何も無い空間の中で
こんにちは! クロです
先日と同様に日を跨いでしまい申し訳ありません
ですが誠心誠意、これからも面白いと思えるような作品を目指して書いていきますので、よろしくお願いします!
長くなりましたが、どうぞ!
第20話 何も無い空間の中で
とある日の早朝
「ふぁ〜……ん? これは、ほむ……ら!?」
今までぐっすりと眠りに浸っていたのだが……
何か違和感を覚えたので目を覚まし毎日の日課である腕を伸ばしながらあくびをし終え、違和感の原因を探していると自分の隣に妹が寝てたのだ
そして気持ち良さそうに寝ている妹は、寝返りを打つと僕に抱き付いてくる
そうして先程の様な驚きが混じった声が出てしまったのだが、仕方ない事なのだろうか……と考えているとまたしても口から出てしまう
「ふふ。可愛い……」
やってしまった……人間こうして自分から墓穴を掘るのだろうかと思うと寒気がしてくる
しかも、今は早朝で冷え込みが激しくなる時だから余計に体の芯から冷えた
最後の願いとして、勝手に口から出てしまった言葉を聞いてませんように! とほむらの顔を見ながら祈りを送った後に、一番恐れていた事が起きることになるとは……
「んん〜……あれ? おにい……ちゃん?」
今まで閉じていた目がゆっくりと開かれる瞬間に心臓が破裂しそうな勢いでゾクッと来くる
まだ破裂はしていないのだが、最後の願いはどうなってしまったのだろうか……という不安から心臓の早い鼓動は止まらない
だが、そんな願いは虚しく消え散る
「あのね? さっき可愛いって聞こえたんだけど……まさか、妹の寝顔の事を言ってるんじゃないよね!? お兄ちゃんのバカァー!!」
『『バチィーン!!』』
その勢いのある音は、ほむらが空を切りながら平手を振りかぶって何かに衝突したんだろうと直ぐに分かる
それより厄介なのはその平手が、実は僕に当たっていた事に気付く……それに伴い、視覚外からの攻撃に何故気付いたかというと……
バチン! という音が鳴り響いた直後、頬に強い衝撃が起こりながらヒリヒリするからだ
それが気付いた理由
そして最後に、ほむらが滅多に自分の事を妹と言わないのに口から出たという事は照れ隠しだったのかな……
哀れな事を思いながら、早かった心臓の鼓動も聞こえない空間に放り出される感覚を覚えて辺りが真っ暗になったのだった……
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(あれから数分後の事)
あれ……僕は一体なにを
ここは何処?
何も無い……例えるなら虚無の世界だろうか
そのようにして考えていた時、一つの光が降り注ぐ
「おにい……」
ん? この声は……一番聞き覚えがある声
でも何だか、寂しそうで悲しそうな……
「お兄ちゃん! おき……」
誰かを呼んでいる? それにお兄ちゃん?
「お兄ちゃん! 起きて! 早く目を覚ましてよぉ〜……」
目を覚ます? あ〜そうか……これはほむらの声だ
そして、多分あっちの世界では気絶している
もう一つだけ光が降り注いでる
あそこに行けば戻れるのかな……
確信が無くて、根拠の無い希望や期待を背負いながらも一つの事だけを思い描きながら進む
進んでいく先に何があるのか……と疑問もあるけど今はそれを振り払って更に進む
歩いてるのでは無い……これは流されているという表現が正しいだろう
確かに歩いて行こうとしたが、これは想いという感情に左右されて、流されていくと感じる
ただ今は、僕の心の中は一つの想いしかないので、一つの方向に進んで行くけども、その先に目的地である光が見えた
そして辿り着いたと同時に、心の想いをさらに強めて光に飛び込んでいく……
「ほむら。待っててね今そっちに行くから!! 」
ここまで読んでくださりありがとうございます!
そして、お疲れ様です
今回は、凪が感じた事を主に書いております
もし、最後の描写が分かりづらいと感じたのなら気絶した時に見た、凪の夢という風に解釈して貰えれば少しは分かりやすくなるのかな? と感じます
次は、凪が目覚める所から始まります
ではこちらも長くなってしまいましたが、また次回でお会いしましょう!