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街はずれの錬金術師は元勇者様  作者: 穂麦
第一章 街はずれの錬金術師は元勇者様
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元勇者様と真面目な諜報員

僕とレイナは僕の店にある客室で、向かい合い座っている。


「今から言うことは誰にも言わない欲しいんだけど、いいかな?」


「はい」


僕の言葉に対し真剣な目で答えるレイナ。

昨日は僕がエリーの食欲あいを受け入れることが決定した。


でも僕が席をはずしている間に

残念女神が僕の過去の職歴を、あっさり暴露していた。


その結果レイナに僕の過去を問いただされる。

でもエリーに振り回され疲れた僕は翌日に話すと約束した。



そして朝を迎えた。

今、勇者であった過去を伝えるためレイナと僕と向かい合う形で座っている。


「まず、僕はトワという名前を使っていたころ勇者と呼ばれていた。」


「はい」


「そして、大賢者ウォーレン様達と魔王を倒した」


「はい」


「魔王を倒したあと、僕は姿を隠した」


「はい」


「大きな理由は、権力者の都合や野次馬を遠ざけるため」


「はい」


「以上!」


「ちょっ…それだけですか?」


レイナは、かなり不満そうだ。


え~なんで不満なんだ?

凄くわかりやすいと思うんだけど。


僕にはレイナへの説明が無理だとあきらめて説明は知人に任せることにした。


知人が誰かって?

僕を監視している諜報員さん。


僕のブレインであるアレフ君が彼等の上司達を説得してくれた。

だから友好的な関係を築けている。

(どんな説得方法だったかは知らないけど)


とりあえずレイナに説明してもらうために諜報員の一人を呼び出す。

手元の白いカードに『来い』と書く。

アレフ君が言うには諜報員には簡潔に情報を伝える方が良いとのこと。

だから僕は『来い』とだけ書くことにしている。



2分経ったころ玄関の方から声がした。

でもゼーゼーと息切れが凄すぎて何を言っているのか分からない。


僕が『来い』と書いたカードは魔導具だ。

コイツは書いた内容が対となったカードに浮かび上がる。

彼らとは僕を監視させてあげる代わりに用事があったら手伝ってもらう約束だ。

だから迅速に幼児を伝えるためにカードを渡してある。


誰もが頑張って要望を叶えてくれるのでありがたい。



やってきたのはフォックスという、あからさまな名前の人。

狐族の獣人おとこで赤髪に金色っぽい瞳だ。


狐族でフォックス…( ´艸`)

と最初は思ったけど、指摘しないようにしている。

(上司のイジメだと可哀想だしね)


「ダ、『ゼー』ダン『ゼー』ナ『ゼー』ご用『ゼー』件は」

意訳→旦那、ご用件はなんでしょう?


そうとう一生懸命来たらしく息切れは治まっていない。

真面目な人だ。


「レイナに僕が勇者だったこと説明しておいてください」


「『ゼー』『ゼー』は『ゼー』い『ゼー』『ゼー』『ゼー』」

意訳→はい


………

……


「『ゼー』お『ゼー』て『ゼー』すう『ゼー』で『ゼー』すが『ゼー』、ミ『ゼー』ズを『ゼー』『ゼー』『ゼー』」

意訳→お手数ですが水を下さい


何を言っているのか聞き取れない…

聞き返すのも失礼だから僕は聞こえないフリをして去ることにした。

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