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T.M.B.S  作者: ROSS
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8/8

帰宅と出発8

「ワープ屋さん、いますか―!?」

「はいはい。その声、ウェイ?」

「ある場所に飛ばしてほしいんですが」

「どこっすか?」


聞きながら、ワープ屋さんはテントから出てきた。年は20代前半。

靴はスニーカー、ズボンの色はグレー。

赤いパーカーのフードをかぶっているので髪型は分からない。

一応、術使いだが…そうは見えない不思議な男だった。


「あっ、セネルもいたんですか。久しぶりっすね」


二人の挨拶の後に、ウェイは小声で用件を言った。


「……に飛ばしてください」


ワープ屋さんはびっくりして眉をひそめた。


「何でまた、そんな所に行くんスかー…。あそこ、この前に新聞に…。ま、出来ますっけど」


ワープ屋さんは短い杖をポケットから出した。


テントの裏の土になっている地面に、魔方陣を描きだした。丸い円に、字や図を描いていく。


「向こう、結界の魔力感じるっスけど、何とか魔法使えそうっス。どっちにしろ、陣から陣に飛ぶ、うちのワープ魔法なら大丈夫。陣に乗れば向こうへ行けるし、帰りも陣に乗ればいいっス」


「向こうにも陣がすでに描いてあるのか?」


向こうとはもちろん、ワープの目的地を指す。


ワープ屋さんはうなずいた。


「世界中にあるっスよ。うちは代々ワープ屋っス。だからご先祖の描いた陣があちこちに残っているんで」


と話しながら、ワープ屋さんは作業を続けた。


「でも魔力は1、2時間で切れちゃうっス。帰って来れなくなったら大変スから、呼びに行くっスよ」


「つまり1、2時間経ったら、陣が残ってても使えないってわけか。だけど1時間ちょいで済むかな」


ウェイは悩んだが、今さらやめるつもりはない。


と、ちょうど魔法陣が出来上がった。二人は財布を出していくらか聞いた。


「30エクルにでいいっスよ。危険な所に送るんスから」


「安…!」


2人は同時に、驚いてそう呟いた。


ケタの予想は4ケタはいくと思っていた。


「駄菓子屋か、ここは?」


「セネル君いいから、時間が」


ウェイが急かし、セネルがお金を払って、2人は順番に魔方陣の上に立ちワープした。










「どこ行ったの、あの2人…?でも街のどこかにいるはず。広いんだから出れるわけない。あっでも、もしかしたら」


女盗賊は街の人に聞いて、ワープ屋さんの所へ向かった。


ちょうどセネルとウェイがワープして10分ほど経ったころだ。


「えっと、客っスか?」


「ここに男二人組が来たのなら。てか来たでしょ。どこ探してもいないし」


女盗賊はイライラしていた。ワープ屋さんは男二人組に心当たりがあったので、うなずいた。


そして女盗賊を客とみなした


「来たっスよ。あんた、あの2人に用っスか?」


「そいつらが行った所にアタシもワープして。お金ならちゃんと払うから、早く」


急いでいる女盗賊はずいぶん早口だ。

そんなにあのピアスが大事なのか。

何も知らないワープ屋さんはのんびりと対応した。

陣はすでに出来ているし。


「いつの間にあんな所が人気スポットになったんスか。まっ、いいっスけど。3000エクルっス」

「あの2人のツケで」


こうして女盗賊もルーハイル村へワープした。

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