46/78
2-18
「―――ほんで、これがお披露目会かいな」
撫子は溜息をつきながらも
どこか意気揚々としている。
「前方10km先に1000を超える
ゴブリンとトロールの混成軍を確認!
上空にワイバーン含むコカトリスの群れ
その数800!!」
聖マリアンヌ国の城壁の上で
斥候の1人が声を震わせながら報告を上げる。
「早く商人達を門の中へ入れろ!!」
「陽動部隊は何をしている
少しでも時間を稼がんか!!」
「街道の民間人が負傷!!衛生兵さっさと迎え!」
城壁のあちらこちらで怒号が響き渡る。
あの数の魔物の侵攻は久方ぶりである。
あれが街に押し寄せれば王国は
阿吽絶起の地獄と化すことは間違いない。
手練の兵士達は城門前に策や罠を
作り始めている。
若い兵士達は歯をガチガチと鳴らし
逃げ出すものやそうでなくとも
心此処に在らずといった感じだ。
目の前には死が存在する。
訓練ではなく、これは現実だ。
若い兵士達からも平和ボケなどしている
つもりは一切なかった。
街道を巡回すれば魔物だって出るし
少なからず毎年、死者だって出る。
ただそれとは事情が違うのだ。
恐怖は伝播し伝染する。




