第八話 忌み子の青年
今回は短めです。
でも重要…←
「武器を捨てな。そして、洗いざらい話してもらおうか?」
口角があがるのを感じながら"鬼の子"に少しだけ刀を近づけた。
"鬼の子"は頷き、ナイフを手放す。そしてポーチに手を伸ばした。
「おい。何のつもりだ?」
俺がそれを止めようとすると、彼は自分の喉元を指差し、そして口元に指でバツ印を作った。
「え……。」
呆然としているとポーチからメモ帳とペンを取り出し何かを書き始める。
書き終えるとそれを俺に見せてきた。
【オレは声が出せない】
男のわりには丁寧で綺麗な字でそう書かれていた。俺が頷くとまた書き出した。
【ついてきて。もう何もしない。続きは神殿の中で話すから。】
「…わかった。」
そう答えると"鬼の子"も頷き、神殿の方へ歩き出した。俺もさっき彼が捨てたナイフを拾い、あとを追った。
――――
神殿・内部
最初に見たときは廃棄寸前の神殿と思っていたが…そこまで内部は壊れていたりしてなかった。寧ろ小綺麗な方だ。
ひょっとすると、コイツの住み処なのかもしれない。なら、納得できるか。←
そう考えながらも彼は神殿の奥へ進んで行く。
どれくらい進んだのだろうか。かなり奥まで来たな…と思うと"鬼の子"は足を止めた。そして目の前にある扉のない牢獄へ入っていき、マッチで蝋燭に火をともした。蝋燭の火のおかげで漸く"鬼の子"の姿がわかった。
短い水色の髪、青い瞳。そして鎖のない足枷。
「……!」
俺が僅かに驚いたのを気づいたのか"鬼の子"は首を傾げ、メモ帳にペンを走らせる。
【どうかしたのか?】
「ぁ…いや。何でもねえよ。」
そう答えると今度は俺の顔をじっと見つめてくる。…何だ?
またメモ帳に書き出しそれを見せてきた。
【傷、平気か?】
ああ、成る程な。さっきの戦いで頬に掠ったんだっけ。まあ…俺の回復力は異常なくらい早いからな。あの程度の傷は数分で治る。
「平気だ。アンタこそ大丈夫か?」
少し戸惑った表情を浮かべながらまたメモ帳に書き込む。
【オレも平気だ。この体にされてから回復が早いから。あんたは女だろ?顔に傷を残すのはどうかと思う。】
「…いつ気づいた。」
【ついさっき。】
意外と鋭いなこいつ。←
「そういや、アンタの名前は?」
"鬼の子"はぴくりと肩を震わせ固い表情で俺を見てきたが何かを決心したように頷き書き始めた。
そして、そこに書いてあった名前は……―――
【リヒト=ルーシェトス】
そう書かれていた。
とうとう出てきた…
リヒト…
次はどうなるのやら←




