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転生先は三代目魔王さまです  作者: 神坂将人
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最高の手助け

 急いでサディーに向かう途中、奇妙なものがあった。ここまで来る途中には動物の影すら見なかったというのに、いろんなところから動物の気配がそこら中からするのだ。


 近くの地割れからは魔物や猛獣が這い上がって明らかな殺意を持って襲ってくる。


 それらを対処しながら、必死にロランドを走り抜け、悲鳴の中を駆け抜けながら坑道の中を駆け巡り、身体力を向上させる魔法を何重にもかけてサディーに戻る。


 そこには、多くの人の死体が目に入った。壁や屋根に叩きつけられて絶命したもの、首から胴が切り刻まれた者。四肢と首が引きちぎられたもの様々だった。


 今もなお悲鳴はあちこちから聞こえてくる。死体の他にもギガス自警団やピュグマイオイ自警団が住民の避難誘導や魔物の掃討をしているのが見える。しかし門は開け放たれ所々の壁には穴が開いていたりしてそこから魔物がどんどん街の中へ流れ込んでくる。


 その頃ヴォルヘンでは…


 「っもう!一体全体何が起こっているの!?こんなに城内にも魔物が入り込んでくるなんて!!」


 「ラファエル、危ない!!くぅ…!」


 城の中には、今まで見たことのない魔物が大群で押し寄せてきた。


 「ゼダキエル、魔王城からの援軍は!?」


 「それが、あっちでも魔物が襲っているようで…」


 「どういうこと?さっきの地響きと無関係じゃないだろうけど…だけどこのままじゃ…」


 「後から苦情が多く来るでしょうね、それまでに私たちが生きていられるかの方が重要だけど」


 「本当に神様って残酷だよ。重要な時だけ邪魔をして、どうでもいい所で助けてくれるんだから…」


 魔王城内部


 「止まれ!!それ以上動くな!!」


 「クソッ!なんだこいつら!?魔法がまるで聞いている様子がない…!」


 「…っ!」


 「止せ!ゼタ!!」


 一人の魔人、ゼタが渾身の蹴りを食らわすがその生物は顔を歪ませながら、ゼタの方を睨む。


 「嘘…殺すつもりでやったのに…」


 次の瞬間ゼタ含めてその近くにいた魔人が吹き飛ばされて柱や壁に身体を叩きつけられる。


 「ゼタ!!皆!!クソァ!!」


 「クソッこんなところで死ぬなんてゴメンだ!!」


 「こちらへの避難を!!急いで!!」


 「まず子供たちを先にっ!」


 「待ってうちの子を見なかった!?」


 魔王城、ヴォルヘン、サディーそれぞれの地域で魔物の山が押し寄せて避難する人、魔物を食い止めている人、避難誘導を進めている人、それぞれパニック状態で慌てている人で、世界中が混乱している。


 「チッ!」


 「…ダイン!」


 「レイ!どうしてここに!?」


 「船の子達を強化した…魔王様達にも強化を施して塔の方に…ダインも…」


 「レイ、それは手間がかかりすぎる!今からでも遅くない。船に戻って少しでも被害を食い止めて」


 「…っ!ダイン後ろっ!!」


 「え」


 ダインが振り向くと同時にダインの目には巨大な獅子が今まさに食い殺そうと牙を剝き出していた。


 その時


 「ガッ…グルァァ…」


 「…えっ?」


 獅子の身体に無数の黒い影が巻き付き獅子が低い唸りを上げながら、骨が折れて全身が肉団子のように丸められた。


 「あなた達、それでもあの子が選んだ最高戦力?」


 「あ、あなたは…!」


 「ハーイ♡いつもダンジョン100階ずっしり佇むあなたの恐怖エキドナ、ただいま参上♪」


 「ど、どうしてここに!?ここは大陸を跨がないと来れないのに!!」


 「はぁ、あなた達私を見くびりすぎ、地下100階ダンジョンを作り終えた後も私はいろんなものを作っていたのよ。それで作ったのが、ポータルよ。まぁ、簡単に言えば、地下をつないで通路を作る一種の瞬間移動♪あ、それとこれ以上の被害は出ないわ、私だけじゃなくてあの子もお人形を引き連れて、今もいろんなところにお人形を送っているから」


 


 「ギ、ギギギ…」


 ヴォルヘンの城下、城、魔王城で多くのゴーレムが突如現れ、魔物達を薙ぎ払いながら、壊されても、即座に治り、休むことなく、魔物を殲滅している。


 そして、その様子を見ている者が一人。


 「まさか、僕が老後の生活でやっていたゴーレム造りがこんなところで役に立つなんてね。あのバカが脅したりちっぽけなくずどもがあの子だけじゃなく世界を巻き込まなければこんな事せずに済んだのに」


 アルトはゴーレムに複雑な命令をプログラミングし、対象を敵意がある魔物や動物のみを殲滅対象として、水上、地上、水中、地下、空中用のゴーレムをほぼ同時に動かす。


 「痛っ!久々に動いたから、筋肉痛が…!」


 一方サディーでは魔王達とエキドナ、ダインとレイが合流した。


 「おじいちゃんが…」


 「想定外の事態として私も手助けをしたの、あいつらあんなものまで用意して堕天使を呼び出そうとしているなんてね」


 「エキドナ様何か知っているの?あの塔について」


 「あいつらにとって空そのものが門として必要だった。だけどそれを覆う雲などは邪魔な存在、だから降臨場所を敢えて近くにしたの、門から地上に落とすのは降臨者の肉体が堪えられないならば、耐えられるような場所に落とせばいいじゃないって考えに行きついたわけ、でも、今は話している場合じゃないわね。この下にポータルを設置した。ここを通ればあの塔の最下層まで行ける。大方何人か待ち構えているでしょうけれど、私が出来ることはこれくらいが限度、後はあなたたちがやりなさい」

次回3月15日月曜日予定

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