までのことを言いまして萌香ちゃんは高校1年生です。だから、見た目が幼くても違うのですよ」

「飛頭蛮、その情報はどこから聞いたんだ」


真面目にそう思った。すると、いつも通りに28部署の古株でリーダーのこなっきーが仲裁に入る。


「お前も変なこと言うなよ」


ため息をつきながら呆れられ、オレもいつも通りに軽くみんなに謝ってから仕事に戻った。変わり者ぞろいの28部署はオレにとって楽しい職場で、居心地が良い。


「さてと仕事、始めますか」




これにて『28部署に鬼が入ってきた!』完結

お付き合いありがとうございました

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