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一旦自室に戻った。
「アリス様、大丈夫でしたか?」
「大丈夫ですよ。マリン、ご心配掛けました」
「お屋敷に戻られたときのルーク様の怒りように驚きましたが、カイン様から事情を聞いて屋敷の者がみんな怒ってます。もう、今から行って成敗したいくらいに」
成敗って…。
「え?今カインから事情を聞いたって?」
「はい。カイン様とライト様、まあ他にも影で護衛に当たられてましたから」
「えっ、えっ、そうだったの?気づかなかった」
「皆様、優秀な方たちですからね。ふふっ」
このデートで私がトイレに行ったときに誘拐しようとした男を1人、私たちに突撃しようとした女性を2人捕まえ、誘拐未遂と不敬罪とで騎士団に引き渡していたらしい。
「知らなかった…
私がデートに行きたいってワガママ言ったから…」
「それは違いますよ。犯罪者が悪いのであって、被害者が気にやむことではないです。
まあ、しばらくはルーク様がお屋敷に閉じ込めたいという思いがお強いでしょうけれど、落ち着けばまた行けますよ。なんだったら、お屋敷の庭園だとお屋敷内ですし、2人っきりになれますよ」
ウィンクしながらマリンに提案された。
「マリン、ありがとうございます」
「いえいえ。ルーク様はアリス様に我儘を言われたくて仕方ないですからね。きっとお喜びになりますよ。
さて、そろそろ夕食ですね。確認してきますね」
マリンが退室して入れ替わりにルークとカインが部屋に来た。
ルークの顔色はさっきよりも良くなり表情も穏やかになっていた。ルークはすぐに私の腰を抱きキスをした。相変わらずぴったりと引っ付いている。
「ルーク様、次のデートはお屋敷の庭園めぐりをしましょっ。広すぎてまだ回れてないんです。そのあとピクニックみたいにシートを敷いてお昼を食べませんか?」
マリンの提案に乗っかってみた。
「そうですね。お屋敷の中でしたら結界があるので心配ないですしね」
「結界?」
「貴族の屋敷は大なり小なり結界が張られてますよ。うちは私が張っています。私が許可した者以外は入れません」
「すごいですね」
結界って某セキュリティ会社みたい。もっと強力か。
「ルーク様、そろそろ夕食ですが、今日もこちらに運びますか?」
「そうして」
「では手配してきます」
カインは頭を下げ退室していった。
私はルークの顔を見上げて
「ルーク様、今日は私が知らないところでも事件が起きていたんですね。私がデートをしたいと言ったばかりに…みんなに迷惑かけてすみません」
「そんな顔をしないでください。そんな顔をするなら、私がこれ以上ないぐらい甘やかしますよ?」
「にゃ」
思わず変な声出た。想定外の言葉に体が一瞬固まった。イケメンが言うとさわやかに聞こえるけれど、内容はきっと…いや、絶対にさわやかではないはず…。
エピローグとしてアリスとルークの前世、リンとリューンのお話を短編としてアップしました。
残酷な描写があります。ご注意ください。
『俺は俺が一生許せない』
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です。よろしくお願いいたします。
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