エピソード 11
「うん? カプセルが?」
「そうよね! 空から落ちてこなくなった!」
「ここは山頂だからかな……いや、違うよな?」
「そうよね。なんでだろう?」
満開の星空の元参道を延々と歩き。幾つものまるで無限にあるかのような鳥居をくぐって行くと、一際大きな七色の流れ星が数え切れないほど南の方へ落ちていく。
「さすがに、疲れてきた……どんだけ長いんだよ。この参道?」
「あ! 光太郎! あの人! 光太郎のお父さんじゃない?」
「え?! ……マジか?!」
空を見上げていた光太郎が、鈴姉の指差す方へ向くと、ちょうど、参道から社殿が見えてきたところだった。そして、光太郎はギョッとする!
本殿の前には、一人の神主が佇んでいた。
「父さん? なんで……?」
神主の正体は光太郎の父親であった。政府高官でもあった梶野 伸次郎は、その神主の服装をしてこちらにお辞儀をした。
「光太郎。こっちへ来なさい。星宗さまが御呼びだ」
「え? 本当に光太郎のお父さんよね?」
「え? ああ、声も同じなんだし……神主さんの格好しているだけだし……鈴姉。ちょっと行ってくる! ここいらで待っててくれ! なんか、いや、何もかも変なんだ!」
「え……ええ」
光太郎は、手招きする伸次郎の後を追って、本殿へと入ろうとすると、茶色が基調の普通の服を着た老婆も、本殿前で待っていた。
「うん? この人が星宗さまかあ。こんにちは」
「こんにちは。でも、違います。星宗さまは奥にいらっしゃいますよ。光太郎さんも、遠方にも関わらず良く来てくださいましたね」
「こら……。 光太郎。この人は星宗さまに代々仕えている銭野族という一族の人で銭野 丸子さんだ」
「あ、ごめんな。間違えちゃって……俺はてっきり、あんたがここの偉い人だと思っちゃって」
光太郎たちは、廊下を歩いて会話していた。
それにしても、綺麗な廊下だなあ。埃一つもなさそうだ。
光太郎がそう思っていると。
しばらく歩く間もなく。丁度、廊下に垂れ下がる紅い木の傍から話し掛けられた。
「よいのです。それより、早速でわるいのですが、三番目の船を使います。光太郎さんは先日、駄菓子屋で出会った人の子でありましたね。本当に宇宙は広いですね」
「ああ! この人か! 昨日、駄菓子屋で会った時がある! ……ひょっとして? 星宗さまって?」
「そうです。……人の子よ。これから、あなたは船に乗って宇宙へ行くのです。もう、宇宙大戦が始まってるかも知れません。急ぎましょう」
星宗は、立派な背丈の世にも見目麗しい少女だった。




