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転生先は三代目魔王さまです  作者: 神坂将人
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虚ろな戦い

 翌日、遂にその時が来た。


 「落ち着いて、肩に力が入り過ぎないように、慎重かつ大胆に」


 「エコーよりカウントダウン入れ」


 「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1…」


 「ゼロ…!!」


 強く言い放たれた声と同時に四方向からでかい爆発音が聞こえた。


 「よし!行くぞ!!」


 事前に所定の位置で変装を解いて建物や人間を襲う、いろんなところで、悲鳴や轟音が響く。


 アルファチームと所定の位置で合流し、城から兵がなるべく多くの隊が出るのを見計らい、城に攻め込む。


 中央区ホテル屋上


 ギリアがスナイプ武器のスコープを覗いている。


 「…約7.4㎞先かな」


 「もう少し正確な距離図ってくれ、大まかな距離じゃ、狙ったターゲットに当たらねぇ」


 「でも、チャーリーチームのリーダーなんでしょう他のチームも頑張っているんだからさぁ、いたいた!あそこ、今丁度、7㎞先で走っている」


 「……」


 狙いを定め引き金に指をかける。


 少しの静けさの後、スコープの反射の光が灯ったあと、大砲の部隊を指揮しているであろう人物の頭が吹き飛んだ、近くならぐちゃりといやな音が聞こえるだろうがそれは近くにいるブラボーチームしか聞こえなかった。


 「さて、コマンダーがいないんなら簡単に制圧することが可能だね、リネア」


 「…」


 ダインがリネアの方を向くと返り血でべっとりと濡れたリネアが立っていた。


 「…そういえば、専用武器で別人のようになるって言ってたっけ」


 「…ダイン他のコマンダーは?」


 「…あと、3に…あっ、今、全員頭サヨナラした」


 「そう、じゃあ、制圧後、アルファチームと合流するよ」


 城内4階


 「なんだ、こいつら、動きが予測できな——」


 その後の言葉を言いきる事も出来ずに兵士の頭は一回転して崩れ落ちた。


 「それぞれ状況を報告しろ」


 「アルファ了解6階に向かう階段付近の敵を排除完了、指示を待ちます」


 「ブラボー了解、軍隊の行進を援護するため壁内の大砲部隊を殲滅して、今城に向っています」


 「チャーリー了解とりあえず、指揮者を射線上に見える程度ですが、殺りました。このまま、高台に陣取って予定外に備えていたいのですが」


 「許可する、想定外なことができたら直ちにこちらで報告する、それまで待ってろ、万が一も考えてデルタを向かわせる」


 「デルタ了解すぐに向かいます」


 それぞれに指示を出してアルファが待機している階段方面へ向かう。


 階段へ向かう途中後方からブラボーが合流して、アルファとも無事に合流した。


 「階段の上は見た?」


 「いえ、罠の確認をしましたが、見てはいません、しかし、人の気配は十数名、武装している可能性が濃厚です」


 「ふむ、敵の期待を裏切っちゃ悪い、罠が無いとなると、トマホークや投げ槍を構えている可能性があるが、それくらいなら障壁ではじくことが出来る、足の一本や二本なら持って行っても構わん、情報を洗いざらい吐かせれば何でもいい」


 その言葉を聞き全員が玉座のある6階に駆け上がった。

 6階には正面に玉座があり、長いカーペットが敷かれている玉座の右と左にはそれぞれ人が座っている、恐らく右座の守護左座の守護と言ったところか。


 「魔王様、この兵士たち、勇者と同じ状態です」


 ルーツの言葉を聞き辺りの兵士達を見ると目に光が無くピクリとも動かない。


 「クククッ、お前らか、この国に攻め込んだ飛んだ馬鹿どもが」


 その声は正面に座っている王冠を被って不敵な笑みを浮かべている、こいつがこの城塞都市ヴォルヘンの王なのだろう。


 「へぇ、そこまで知ってるのに、ゆっくり待っててくれたんだ。勇者の見掛け倒しだったり、東の魔人騒ぎとかで、イライラしているんだよ、少しは楽しませろよ、クソ王族様よ」


 「ふん、そんなことより、どうだ、この兵隊は私がこの国を手中に納めた時この力を手にして、こいつらを人形にした、私が生きている限り、こいつらも生き続ける。貴様らにもその手伝いをしてもらう、貴様も同じように私が可愛がってやろう、魔人の人形なんてそうそう手に入らないからな」


 「悪いけど、そんな簡単に人形にされる気はないから、チマチマ兵隊作りしている奴はサクッとぶっ壊して遊ぶ気にもならないような肉にしなくちゃね」


 そういうと、王は右腕を振り下ろすと兵士達が明らかな殺意を持って一斉に襲い掛かってきた。


 「王は後回しにして、まずは兵どもを一掃する!」


 兵隊はアンバランスな動きではある物のあり得ない角度で槍や剣を振り回す、動きを見るに関節を外してリーチを伸ばしたり、普通ならできない行動をする。


 「ルーツ、こいつら、一回殺したら再生して、後は棒立ちするんだっけ!」


 魔弾を放ちながら確認する、報告が正しいなら、一回殺せば命令がリセットされ、プログラムを設定する前の状態になるはず、こいつらを殺して、ガードが無くなった奥に控えている三人に攻撃をして、チェックメイトだ。


 「その通りです、一度殺せば後は奴らはなにもできません」


 「よし、それなら遠慮なく破壊する!」


 (頼んだよ[レン]技名は勝手に決めていいよ)


 【考えるのが面倒な上にいつか混ざり合って話も出来なくなるのにこき使われるって…ま、いいや、一緒に言いましょう】


 「【カオス・ジェノサイダー!!】」


 魔法を放つと兵隊たちは一瞬にして紙細工のようにバラバラに壊れた。


 カオス・ジェノサイダー、日本語で混沌の破壊者か…うーん!カッコイイ、昔の自分の設定資料作ったのを思い出すぅ!!


 「魔王様、これを…」


 リネアが目を見開き驚愕している、声に釣られて顔を上げるとあり得ない光景が広がっていた。


 破壊した兵たちの肉片が空中で繋がり、経由して、元の状態に戻る、その光景は余りにも現実から脱していて、吐き気を催す凄惨な光景だった。


 「っ!!全員、戦闘態勢を解くな!こいつら、まだ動くぞ!!」


 隊の誰かがそう叫び解きかけていた戦闘態勢を再び保つと同時に、再び兵隊が飛びかかる。


 「何だとっ!?」


 「話が違う…というよりかは」


 術者が近くにいるからなのか、兵隊の動きが止まることはない。


 「チッ!これじゃあ、らちが明かねぇ!!」


 ダインが文句を言いながらも頭を抱えながら、武器を振り回す。


 「……そうだ」


 リネアが何か思いついたようで、全員が一瞬リネアを見る。


 「全員、何処か一か所にこのゴミ共集められません?」


 何か策があるのだと気付き、兵が動き回らないように足の骨を折り、再生中に俺のグラビティマネージメントで部屋の中央に集める。


 リネアはそれを見計らい、天井に魔弾を放った。


 天井に飾られたシャンデリアが天井の瓦礫と共に兵たちは下敷きになる。


 「再生されても面倒だし、ずっと地べたに這いつくばってろ」


 ジャ〇プに出てくる悪党みたいなセリフを言い放ち、軽くポーズを取る。


 「さて、後はあの三人だな」


 そして、王たちがいる玉座へ向くとそこには、誰もいなかった。


 「あれ、王族共はどこだ」


 探そうとすると、無線機から緊急報告の音声がビーッビーッと鳴り強制通信モードになる。


 『こちら、チャーリー及びデルタ全部隊全軍に通達!!貧民区から、戦闘ヘリが五機出現!!』


 急いで城から外を見ると、そこには、一軒家の半分以上のデカさのヘリコプターの姿があった。


次回1月6日月曜日予定

前回次回更新日を忘れていました。すみません。

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