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ネタを思いついてしまい、もったいないかなぁって思って思わず書いてしまいました。
俺は小林 一輝。性別はもちろん男で、今はれっきとした大学生二年生だ。
生まれ育ちは都内、一応奈良県のうち。具体的にどこかと言わない。家族は普通に両親健在、兄弟はなく、一人っ子。
生まれてきたから特別な力を有していたり、天才であったなどのこともなく、普通の学校に行って、普通の生活を送ってきた。
学校の成績は大体中の上くらい。運動が得意というわけではなく、不可でもない。
基本帰宅部で、趣味でいうほどめり込んでいないが、小説を読むしゲームもする。漫画もみたいやつなら見る。
ただ、思いついた世界や物語を作りたいと思い、いつのまにか趣味で小説を書くことを始めた。
特に勉強はしていないため、思う様に書いているだけだけど。
これは基本秘密なんだけど、一昔前は自分のケイタイサイトを作って小説をアップしていたころがあった。
今はサーバー側がサービス終了したので、そのまま書いた小説ごと消えているけど。それ以降は特にどこかで小説をアップしていない。
学校が忙しいのもあるが、何よりゲームと読書のほうでもっと時間をとられていたから。専念して小説がかけなかったのだ。
さて、なぜ俺は今こうやって自分の情報を整理しているかというとだな。それは俺が今、履歴書を書いているんだ。
実は最近、新しいゲームと本を買いすぎて、ちょっと財布が大分軽くなってしまっている。
これからの生活費のなさを考えて、やっぱバイトしなければと思いに至ったってわけ。
「よし」
特に誤字もなく、これで大丈夫だろう。後はこれをネットにあげるだけだ。
いやぁ、最近の世の中って便利だよね。
ネットで自分の履歴書をアップしてバイト探しができるなんて。
バイトを探しているものは自分の履歴をアップして、応募する仕事の範囲にチェックをいれるだけ。
そして雇いたい側はそれを自由にアクセスできるのだ。
まぁ、逆に、ここではどんな求人があるのかを張り出すことも可能だから、それに応募するのもありなんだけど。それをする前にもまず履歴書を完成させないと。
「ここにアップするっと・・・お、できた」
さて、それじゃまず今張り出されている求人情報でもあさってみようかな。
***
どれほどの時間が過ぎたのだろう。
ぼんやりして、まるで水の中で沈んでいたかのような思考が浮上するような感覚に襲われ、そして水面を突き破って出るみたいな感じで、俺は椅子の上で一気に目が覚める。
「・・・はぁー」
何かするよりも先に、俺は息を吐いた。まるで知らないうちに息を止めていたかのように。今混濁していた思考すらそのまま吐き出したかのように。
目が覚めたのだ。
場所はどこかの廊下だ。まるでテレビでみる手術室の前の廊下みたいな並び。
だが、およそ日本では見られない広さで、床もピカピッカ。見上げてみたところ、壁も天井も汚れ一つなし。
その廊下の壁の両方には椅子が並べられているが、実際動かして見ても動かなかった。
重いとか、そうじゃない。
どう触っても普通の椅子。持ち上げるのなら簡単だろうと思う。だがいざ動かしてみるとどの方向にも動かんのだ。
「・・・ここは、どこだ?」
思わず不安になって声を出してみても、俺一人しか居ない廊下で返答が帰ってくるわけもなく。俺はうなだれるようにまた椅子に座った。
意識が戻る前の記憶を手繰り寄せ、俺は一体何があったかを思い出そうとする。
どのくらい前か後かもわからない記憶。
そうだ。俺は履歴書を書いていた。そしてそれを求人サイトにアップした。
それから俺は、パソコンのモニターとずっとにらめっこしていたのは覚えている。
時に立ち上がってストレッチしたり、時に用を足しにいったり、食べ物を探しに席をはずしたり。
疲れてパソコンをおいて、そのままベッドに横から倒れこんだりするところまではぼんやり覚えている。
なぜか、すべて第三人称視点で。
まるで自分のではないような記憶。
しかし、記憶の中の行動に伴う触感などをはじめ、身体で感じ取ったすべてが問題なく感じ取れることができる。
だが、何かが変だ。
そう、見えているこの記憶すらも。
ひどく、違和感がある。今まであったはずのものがなくなったかのような。しかしそれがなんなのかは思い出すことができない。
それは・・・
――あれ?
そういえば、俺はなんで履歴書を書いていたんだっけ?
「求人・・・そうだ、俺はたしかバイトを探すって」
不思議だ。さっき求人サイトにアップしたのを思い出せたのに。
まぁ、いいか。
「そうだ、履歴書――」
パタン、と。地面に何かが落ちたような音がした。
声からして紙袋。そして中身がある程度詰まっている感じの。
「あぁ、ここにあったか」
俺は、持ってきた履歴書を拾い上げた。
割と簡単に書き上げることのできる内容と長さで、日本語の練習になれればと。基本的に毎回の更新を1時間限度で仕上がるようにします。
仕事場でも軽くかけるかもしれないので、もしかしたら更新速度がもう片方の小説を越える可能性があります。
その場合、検査不十分で誤字や変な言い回しがでてくるかもしれませんが。練習作品ということで温かな目で見守っていただければ幸いです。