悪魔出そうぜ大作戦! 英語にすると、ザ・サあああぁあーブ・デビイイィイル・大作sーー(ピー、ピー、ピー...)
「さぁてリン。ボクの中に潜むニ体の悪魔を退治出来ると君は言うけど...大丈夫なの?」
カミーユはニヤッとしながら首をかしげた。
「当たり前...とは断言出来ない。でも、全力は尽くすつもりよ」
「リン...」
「ボク的には、今すぐに悪魔を追い出してもらいたいんだ。お願い出来る?」
「うん。良いよっ」
私は笑顔で言うと、アーレイの背中に触れ、ドアの方へ誘った。つまり、「ちょっと出てください」って事だよ。
「え、俺は一緒にーー」
「諦めの悪い男はモテないわよアーレイ。リンだって、そんなアーレイ嫌いよね?」
「え...はいっ」
突然話を振られた私は、とりあえず大きく頷いた。するとアーレイは、絶望の淵に立ったような顔をした。
「っ...そっか。俺の事嫌いなんだな」
「え゛、いやそんな事hーー」
「ううん、良いんだ。それなら俺は諦めずにリンの心を撃ち抜くだけの話」
「物理的な意味じゃないよね?」
もしそうだったら私は全速力で逃げさせてもらいますっ。まだ死にたくないからね。でも君に危害を加えるのは気が引けるからね。
「さて、やって頂戴な」
*
カミーユをベッドに寝かせ、後は全員外に出し、私は少し考えた。
最初から取り憑いているのは兎も角、ナイトモアはどうやって出すか。まぁ、もしかすると永久に付き合う中になってしまっているのかもしれないけども...どうやって出す?
最初から取り憑いている悪魔は「聖水」で何とか出せる。何か、もわもわの線で適当に描いたような悪魔なんだってね。
ナイトモアは、確か馬の悪魔だったね。...人参でつれるかな?
「ねぇ、まだなの?」
「あ、ごめんね。ちょっと考え事」
「早く決闘したいんだよ〜、急いで急いでっ♪」
「う、ん...」
カミーユは楽しそうに鼻歌を歌っている。
その曲は、何処かで聞いた事のあるようなモノだった。何だろう?
「ねぇカミーユ。其れって...何の曲?」
「え、『創造神アルファ様へ』...だけど? あぁ、リンは知らないかな。えっとね、獣大陸で共通している曲なんだけど、何か嬉しい時や楽しい時、お祭りの時なんかにみんなで歌うんだよ」
「ふーん...」
「どうかしたの?」
「いや...何か聞いた事がある気がして...気の所為だね。さてやろうか」
私はカミーユに目を閉じさせた。そして静かに唱える。
「『聖水』」
カミーユの体には、たくさんの「聖水」がかかった。途端にカミーユが痙攣しだした。
「来たっ...」
私は一歩下がる。カミーユの動きが激しくなった。お腹で何かが苦しみ、暴れている。カミーユは冷や汗をかき、息苦しく呻いている。
「ああぁァアア!! アアアアアああああああ!!!!! ァァアあああ!!!」
「カミーユ、ちょっと我慢プリーズ!」
黒い靄がカミーユの口から溢れ出した。周りが真っ黒に囲まれる。急いで光を出そうとするも、何故か魔法が使えなかった。
しかし、私の服に編み込まれた魔法陣が全て淡く光り出し、周りを照らしてくれた。
何も見えない。見えるのは黒い靄だけ。
一体、何が起こってるのーー
『貴様か、私の眠りを邪魔したのは...』
何処からか声がした。
重低音でハスキーだが、美しい中性的な声だ。周りから私を包み込むかのように、この声は響いていた。
途端に、真後ろに真っ黒な楕円形のブラックホールのようなモノが現れ、その中から何かが飛び出し、左腕を掴まれた。
「っ!」
黒い、線で描いたようなーーそう、カミーユが獣術を使えない要因を作った、黒い悪魔の手だ。
まるでマンガのような悪魔の手は、私を手をキリキリと後ろへ迫った闇へ引きずり込もうとしていた。もの凄い力だ。
私は必死で引きずり込まれまいと抵抗した。
『ほう、魔力が...面白い人間だ。面白い...』
次は目の前に闇が現れた。真っ白な綺麗な手が伸びて来て、私を強く押した。其れはとても美しく、儚い花のようなモノだったが、無茶苦茶力強いっス。
私は押された反動でバランスを崩し、後ろの闇へと引きずり込まれてしまった。




