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週間ランキング49位、月間ランキング74位『となりの席の真白さん』  作者: S.S
中学生 いたずらやからかい

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第1話:消しゴム

宮本蓮には、どうしても勝ちたい相手がいる。

となりの席の女子、白石真白だ。

「ねえ、宮本くん」

授業中、小声で声をかけてきた真白さんは、いつも通り涼しげな顔をしていた。

「な、何? 今授業中だけど……」

「消しゴム、貸してくれない?」

「あ、ああ。いいよ」

蓮は筆箱から、使い古した四角い消しゴムを差し出した。真白さんはそれを「ありがとう」と受け取り、自分のノートの文字を消す。それだけの、なんてことのないやり取りのはずだった。

しかし、消しゴムを返すとき、真白さんはいたずらっぽく目を細めて微笑んだ。

「宮本くん。知ってる? 消しゴムに好きな人の名前を書いて、誰にも見られずに使い切ると、両想いになれるんだって」

「は、はあ!? なんだよそれ、小学生の迷信だろ!」

思わず声が大きくなり、蓮は慌てて口を塞ぐ。幸い、先生は黒板に向かって熱弁を振るっていた。

真白さんはクスクスと肩を揺らしながら、蓮の消しゴムを机の上に置いた。

その消しゴムのカバーの裏側には、真白さんの指で少しめくられた跡がある。

「宮本くんの消しゴム……カバーの裏に、誰かの名前が書いてあったりしてね」

「なっ……! か、書いてるわけないだろ!」

蓮の心臓が跳ね上がる。書いていない。絶対に書いていない。……はずだ。

しかし、真白さんのあの自信満みな表情を見ていると、まるで「自分が知らないうちに誰かに書かれたのではないか」という奇妙な錯覚に囚われてしまう。

「じゃあ、確かめてみてもいい?」

「お、おう。どうぞ! 何も書いてないからな!」

蓮は胸を張った。真白さんは、楽しそうに消しゴムのカバーを完全に外した。

そこには、白いゴムの肌があるだけだった。

「あ、本当だ。何も書いてないね」

「だろ? 俺がそんな迷信信じるわけ……」

「ふふ、じゃあさ」

真白さんはシャーペンを手に取ると、蓮の消しゴムの側面に、滑らかな手つきで何かを書き込んだ。

「あ、おい! 何すんだよ!」

「はい、お返し」

戻ってきた消しゴムを見ると、そこには綺麗な文字で『白石真白』と書かれていた。

「これ、宮本くんが使い切ってね。誰にも見られないように」

「はあぁ!? なんでお前の名前が……!」

「だって、両想いになれるかもしれないよ?」

真白さんは、小悪魔のような笑みを浮かべて前を向いた。

蓮は真っ赤になった顔を隠すように、消しゴムを大急ぎで筆箱の奥底にしまい込んだ。

(また負けた……! 次こそは絶対、言い返してやる……!)

蓮の、勝率0パーセントの戦いは今日も続く。


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― 新着の感想 ―
蓮君と真白さんの恋人関係がとても良い感じです。執筆頑張ってくださいね。
頑張ってください! とても興味深い内容の作品です、ね? 執筆ファイトです!
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