第28話 恋は切なく甘い味
ひ、久し振りの更新…お待たせしましたッ!!
夏休みの宿題とかに追われて…出来なかったんです。
というわけで更新が遅れたのは宿題だした先生のせいなんです!!私のせいじゃありません!
責任転嫁、言い訳はさておき、本編にはいりまーす。
ガチャリ。ドアノブを回し、ドアを閉める。
くるりと方向転換をして前を見ると、そこにはメアリさんがいた。
「あ、ルリ様。晩御飯を食べに行くのですか?」
「あ、はい。そうですよ。メアリさんは?」
思考はぐちゃぐちゃとして一行に纏まらず、一人でいるのがとてつもなく不安になった私は、気分転換に晩御飯を食べに行くことにしたのだ。
「ああ、私もご飯を食べに。…宜しければご一緒しませんか?」
「え?あ、はい!!是非!!」
メアリさんとはそういえば金色のベルで呼び出した時以外会ってないなー。まぁ彼女はお城で働いてるし当然かな? 私昨日からお城の外を散歩してたし。
一人は心細いので、一緒に行ってくれる人がいるのは嬉しい。
というかこのでっかい城で、一人ウロついてたら絶対迷うからね!!
ふとメアリさんの視線が私の左足に止まった。
「…あら?ルリ様。足を怪我して…?」
う、メアリさん。めざといな。こういう細かいところにも心配りが行き届いてないとメイドって出来ないのかな。…そういえばキングの鳩尾を殴って撃退する逞しさも必要みたいだし、どんだけ大変な仕事なんだろう。
「はい…、少し捻ってしまって。チェシャ猫さんに頂いた薬草を巻いてるので痛みは引いたのですが。」
靴下を脱いで、左足には薬草を巻いてる。…結構目立つから、よく考えたら気が付いて当然か。
「……チェシャ猫ぉ?」
「!? …はい、そうですけど。」
メアリさんの声が、一瞬怒りを帯びた。なんっていうか、数段低くなった。怖い、怖いって! 何? 何故?!
「あ、あの、メアリさん…? 何故に怒っていらっしゃる?」
恐る恐る聞くと、メアリさんは私のほうを向いてにっこり笑った。
「へ? 怒ってなんかいませんよ? ただちょっとチェシャ猫さんのことを考えるとですね、ムカムカしてくるというか、はらわたが煮え繰り返りそうになるというか…。」
いやいやいや! それを怒ってるって言うんだよ!! そして笑顔が怖いよ!!
「メアリさん…チェシャ猫のこと嫌いなんですか?」
ヤマネちゃんもそうだし、アイツ意外と嫌われ者なのな。
私の質問にメアリさんは、レモン色に近いショートカットの金髪を、サラリと揺らして言った。
「ええ、まぁ嫌いですね。個人的な恨みはとくに無いんですが。」
無いの!? それなのに嫌われてるって…アイツ何したんだよ!
「ど、どうして嫌いなんですか?」
私は尋ねる。
あいつ顔も良いし、猫耳がちょっとイタイ感じはするけど、スラリと細身でスタイルも良い。
何よりも、優しいと思う。細やかに気を使えるし、この世界の住人の中では一番良い人じゃないかなぁ。だってホラ、襲い掛かってきたりしないぞ!
「…………白兎様と仲が悪いんです。」
え。
「え、と…白兎さんと仲が悪いと…何故?」
いくら白兎専属のメイドさんだからと言っても、主人の嫌いな人まで嫌いにならなくちゃいけない、なんてコトは無い筈だ。
……ハッ!! まさか白兎さんったらアレか!!
「僕の嫌いな人を好きになるなんて許しませんよ、メアリ。」
「…はい、白兎様。」
「そんなことをしたら…お仕置きですよ?」
「白兎様ぁ…それだけは…。」
みたいな!?ソンナコトがあったのか! ひえーいかがわしい!! つくづくメイドさんって大変な仕事だなオイ!!
……すいません冗談です。ああ、ホント最近私の脳みそ腐ってきた。
一瞬頭の中を『メイドプレイ』という言葉がよぎった気がする。自重しろ…!!
「私…その、えっと。」
メアリさんがモジモジしている。
「あの…私、白兎様のことが好きなんです!!」
へぇー、ああ、そうなんだ。だからモジモジしてたわけね。うんうん。そりゃそうだよね。好きになったひとの嫌いな人は、嫌いになるよねー。
っていうか顔真っ赤にしてモジモジするなんて乙女的な反応で可愛いなぁ。ふぅー。
……んん?
え、あ、ちょ、待った。うん、ホント待って。
「え、え、えええええーーーーーーッ!!!???」
カミングアウト!! カミングアウトォッ!!!? 思わず大絶叫しちまったぁい!
「えええ??!! ままま待って下さい!! っていうかメアリさんと白兎さんの美形カップルってピッタリすぎてどおしよおおおおお!!?」
興奮して、両手をブンブンさせながら私は叫んだ。
どうしよう、重大な秘密を聞いてしまった気がする!
「うう…リル様ぁ…恥ずかしいです、っていうか落ち着いて下さい……大声を出されたら、私……」
モジモジ。花の乙女の恥じらいだ。色白な顔が、桜色に染まって、さらに可愛く見えた。
恋をすると女は綺麗になるっていうのは本当らしい。凄く可愛い。
「ええっと、落ち着くっていうと、……ひっひっふー!?」
「あの、リル様、それ吐いてばっかりで吸いどころがありません。」
モジモジしながらも冷静で的確なツッコミだ。恋バナで盛り上がった私の熱も、少し冷めた。気を取り直して、私はモジモジと視線を彷徨わせる彼女にわくわくしながら尋ねる。
「……告白はしたんですか?」
ちゃんと呼吸を行ってから尋ねてみると、メアリさんの顔はさらに赤く染まった。
「いえ、まだ…。」
「ッエエエー!?何でですか!?」
ももも勿体無い…!! 恋は盲目馬鹿は無敵! 当たって砕けろ玉砕歓迎! 告白しちゃおうぜ!?
私の横を歩きながら、メアリさんは言葉を選ぶように目を泳がせ、しばらく黙っていたけれど、やがておずおずと、言葉を紡ぎ出す。
「……私のような使用人風情が、白兎様のような雲の上の御方に恋をし、あまつさえその汚らわしい思いを告げるなど……許される事では、無いですから。」
そう言って、メアリさんはまだ少し赤みのさした顔で、寂しそうに笑った。
……恋する乙女の恋の前には、色んな障害があるらしい。
身分差の恋。ロマンチックな気がしてたけど、本当は切ないだけの恋なのかな…。っていうかこの国の身分さって結構厳格なのね……。白兎がキングのことボロックソに言ってたからあんまり厳しくないのかと思ってた。
メアリさんは寂しそうに笑ったまま、言葉を続ける。
「それに……白兎様は、アリス様を愛していますから。……私にはその想いの間に入る力は無い。そういう風に出来た世界だし、そういう運命なんですから」
「……そうなんですか。」
普段私を“ルリ様”、と名前で呼んでくれている彼女が、敢えて“アリス様”と言ったのには含みがあるのだろうか。
切ない、相手に伝えられない、消化不良の切ない恋。なんとなく、私の胸がチリッと痛んだ。
「でも……人を愛するのは良いことだから。だから、想いを告げても、私は良いと思います……。」
恋というものをしたことが無い、青二才の私が偉そうに言っちゃいけないのかもしれない。そもそも、私はアリス=リデルという、彼女にとって忌むべき恋の障壁なのだから。
けれど、あまりにも悲痛な顔をした彼女が見てられなくて、私はたったそれだけ、不器用に言葉を言った。
「……有難う御座います。けど、やっぱり私、この思いは伝えません。」
哀しそうに、切なそうに。胸の焦げ付くような、恋する乙女の可愛い顔で、メアリさんは呟いた。そして、俯きがちだった顔を上げて、決然と言う。
「どれだけ一生懸命言葉を紡いでも……私達の時計は進まないから。私の告白は、白兎様にとって無かったことになるんです」
時計が進まない? 告白がなかったことになる?
それはどういう意味なんだろうか。
けれど、今ここでその疑問を口に出せるほど、私は強くなかった。
「私は所詮……メアリ=アンです。それは何処まで行っても、何処まで戻っても同じなんです。だから…アリス様…いえ、ルリ様は、どうか白兎様と御幸せに。」
メアリ=アン。
アリスと間違われただけの少女。名前だけの、姿さえ無い宙ぶらりんの、ぽっかりと穴の開いた使用人の少女。
「……そう、ですか。」
スカイブルーの明るい瞳が、何処と無く潤んで見えた。けれど、メアリさんは気丈に笑顔を作る。
「さぁ、晩御飯を食べに、行きましょう?」
「……はい。そうですね。今日のご飯は何でしょう〜?」
二人並んでお城の廊下を歩く。他愛の無い話をしながら。
先程までの哀しい恋の話など嘘のように。
証拠は僅かに潤んだブルーの瞳と、僅かに痛む、この私の胸だけ。
時計は回るよ。チクタクチクタク。
ああ、不思議の国。君の時計はどうして回らない?
はいはーい、恋愛万歳ですね!まぁ失恋な話が一番書いてて楽しいですが!
では、コメント返信です☆
まず、アイリス・ローズ様!
ほほう、SM兄弟が許容範囲に!!おめでとう御座います!!良かったな、ディー、ダム!
ディー「わーい、ありがとう!嬉しいな!」
ぐぬぬ…こうしていると普通に可愛いのに!!
ダム「えー、言葉責め…。」
ちゃうわボケ!!嗚呼、こいつ等やっぱり駄目だ…。
猫「…SMな奴等にマトモなこと着たいするだけ無駄なんじゃない?」
うう…チェシャったら意見がシビアだ。まぁいいや。
次は、異外部調査係様から。
ぬほ、何か「ブァカになるほどハマリますっ☆」とのお言葉が…ヤッベエ、素直に嬉しいんですが。
大丈夫!あなたがブァカなら私はヴァカだから☆
最後の「これからも頑張って執筆してください」というコト場にも感動。まぁこのコメ貰った直後に宿題に追われ更新停滞したんですけどね!!テヘ☆
ディー、ダムの出番は、まぁ余裕があったら増やすよ〜。
ではではお二人共、有難う御座いました☆




