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31.きみのために。


力無く崩れ落ちるように座りこんだ透を見て、正直やべぇ言いすぎたかも、とは思った。

だけど、透の戦闘面での強さは誰よりも自分が知っているつもりだから、いくら相手の人数が多かろうと強かろうといつものアイツなら自分の身を省みず護衛対象を護ることに専念するだろう。

オレのボディガードになったときから、いつもオレが危なくなると迷うことなく飛び込んでくる。

刀を構える暇がないときなんかは、本当に自分の身体を犠牲にしてまでオレに傷はつけさせまいとする。

だから今回は相当気が緩んでいたんじゃないかと思い、厳しくなんて言うか、まあ説教したわけだ。

任務を言い渡したときから気乗りがしないだの、女が嫌いだのなんだのって言ってたしな。

でも、さすがに透のそんな様子は直視に耐えなかった。


「今日から――一か月の謹慎処分だ。刀も預かる。自分の部屋でおとなしくしていろ」


 早口でそう言い、半ば強引に透の細い腕からDEATHBREAKERと、背負っている刀を没収して部屋から追い出した。

廊下に一人取り残された透が、消えてしまうような気がして、ドアノブに手をかけたけれど、開けることはできなかった。

開けてはいけないんだと自分に言い聞かせた。


オレにしか喋らない。

笑顔を見せない。

それはオレにとっては嬉しいことでもあるけれど、任務に差し障りがでるならもちろんいけないし、何よりそんな狭い生き方しかできないアイツを、不憫に思うから。


今は、心を鬼にして――ってオレは何でこんな父親みたいなことを考えているんだ。














Everything is for you.

すべてはきみのために。



話によって長さがばらばらでほんとにすみません……。

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