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第37話 朝の目覚めは鳥の声で。

いやぁ、無駄に長いけれども話はあんまり進展しておりません。

 ギャグです。

 

 はぁぁ~。


体が疲れたせいか、なんだかだるいや。


 結局食堂を出て、何事も無く自分の部屋についた。

ふふん、今度は迷わなかったんだぜ!うーん、私も進歩したなぁ。


 さっきもうお風呂には入っちゃったし、あとは寝るぐらいしか無いかなぁ。

そう思って、私はボフンとベッドに倒れ込む。お、このベッドふわふわ。うーん流石お城。高級品使ってるね。


 疲れた。今日はすっごく疲れた。なんか、やっぱりヒトって泣いても怒っても疲れる生き物だと思う。感情に振り回されてんなぁ…。


 ベッドの上でコロコロとしてから、窓の外にふと目をやった。


今は夜で、空には無数の星が瞬いている。夜空の色は、私が見たことも無いほどの深い藍色だった。星がばら撒かれたガラスのビーズのように、藍色の空を所狭しと埋め尽くす。


 よく夜空を見ていると、星に海に投げ出されて溺れてしまいそう、とか言うけど、私は寧ろ星よりも暗い夜空のほうに吸い込まれそうになる。

 キラキラ輝いた星も勿論綺麗なんだけれども、その下にある、まるでビロードみたいな藍色が綺麗だと思うのだ。


ま、それはいいとして。

 今日はもう寝てしまおう。明日もまた色々と疲れることがあるだろうし。何しろここは、不思議の国と名乗りながらもその実態はまさかの変態の国だ。油断は禁物ってところかな。


ベッド脇で、ぼんやりと光を放つランプをパチン、と消す。途端に部屋の中は暗くなり、見えるのは窓の外の夜空だけになった。


おやすみなさい。それだけ思って、顔を布団の中に埋めた。ふんわりと柔らかい感触に、安心した。









こけこっこー!


 だなんて高らかな鶏の声が聞こえたわけじゃない。

ただそりゃもう爽やかにちゅんちゅんと小鳥の美しいさえずりが聞こえただけだ。うーん。なんて爽やかな朝。まさに理想を体現したような感じだよねー。これは。


 なんだかんだと色々あって、もうこの国の滞在四日目に突入でごぜーます。あー、そろそろホームシックだわマジで。

 時計を見ると朝の七時。うん、昨日と違って寝坊はしなかった。俺は二度も同じ過ちを繰り返さない男だ!いや、女なんだけど。まぁ、そういうノリだ。


 布団の中でずっとノリノリでいても仕方が無いので、一応布団から這い出る。

体が朝の温かい日の光に包まれた。大きな窓からは、鮮やかに晴れた空の色とともに太陽からさんさんと降り注ぐ陽光がバッチリ入って来る。あー、日当たりがいいし、この部屋本当に良い部屋だなぁ。アリスってすごい優遇されてるよね。


 布団から出て、着替え。

何日も同じエプロンドレスっていうのもアレだし、今日は適当に違うもの着てみようと思います!

 …っていうか昨日の騒動で袖の部分が裂けちゃったしな。あと昨日おととい、と着ていたからそろそろ洗濯もせにゃならんだろうし。


 そーいうわけで、自分の部屋にあるんだけれども触ったことの無かった超巨大クローゼットを開けてみたいと思います!白兎が初めてこの部屋に案内してくれた時にここに着替えがあるとか何とか言っていたと思う。

 今こそ、クローゼット解禁のとき!いっきまーす。


 そんな風に、投げやりに気合を入れてクローゼットと開くと、そこには驚くべき光景が広がっていた…。


思わず、呆然とした。だって、そこに見えたのは…、


 

 山のような洋服の数々!!



 いや、クローゼットなんだし服があるのは当たり前なんだよ、うん。それは百も承知だ、常識だし。別にクローゼットじゃやだー高級桐箪笥じゃなきゃやだー、とか駄々をこねる気は毛頭無い。

 だけれども。


 この服の量は、普通に考えて異常だろ…。マジ無いわ、ホント。

目の前には洋服で構成された密林。しかも殆どの服がピラピラゴテゴテレースつき。うーん、服を選んだひとの趣味をちょっと疑う。


 ドレスじゃなくて、もう少しカジュアルなワンピースなんかもあるんだけれども、やっぱりレースフリフリフリルヒラヒラな感じのものでして。


 可愛く無いってわけでも無い。むしろすっごく可愛いとは思うのよ。でもね、似合うかどうかは別問題。現実ってのはいつだって残酷ですからー。


 まぁいいや。シンプルそうなものを選んで適当に着てしまえ。一度着ちゃえばきっと大丈夫!…な筈。



 



 …さぁ!本日のコーディネートは!

ドロワット社の新作!可愛らしく涼やかなワンピースです!

 紺色の無地で、全体の雰囲気はとってもシンプル!裾でフワリと柔らかく広がるレースと、首元に縫い付けてある透明なカットビーズが、美しく清楚な感じを引きたててくれます。

 大人っぽい組み合わせにすれば、公式の場にも使えるカモ?!


けれど今回は、日頃使うであろうお嬢さん方の為、敢えてカジュアルに着こなしてみました!

 ワンピースの下に、ショートパンツを履いて見ましょう!ホラ!そうすれば可愛らしく元気な雰囲気に!先程までのしっとりした雰囲気が一転しますね!

 カラータイツをはいてみるとさらに良し!ショートパンツとカラータイツは、レイラット社の物です。




……と一人でファッション解説をしてみた。む、むなしい。虚しすぎる…!!

 まぁ簡単にいうと、紺色のワンピースを着てみたものの足の露出が気になるのでタイツと半ズボンを履いてみただけだよ。途中で出てくるブランドの社名はデタラメです。ダサイのは私のセンスが無いからですチクショー。


 さてさて、着替えたことだし、今日はちゃんと朝ご飯食べに行こう。





 部屋を出て、食堂に向かう。

もう大体道を覚えたから、食堂までは一人でも楽々と行けるようになったぞ!…それ以外は無理だけど。


 お、見えてきた見えてきた。ちゃんと食堂あったぞ!




 やっぱりご飯っていうものは人生の喜びだと思う。食堂には活気が溢れていた。

教えられた席につく。間違えてないかちゃんと数回確認しといた。

 テーブルの上には湯気を立てた朝ご飯。んー、やっぱり美味しいご飯はひとを和ませる力があると思う。

パンと一緒に、ハムエッグとかつけ合わせの野菜とかジャムとか、まぁ朝食の基本のメニューが並ぶ。いい匂いが鼻をくすぐった。


「頂きます。」


 ちゃんと一回手を合わせて言う。挨拶って大事よね。

フォークを使ってハムエッグをペロッと平らげる。あ、おいし。

 パンはあったかいので、バターを塗ったら程よく溶けてくれた。イチゴのジャムもたっぷりと塗る。

ああ、おいしい。

 パンにははしたないくらいの大口を開けてかぶりつくのが一番だよね。やっぱ美味しいな。


そういうわけで、あまりの美味しさにバクバクと食っていたら、あっという間にお皿はカラッポになった。

 ふぅ、満腹。


「ご馳走様。」


最初と同じように、手を合わせてそう言った。





 朝食も終わったし、出掛けようかな。そう思って席から立ちあがる。

すると、遠くのほうに見知ったひとが見えた。


 光を受けて輝くキラキラとした蒼い頭髪。…あれは、ジャックさんかな。

ジャックさんも朝食を食べているのだけど、なんかいつもと違って元気が無いような……?いや、いつもと言っても、そんなに長い間この国にいたわけじゃないから分からんけれども。


 とにかく、あのウザいくらいのテンションが無い。モソモソをご飯を食べてる。

近くを通りかかった時、一応挨拶の声をかける。


「お、おはよう御座います…、ジャックさん。」


 私の挨拶を聞くと、ジャックさんはゆっくりと顔を上げた。なんだか表情も眠そうでどんよりとしている。ど、どうしたんだろ…。


「ああ…、アリスちゃん…。」


ぱちぱち、と眠たげに瞬きをして、ジャックさんはボンヤリとした眼差しを私に向けた。


「聞いてよー…、エース君が私に朝から訓練をしろって言うのよ…、つ、疲れた…。しかも起きてすぐ!朝食抜きで!訓練なんかしなくったって、私強いのにー…。」


あー。そういうわけか。

 でもなんか以外だなぁ、ジャックさんは朝の目覚めからしてパッチリで、いつだってハイテンションなひとだって思ってたよ。朝は弱いわけね。


「エース君の馬鹿…ちょっとデスクワークが得意だからって…むにゃむにゃ…、」


うつらうつらと船を漕いでいると思ったら、どしゃん、とテーブルに顔を落としジャックさんは眠ってしまったようだ。うーん、テーブルに突っ伏すのはいいけれども、回りのひとが迷惑そうだ…。




まぁ、いいや。放置してでかけよう☆



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