序章 この異世界に、はじめまして
いつも通りの道。いつも通りの景色。いつも通りの店。
いつも通りのつまらない日常が、俺を退屈させていた。
趣味があるわけでもないし、熱中してることもない。
強いて言えば、異世界ファンタジーの漫画が好きってことだけ。
自分がそこに行きたいとは思わないけど……。
今日もいつも通りホン・キホーテに買い物をしに来たわけだが……。
正直、毎日来ているので本当につまらなすぎる。
そんなことを考えながら、俺は黒い手帳の5冊束とフリクションペン、エナジードリンク、ポテトチップスを手に取り、レジに向かった。
合計941円を支払い、ホン・キホーテを出ようと自動ドアをくぐった。
そのとき──。
「痛゛っっっ!!!」
ほんの一瞬だけ視界が歪み、謎の頭痛に襲われた。
得体の知れない気味悪さに背中を突き動かされるようにして、俺は家路を急いだ。
帰り道、特に変わった様子はなく、そのまま家に帰って来ることができた。
──さっきのは……なんだったんだ……。
そんなことを考えながら風呂に入り、体の汚れとさっきの感覚を洗い流した。
それでも記憶だけは消えてくれなかったけど……。
何事もなかったかのように布団に入り、一日を振り返る。
「今日は一日おかしなことばかりあったが明日には忘れているだろう……。というか忘れたいけど……。」
そんな淡い期待を持ちながら、俺は目を閉じて夢の世界に入ろうとした。
チュン、チュンと、聞き慣れない鳥のさえずりが、耳の奥をくすぐった。
いつも俺を起こすスマホの、大音量の爆音アラームではない。
どこか涼しげで、妙に澄んだ、心地のいい自然の音。
「……ん……?」
柔らかい布団の中にいるはずなのに、草の上のような、土の上のような、そんな感覚がする場所で横になっている。
最初は夢だとしか思わなかった。
だって、急に別の場所にワープするなんて、そんなことが実際にできるわけないと思っていたから。
でも、実際は違ったようだ。
目を開けたとき、太陽の光が視界を遮り、周りが見えなかったが、だんだん慣れてきて少しずつ見えるようになった。
「……ここは……どこだ……?」
俺の周りには、見たことない森、見たことない動物──。
見たことのない大自然が広がっていた。
奥をよーく見てみると、見たことのない西洋っぽい街が見えた。
そのとき、俺は察した。
ここは──。
「異世界だああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
俺は街へ向かって歩みを進めた。
こうして、俺のつまらない日常は終わりを告げた。
はじめまして!ご覧いただきありがとうございます。
どこにでもあるお店で、ちょっとした買い物をした主人公。
まさかその買ったアイテムが、異世界でとんでもない奇跡を起こすことに……!?
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