第五十九刻 武装と魔法 臨時コーチ
「剣は両方に刃があって刀身も厚い、斬ることは勿論だけど叩いたり、刺突の様な使い方をするわ。
刀は片方に刃があって刀身は反ってる、これは純粋に斬ることに特化させてるの。」
「目的が違うなら振るい方も違う、それぞれにあった形があるの。」
ミナミは刀を見つめ俺に尋ねる。
「貴方はどちらを鍛えたいの?」
「刀を教えて下さい。」
そんなの決まっている、父が残した白刀。
俺の為に残した刀だ、振り方も知らないなんて目も当てられない。
「承知した、この一ヶ月で貴方を立派な刀士に仕立て上げる。」
「ドルマ隊長と違い私は華奢だ、だが刀の技術だけで副隊長まで昇った。
私の訓練は楽じゃないですよ?」
「大丈夫です。よろしくお願いします。」
一ヶ月間だけの臨時先生。
この時俺が剣と答えていればもっと楽に過ごせていたのかもしれない。
…
……
………
「踏み込みが甘い!」
「はい!」
「足が逆!」
「はい!」
「手首返さない!自分切るわよ!」
「はい!申し訳ありません!」
剣をただ振っていた時とは全然違う。
足捌き、腕の振り、力の入れ方。
俺が今までやってきた剣とはまるで別物だ…
ミナミの話では今習っている他にも無数の型があるそうだ。
それだけ強くなれると思うと楽しみが増えた気持ちだ。
「今日はここまでにしましょう。
貴方、この後予定ある?」
「いえ、自室に帰るのみです。」
「良かったら少し飲みましょう、奢るわ。」
ミナミは少し笑った。
意外な誘い、訓練での顔と違い可愛い一面が見えた気がした。
夜、城下町。
食事店が建ち並ぶ表通りを外れた裏路地。
ミナミに連れられ入ったのは彼女行きつけの店だそうだ。
〈イザカヤ:ジルニ国店〉そう掲げられた扉を開く。
「大将、二人だけど大丈夫かな?」
店内はジルニ国とは考えられない雰囲気だった。
後で聞いた話だが店主の出身がフェールト国でその国の雰囲気が関係しているとの事だ。
「いらっしゃ…珍しい、ミナミちゃんが一人じゃないなんて…!」
白い料理衣装に身を包み、髪を短く切り揃えた大将と呼ばれた男は目を丸くして驚いていた。
「大将、その呼び方はやめてくれ。
彼は部下なんだ、恥ずかしいじゃないか。」
「ハハッ悪い悪いつい驚いちまって、いつものでいいかい?」
「あぁ、頼む。」
ミナミに促され席に座る。
長い夜が始まった。
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