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世の中はどこまでも現実の味  作者: 鬼
1章 幼少期=理想
9/80

執事は万能の味

 次の日、いつでも来ていい、と言われていたので朝の日課である走り込みを終えたら、早速教わりに行くことにした。

 初日ということで、今回は座学が中心だ。



「よいですかな、坊ちゃん。ナイフというのはポピュラーでかなり身近にある武器といえます。しかしその手に入りやすさとは裏腹に、かなり使い勝手が良く強力な武器です。戦闘では勿論の事、サバイバルや日常生活まで様々なところで使うことが出来ます。戦闘では人によって戦い方が大きく異なりますので、先手を取りやすく、相手が慣れてきても比較的簡単に戦闘スタイルを変えることができます。また、ナイフ自体の種類も様々で、場合によって使い分ければ怖いものなしですな」



 そう言うと爺やは、幾つかのナイフを取り出した。俺が持っているククリナイフにダガー、ボウイナイフ、その他にも名前が分からないナイフが数個。

 その中でも特にゴツい、グリップにナックルガードが付いたものを手に取った。



「これが私が現役時代に愛用していた『ハンティングナイフ』です。その名の通り、狩りに適しているナイフですが、かなり頑丈な作りになっているので対人でも十分に使えます。ナックルガードも付いていますし、これで殴ることももちろん可能です。これ一つで、斬撃、打撃、剥ぎ取り、様々な所で使えるので持っておいて損はないでしょう」



 爺やが話しの途中で突然、シャドーボクシングを始めたのだが、怖すぎる。何て言うか、色々とヤバい。まず風切り音がやばい。あれは人間が出せる音じゃないだろ。球速百六十キロのボールが出すような音だ。実際聞いたことはないけど。あとは速度がヤバい。人間って残像を作れるんだね、初めて見たよ。それに威力もヤバそうだ。打撃というよりはアレは斬撃だろう。パンチがナイフでの攻撃みたいになってる。



「次は戦闘スタイルの話です。先ほど、人によって戦い方が大きく違うと言いましたが、一応戦闘スタイルは大きく三つに分けることが出来ます。一つ目は、先手必勝を主にした『特攻タイプ』。私がこれに属しております。肉弾戦を主軸にしてますので、力が強い方におススメです。二つ目は、反撃を主にした『カウンタータイプ』。反射神経が良い方におススメです。三つ目は、変則的な戦いを主とする『トリッキータイプ』。これはやろうと思ってできるものではなく、先天的なものが多少必要ですな」



 話しを聞く限りでは、カウンタータイプを目指した方が良さそうだ。筋力は今のまま維持するつもりだし、トリッキータイプは才能が必要と言われてしまった。となると残っているのはカウンター狙い。消極的だが仕方がないだろう。



「それと、何にしても魔法は覚えておいたほうが良いですぞ。たとえ威力が弱くとも使い方によっては大きな武器となります」



 そう言うと爺やは、おもむろに一つの小さなナイフを手に取った。何をするのかと思ったら、始めたのは詠唱。



「求メルハ小サキ火ノ玉=火球」



 初めて詠唱を聞いたが少し声が変な感じだった。俺の考えでは、歌を歌う時は歌声を使うのと同じような感じで、詠唱にも詠唱専用の声があるのではないだろうか。


 爺やの手元を見るとナイフが消えて、握りこぶし大の火の玉に替わっていた。いや、替わったのではない。火球の中にナイフが埋まっているのだ。そして、魔法を使った意図が分かった。魔法は万能だということを知って欲しかったのだろう。


 だが俺は、魔法よりも目の前にいる爺さんのほうが万能だと思った。

資料を漁るのも一苦労ですね…。今回はナイフのお勉強でした

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