第六十一刻 武装と魔法 手合せ
「セスどうだ?一本手合せしてみんか?」
訓練を始めて三週間たったある日、ドルマに手合わせを申込まれた。
俺はミナミへ目で確認を取る。
彼女は黙って頷いた。
「是非、よろしくお願いします!」
「結構結構!さあ掛かってこい!」
大剣を抱えどっしりと腰を落とすドルマ。
俺は刀を下段に構えジリジリと近寄る。
(振ってこい…そこを叩く。)
「来ないのならこちらから行くぞ!」
低い姿勢からの体当たり、俺は下げた刀を真上に斬り上げる。
「取った!」
しかし刀は空を切る、ドルマは身体を回転させ攻撃を交わし横薙ぎの姿勢を取っている。
「まずっ…」
「甘いぞぉセス!」
視界の端には厚い鉄の塊が俺の身体を二つに裂こうと迫ってきているのが映る。
刀で防いでも遠心力の乗った横薙ぎでは、刀もろとも吹き飛ばされる。
「それなら!」
俺はドルマの腕目掛けて体当たりを狙った。
肘を畳まないと剣を振り切れない、身体全体で止める。
「な、やるなぁ。」
「鍛えられてますんで…」
仕切り直しと言わんばかりにお互い後に飛び距離を取る。
「強いな、久々に滾るぞ」
楽しそうに笑いドルマは剣を肩口まで上げて構える。
一撃で叩き斬ると構えが物語っている。
「ありがとうございます、光栄です。」
俺は刀を鞘に戻しドルマを見据える。
互いに動かない、寒空の下風の音だけが聞こえる。
先に動いたのは再びドルマだった。
その姿を見て俺も距離を詰める。
(いいか居合のコツはタイミングだ、敵の息遣い、剣の軌道、相手との距離、全てを見極めで刀を抜く。
近づいてくる敵や剣は怖いだろう、だから最後に一番必要になるのは…)
「勇気…。」
「……参った。」
ドルマの剣は振り下ろされていない、あと一歩踏み込めば首が飛ぶという位置に俺の刀が置かれていた。
「ありがとう、見事だったぞ!
流石はミナミが師についているだけはあるな!」
ドルマはミナミに視線を送る、つられて俺も彼女を見た。
「……。」
彼女は黙ってそっぽを向いている。
「おぉ、ミナミが照れておる珍しいな!」
「隊長、余計な事言わないで下さい!
貴方も訓練の続きをするわよ。」
「さっきの貴方下段の時だけど…」
ミナミのお説教が始まる、でもその日のお説教は少し短く、声も優しかった気がした。
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