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27稼 監視

スタンピードによるスライムの放出。これによって得られたものは大きい。

例えば細かいところに落ちてるものを拾えるから、小銭だけじゃなくたまに紙幣とか、高そうな装飾品なんかも手に入る。

更にスライムは都合のいいことに雑食で汚れなんかも食べて栄養にできるから、汚れた装飾品の汚れだけを食べるなんてこともできた。

そうして汚れを落としてもらったものを持ってきてもらったんだけど匂いも大したことない、というか完全にないと言ってもいいし、物によっては買取店で結構高額で売れそう。


「次のスタンピードはスライム3000体くらい出せるかな?どうせならもう、海まで渡って海外にも入って欲しいくらいなんだけど」


かなり得られる収入は大きくて、さすがにダンジョンを経営してて手に入るほどじゃないけどこれから先生きていくときに毎月これくらい収入があれば多少贅沢しても生活に困ることはなさそうなくらいの金額が入ってきてる。


之だけでも十分すぎるほどに成果は大きいんだけど、それだけじゃない。

スライムは情報もちゃんと持ってきてくれて、


「とりあえずあの子はダンジョンマスターで確定っぽくて、住所と職場も分かった。後は交友関係ももう少しでつかめそうかな」


ダンジョンマスターちゃんのこととかいろいろと分かってくる。

お金よりもどちらかと言えばこっちが本命なんだよ?うん。

あっ、あと、ストーカーとか言っちゃだめだからね。確かにやってることはストーカーのそれなんだけどもさ。もう下手なストーカーよりもダンジョンマスターちゃんのことを知ってる自信はあるよ。


もちろん、情報が入ってきてるのはダンジョンマスターちゃんのことだけではなく、


「国はまだ広告塔が用意できてない、と。内側の権力争いがあるみたいだしもう少しかかるかな。組合は組合でどの議員の支援に回るかで対応に悩んでるっぽいかな」


国組合の情報も集まってきてる。

流石に怖くて組合の本部とか国の運営機関とかには入れないけど、それでも近くで会話をしてる議員の話を聞いたり組合の職員の独り言とか愚痴とかを聞いて行けば内情は理解できる。

もちろん、不正の証拠なんかもチラホラね。

ある程度向こうの準備が整い始めたら、その不正をどこかに大々的に表示して混乱を引き起こすつもり。そうすればそれの対応に手間取ってこのダンジョンの攻略の方に避けるリソースは少なくなるだろうから。


「あとは、研究資料もちゃんと写真取れてるね。私はこれ解析してもうちょっとスキル増やせないか試さないと」


他にも資料をスライムにいったん取らせて、そのスライムに死霊のページをめくらせてこっちがモニターに映ってるものをスクショしていってということもしたおかげで、盗んでないからバレてないだろうけどこっちはいろんな資料の情報を得られてる。

こういう時にもスライムが部屋に侵入しやすいのは便利だよね。


中身を見ることができた資料の中にはスキルの名前とか効果とか取得の仕方とか、けっこう重要なことが書いてるものなんかもあって。

私はそこから有名な冒険者が持ってるスキルの対策も考えることができたし、新しいスキルを私が獲得する方法も分かった。おかげで個人的な技量とかはそこまで成長してなくてもスキル自体は増えて、かなり強くなってると思う。


「金保さん、最近ちょっと倒す魔物のランクが上がりましたね。大丈夫ですか?」


「あっ、はい。ダイジョブですよ。ちょっと新しいスキルを獲得できたのでそれでモンスターを倒しやすくなったんです」


「ああ。そうなんですか?一応そのスキルの名前などは聞いても?」


「ええ。良いですよ。とはいってもそんなに珍しいスキルじゃないと思うんですけど……………」


実際今までよりも簡単に、それこそ真正面からモンスターと戦った場合でもそこそこランクが上な相手でもどうにかできるように会った。

お陰でモンスターを倒して手に入れる素材もより価値が高いものになって、収入も増加。

流石に目を付けられたくはないから多少の幅には抑えてるけど。


「冒険者のランク、上げますか?まだ実績だけでランクは上げられる範囲ですし試験とかもないですけど」


「あっ。じゃあ上げます。お願いして良いですか?」


そうして少しだけだけど強くなったということになった私は、冒険者としてのランクが上がる。

最近私と交流のある冒険者の子もランクが上がった子がちらほら出てきてたし、このタイミングでランクが上がるのはそこまで不自然ではないはず。倒すモンスターのランクを上げたことで若干注目される可能性もなくはないけど、もっと挑戦する子も周りには結構いるからそれに影響されたとかいう程度で問題ないと思うんだよね。


ちなみにランクが上がると、冒険者は物語によくある感じなんだけどそのランク周辺の依頼が受けられるようになる。

基本的に初心者な私たちのランクに依頼とかはないんだけど、1個上がると依頼もチラホラあって、例えばちょっと珍しい素材を通常より高く買い取ってくれるみたいなのも出てくる。

ただ形としてはあくまでもそういうのも組合側がいったん高値で買い取って、お金を少し高く出してもいいから買いたいっていう人に渡すらしい。もちろんお金は前払いで、依頼を出すときに渡す感じでね。しかも依頼で増えてる金額よりも組合が受け取る金額の方がより大きいらしいし。


「組合儲かっててうらやましいなぁ~。ちょっとスライムとか組合の金庫に侵入させてお金盗ませたい」


そんな欲求が出てくるけど、今は我慢。絶対そういうところにも勘の良い人がいるはずだからね。すぐに気づかれちゃうよ。

今はまだ私の出せるモンスターの中に隠密能力が高いのはいないし、やるならもっとガチャで適したモンスターを手に入れてからにしないと。

時には待つことも大事だよ。


「あっ、でも、組合とちょっとズブズブな感じの小金持ちとかならどうかな?意外とそういう人のところは警備が薄かったりしないかな?」


待つことも大事なんだけど、どうしてもやっぱり私は欲望が出てきてしまう。組合自体は警備が厳重でもそこからお金を受け取ってるような人もしっかりした警備を持ってるかは分からないし、スライムの侵入に気づけないような可能性も十分ある。

私は思わずスライムに指示を出してそういう人の家を特定しそうになった。

もちろん、砂漠でオアシスを見つけた人のようにものすごい力を振り絞って指示を出そうとする手をそのオアシスが幻覚だって言って止めようとする人のように反対の手で全力で握ってどうにか止めたけど。


「お金。お金。お金……………ふへへっ。お金ぇ」


一旦私は心を落ち着けるため、今まで入ってきてる収入を目の前に出してお金が大量にあることを実感する。おかげで、今すぐお金を盗難しようという気持ちは薄らいだよ。

ただいつまでもそれで落ち着けるとはとてもじゃないけど思えなかったから、


「よし!ちょっとダンジョン行って、宝箱開けてモンスターでも倒そう!」


他のダンジョンに行ってお小遣い稼ぎをすることに決める。そこのダンジョンコアも回収することでスタンピードに消費したDPも回収できるから一石二鳥だね。


……………その後、私の手元には10以上のダンジョンコアが集まって結局スライムに使った分以上のDPを得ることになるのだった。

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