92.どゆこと?
さてと。
「贄川、どうすっかな。目覚めるまで放置するわけにもいかんし」
かといって、ももかと玉姫を放っておくわけにもいかない。
「贄川さんは、私が見てるよ」
咲耶が小さく手を挙げて提案する。
「だから、お兄ちゃんはももかたちの方に加勢してあげて」
「え、加勢? 要るかな?」
相手は妖術師だろう。
そんなに強そうには思えないが。
「才賀がそっちの妖術師にも力貸してる可能性はあるし」
「なるほどな」
まあ、雑魚が雑魚に力を貸しても、所詮は雑魚だろう。
ただ、ももかと玉姫はそこまで強くない。
咲耶以下だと考えると、その才賀パワーアップ版の妖刀使いに苦戦することは想像に難くない。
妹の友達、および同僚たちがピンチになるのを、お兄ちゃんとしては見過ごせないんだぜ。
「分かった。魔王を置いていかなくて大丈夫か?」
「うん、大丈夫。お兄ちゃんのフォローを、魔王さんには任せたいし」
フォロー?
「おいおい、魔王が加勢しなくても、妖術師くらいならお兄ちゃん一人で大丈夫だぜ?」
「うん、戦闘面でお兄ちゃんを心配してるわけじゃあないから」
なに? そうなの?
咲耶がジト目で俺を見ている。
『任されよ、サクヤ』
「うん、任せた。正直、お兄ちゃんの相手が一番辛いと思うけど」
『なぁに、慣れておるから心配は無用じゃ。気を遣ってくれてありがとうの』
二人が何やら、深い部分で通じ合っている。
俺の相手?
「俺は別に、魔王とやり合おうってつもりはないけど?」
『「そういうことじゃ、ない」』
声がハモった。
じゃあどういうことなんだってばよ!




