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第36話 力加減が狂ってる!?

うふふ、待ちに待ったギャグのターン!

 嗚呼、これでこそ図書アリ!あるべき姿ですよウッハ!

私のたった一つのその言葉は、まるで魔法を引き起こしたみたいだった。食堂全体が、歓声に包まれる。


 先ほどの銃声がサイレントの魔法だとしたら、今度はなんの魔法と称するべきか。

うわぁ、取り敢えずなんか凄いや…。


「あーーー!!アリスちゃんッ嬉しいわ!その言葉だけで昇天しちゃいそーッ!!」


そう叫んでタックルにも近い動きで突撃してきたのは、我等が騎士隊長、ジャックさん。

 ぐ、ぐほっ!!痛い!首とお腹が絞まってる!!殺す気か!!

く、狂ってる…!精神状態云々以前に、ジャックさんは力加減が狂ってる!!ぐっはぁ!


「あああ!り、リル様のお顔が蒼白です!ジャック様!放して下さいな!?」


そう言って、色々暴走しちゃってるジャックさんを引き剥がそうとしてくれてるのは、メアリさんでした…。可愛くって優しいとか、もうこの国における心のオアシス…。うふふ、あはは……。


 なんか、アレ。首とお腹が絞まって臨死体験に直行しそうです。なんだかんだと女言葉を使っていても、実のところ最強な騎士隊長ジャックさんのことを、か弱い細腕の乙女、メアリさんがどうこうするのは無理みたいです。

 いや、か弱くは無いのか?なんといってもキングの鳩尾を殴ったし…、あ、でもムキムキのメアリさんとかマジ嫌だわ。

 

「ジャック、アリスを放しなさい。苦しんでいるでしょう!」


おおっと我等がイケメン兎くん、白兎が止めに入ってくれたぞ!

 ああ、なんか脳内に酸素が行き届いてないのか?思考が可笑しくなってる…ラリってる…。


「いやあよ!あーもうアリスちゃん可愛い!」

そう言って嬉しそうにジャックさんがほお摺りをする。…いや、待てよさっさと放せよ!殺す気か!


「ジャック!アリスが死にかけてんのが見て分からないんですか!……脳みそまで筋肉製かこの単細胞。」


うあああ!!今白兎が黒いこと言った!!?

 あれだ、グリフォンを起こしたとき以来の黒兎降臨!微笑のままエグいこと言ってるゥゥゥーー!!


こ、この調子でいくと今度は…!!


 ばっきゅーん!


 や、やっぱり!!コイツ、やりやがった!!銃を撃ちやがった!


 ジャックさんの蒼い髪の毛を掠って、食堂の壁に突き刺さる弾丸。ちょ、メアリさんに当たったらどうしてくれるんだこの兎!鍋にして食うぞ!

「ちぇー、別に良いじゃないのよぉ。…仕方無いわね、独占するのはやめたげるわよ。」


ジャックさんは口を尖らせて私に言う。仕方無いのは、どちらかというと貴方の力加減だよ…!!

 やっと彼の腕から開放された。うふふあはは、酸素が吸える…ああ、幸せ。


締めつけられた肺に空気がいきなりはいって来たせいか、少し咳き込んでしまったが問題無し。ああ、やっぱり人間って空気を吸って生きているのね…幸せ!地球よありがとう!



 一命を取り留めたことで、それはもう壮大に地球への感謝まで捧げちまったよ…。

やいのやいのと白兎さんとジャックさんは、言い合いをしていて、メアリさんはそれを止めようとしている…、ように見せかけて白兎さんに見取れている。ああ、駄目だわこの国の住民…!!




 呆然としてそれを眺めていると、視界の端にぶッとい水色の髪の三つ編みが映った。視線を上にスライドさせてゆくと、そこにいたのはエースさんだった。


 どうやらエースさんもこちらを見ていたらしく、私が彼の顔を見たものだから私たちの視線はピッタリと重なってしまった。うお、気まずい。

 エースさんとしては私をマジ切れさせた、プラス傷つけたし、話し掛け難いことこの上無いと思う。

 いや。私としても、かなり話し掛けにくい状態ではあるのだ。


だって、さっき切れたし…あと、彼はアリスだからという理由で、私を好きなわけではないっぽいから。

 彼は他の住人と違って、無条件で私に好意を持ったりはしなかった。それどころか無愛想だの貧乳だの子供だのと失礼なことを言ってくれた。ケッ、死にさらせこの馬鹿ヤロウ!!


 ――おおっとぉ!本音が漏れちまいました。ふうう、ここはクールにいこう。冷静に冷静に。

まぁ、先ほどの若干セクハラっぽい暴言もそうだし、どう見たって彼は私に好意を抱いてる筈が無い。

 

 いや、ツンデレという線もあるけど、正直お断りだ。ハッ!男のツンデレとか私は興味無いから!ツンデレとか二次元だったら良いけど、リアルだったらマジドン引きだわ!


 ううん、違いはなんなのか。この国の謎は深まるばっかり。解明することがまるで無い。




 そして、私はいつ帰るのか。そして、本当に帰りたいのか。



今はまだ、難しいことに頭を悩ませるよりも、この国を駆けずり回って情報を集めるほうが先だ。

 私は頭が良いほうじゃないし。まぁ、情報も無しにどうにかなる話でもない。
















揺れる記憶。全部知って、思い出して。

そーいうわけで一気に更新。

 ああ、ギャグこそ図書アリの本分であるべきッ!


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