表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生エルフの天才美少女科学者、料理概念ゼロの世界で家庭料理無双始めました ~研究に集中したいだけなのに、飯テロ聖女と勘違いされて困ってます~  作者: 藍埜佑
第10章:深まる謎、巡る思索:研究者の日常

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

101/285

第10章12節: リリアとの対話、それは日常の中のヒント

 翌日、まだ少し夜空の現象の興奮と、深い思索の余韻が残る中、リリアが訪ねてきた。手には、彼女が焼いたらしい、以前よりいくらかふっくらとしたパンが握られている。


「ハルカさん、昨日の夜、空が光ってたの見た? すごく綺麗だったね!」


 どうやら、あの現象は私だけでなく、村の他の人々も目撃したらしい。


「ああ、見た。興味深い現象だったな。原因はまだ不明だが」

「原因? 何か悪いことの前触れじゃなきゃいいんだけど……」


 不安げなリリアに、私は「おそらくただの自然現象だろう。心配はいらない」と根拠は薄弱だが、安心させるように言った。


 リリアはパンを差し出しながら、村での他愛のない出来事を話し始めた。カイが新しい遊びを覚えたこと、ジェイドが狩りで大きな獲物を仕留めたこと、ボルガンが若者たちに稽古をつけていること。


 その話を聞いているうちに、私の頭の中に、ふと新たな視点が浮かんだ。


 私が追求しているのは、普遍的な法則や根源的な問いだ。


 だが、世界とは、そのようなマクロな視点だけで成り立っているわけではない。目の前にある日常、人々のささやかな営み、その一つ一つにも、世界を理解するためのヒントが隠されているのではないか?


 例えば、村人たちが料理に工夫を凝らすプロセス。


 それは、試行錯誤と経験則による、ミクロなレベルでの「法則発見」と言えるのではないか? ボルガンが若者に伝える戦闘技術。それは、身体の動かし方や状況判断における、実践的な「合理性」の追求ではないか? カイが新しい遊びを覚える過程。それは、学習と適応という、生命の基本的な「原理」の現れではないか?


「リリア、君は、なぜ料理をするのだ?」


 私は唐突に尋ねてみた。リリアはきょとんとした顔をしたが、すぐに笑顔で答えた。


「え? だって、美味しいものを作ってみんなで食べたら、《《嬉しいし、楽しいから》》!」


 嬉しい、楽しい。

 なんとシンプルで、そして根源的な答えだろうか。

 私の探求心とは異なる、しかし同じくらい強い動機。

 そこにもまた、生命の在り方の一つの側面があるのかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ