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リリスは至極、疲れていた。
身体と心が知識と環境についていかなかった。
生徒会入りにも戸惑っていた。
魔物の大軍が押し寄せてきた時も
兵士達の目に心を痛めた。
父とも、家族ともどこか疎遠になった。
世界の命運なんて知る由もなかった。
そんな苦しみの中リリスは初めて
友人と呼べる人が出来た気がした。
もちろん両親以外から
プレゼントを貰うのも初めての経験だ。
セピア色の風景が色鮮やかなものに変わった。
「ありがとうございます……。
本当にありがとうございます……」
リリスは貰ったばかりの帽子を
目深に被り、泣き顔を恥ずかしそうに隠す。
明日からは少し頑張ってみようと思った。
自分が出来ることを
一つ一つやっていこうと。
……これが悪夢の始まりとなるとも知らずに。




