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慌ててリリスも
父親から貰った剣を抜く。
使うのは
初めてだったが予想以上に手に馴染む。
「それじゃ始めんで。
ルールはうちが
戦闘不可能と判断するまでな。
負けた方は1日相手のゆーこと聞きや」
変なルールが追加されていた。
リリスは適当にこなそうと考えていたが
そうはいかなくなった。
5歳にして貞操の危機なのだ。
「んじゃ、ボクからいくよ☆
ファイアストーム!!」
リリスはファイアストームの
進行方向のサラマンダーを散らし
ウンディーネを集約する。
するとエリーゼ魔法は霧散した。
「ちょっとまてぃ、何が起こっとるんや。
ちみっ子が無詠唱?
つか魔法いまのん、発動してた??」
会場内にどよめきが走る。
だがもちろん戦闘中だ。
観客をよそに、エリーゼの攻撃は続く。
「やっぱりリリたんは凄いなぁ☆」
エリーゼはファイアストームを盲ましにし
一気にリリスとの距離を縮めると
魔力で身体を強化し切り掛る。
同時にリリスはシルフを展開させ
風の流れで剣筋を読み受け止める。
連撃、連撃、連撃。
エリーゼは目にも止まらぬ速さで
技を繰り出し続ける。
瞬きをする事も許されない程の剣技に
観客は魅了され、声を出すことすら忘れる。
それより尚、恐ろしいのは
5歳の子供が躱し、
剣戟をいなしていることだった。
静寂の中、訓練所は
剣がぶつかり合う音だけが
まるで音楽の様に鳴り響いていた。




