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転生先は三代目魔王さまです  作者: 神坂将人
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福音の復讐者

 「えっと…こんな感じかな?」


 試練の後、互いの傷を癒すために回復魔法をかけ合っていた。


 「うん、大分良くなってきたよ。流石にあばらが肺に刺さりそうだったから、咄嗟に庇ったからずたずたになった臓器は自然治癒するしかないね」


 「そもそも、回復魔法は使う機会が少ないから専門よりかはずっとショボいものだよ」


 「それでも、小さな可愛い子に癒されながらの治療はプライスレス…」


 こんな時でも自分の欲に忠実なあたり、魔女としての威厳はないのかと疑ってしまう。


 「ところで、あの魔力の貯蔵庫完全に破壊した方がいいの?」


 カイがまじまじと玉座の真下をパシパシ軽くたたきながら、聞く。


 「ああ、やめてやめて、今まで貯めた魔力が漏れてこの屋敷どころか住民と島もろとも爆発する」


 それを聞いた後、カイはバク転しながらアクロバティックな動きでその場を離れる。


 「ふう、もう動いても大丈夫なくらい回復したわ、ありがとう」


 軽く微笑むと魔女フィリシアはブツブツと呟くと自分たちの周りに円柱型の陣が浮かび上がり瞬く間に全身を包む。

 

 次に目を開くとそこはどこかの港らしいところがいた。それと同時に隣にはカイとケイ、魔女フィリシア、さらにその後ろには第一次のメンバーがそこには揃っていた。みんな、戸惑って辺りを見回している。恐らく自分たちと同じで無理矢理転移されてきたのだろう。


 「さて、船のパーツは…あぁ、これね」


 魔女フィリシアは港にも流れ着いている船のパーツの一部を見つめるとしばらくした後、パーツを空に投げる。


 クルクルと回りながら空に投げられた船のパーツは途中で停止して落ちてくる事は無い。その代わりどこからともなく船のパーツが集まってビデオの巻き戻しみたいな感覚であの、無残にちりばめられていた船の残骸が元の状態に戻っていく。


 その光景はあまりにも非現実的で今までの体験を遥かに凌駕する異質な光景だった。


 「魔王様、これは一体…」


 いち早く我に返ったリネアが訪ねてくる。


 「こんな、魔法見たことない、いや、魔術か…これが魔女として生きてきた者ができることか…面白い、あぁ、すごい」


 まだ戸惑いパニックになりそうな人たちをなだめるためにそこにいるみんなに魔女の試練や魔女の情報などを簡潔に説明して、徐々にみんな落ち着きを取り戻し、最終的には魔女の力を讃えている。


 「…ふぅ、あなた達が乗ってきた船、とても大きいのね…なんとか復元はできるけど時間がかかるわ、そうね…最後になるかもしれないし、この島を観光でもしていたら?そうね…二時間、いや一時間でなんとか終わらせて見せるわ、あ、でも、何人かは残って頂戴?行先とか何か希望があるなら船の強化とかやってみるわ」


 それを聞いた全員は、どうやって戻るかを話し合っているようだが、森の方からガサガサと動物達が現れ、誘導するように鳴き声を上げる。


 その後、この場には魔女フィリシア、そして、自分達、魔神九柱と聖騎士エリアル率いる精鋭騎士団 分団長数人だけだ。


 「魔王様、先程この島に子供しかいない理由も言ってましたよね」


 「ん?あぁ、魔女の魔法ではないのか?彼女はそのようなことも出来るらしい、全くそこが知れぬ奴だ」


 「…魔王様、随分と冷静でいられますね。お忘れですか、思い出してください。あの勇者たちの正体を」


 「正体?あっ…」


 ホビルの一言で記憶が一気に蘇る。失踪した子供が身勝手な成長という術で無理矢理勇者に仕立て上げられた事


 「その事なんだけど、私のやつが元の術よ」


 魔女フィリシアは口を開く。


 「もう、船の方はいいの?」


 「常に魔力を注ぎ続けなければいけないわけじゃないからね。それより、身勝手な成長の話に戻りましょう。

 私が使っているのは太古に失われた魔法でも魔術でもない力、法力と言われたものよ。一説では遥か昔、天使が人に授けた力の一つであるといわれている。

 しかし、その力は強大で術者自身も相応の対価を支払うために禁術とされたもの、私はその力を魔力で代用できないかと考えた莫大な魔力と計り知れない対価、どちらを削って完成された禁術はとても魅力的な代物になる。そう考えた私は自分で独自で多くの魔法や法力の術を作った。

 この島のみんなにかけているのは身勝手な若返りという法力、不可逆性の術」


 「という事は身勝手な成長も…」


 「そう、元々法力の力は不可逆性、この島も法力で作られた名も無き島、運命を捻じ曲げる程の力、あなた達がある組織を追っていることは知っている。でも奴らは…ゴスペルアベンジャーはとてもやばい奴らだっていう事は知っておいて」


 「ゴスペル…アベンジャー、それが奴らの名前」


 「福音の復讐者、もともとは普通のカルト集団だったけど、人の信仰はねじ曲がってしまうもの誰もが自分にとって都合がいいものにね。だけど、それは人との交わりで争いが起きる。それぞれの立場で争い派閥が生まれ、そこに第三者の介入で崩壊した組織、しかし、根の一本が残っていてその根はさらに新たな根を張った。その結果、全員が同じ信仰を持つものに変わってしまった、それが、あなた達が倒そう足している組織の正体よ」

次回11月9日月曜日予定

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