6話「新たな町に出かけようと思う」
レッドアイさんは私たちを見つけるなりに言う。
「ありがとうな、英雄たち」
「いいえ、俺たちはただやりたいことをやったまでです」
「そうね。君たちが魔王を倒してくれたらこの世界は平和になってくれるのかしら」
「ならなければそうする。それが冒険者の生き甲斐ですよ」
彼女は私の言葉を聞くと、ユキさんに言う。
「ユキ、ちゃんとみんなをフォローするのよ?」
「もちろん」
そして私に向かって言う。
「メイドだからって変なことをしたら許さないからな」
「えぇ、アルファのような催眠術なんてかけませんよ。だから安心してください」
私はそう言った。そうだ、ここにも魔法をかけて修復しなくては。
「魔法、ここでは使えないわ。そういう決まりであり、使用してもエラーが出ると思うわよ」
「”ワープジェット”」
私は使用して見た。
『ここでその操作はご利用出来ません。ご理解しやがれ』
システムメッセージにケンカを売られながらもそう書かれる。彼女の言うことは正しいようだ。
「あら、このまま魔王のところへ飛んで行けばと思ったのに。残念」と有川さん。
確かにその手はある。でも、本当にそれでいいのだろうか。いや、ダメだ。
「それはできない」
「どうして?」
「だってもし飛ばした町でこの町のように困っていたらどうする?」
私の言葉にみんな驚いている。
「そうね。最低男でもそんなこと考えるなんて。あら、この言葉また言ってしまうとは。どうやら、私はあなたを見る目が変わったのかしら。ふふふ」
ユキさんはそう言って笑う。
「ふっ。最後に娘の喜んでいる顔が見れてよかったわ。じゃっ、あなたら頑張りなさいよ?英雄さんたち」
「おうよ!!」
そう言って私たちは彼女と別れる。そして目指す道へ歩き続けるのだった。
しばらくしてユキさんは話し始める。
「ねぇ、飛んで行けないかしら?」
「私の羽はもうその能力は使えなくなってるわ」と有川さん。
「私、空は飛べても他の人は運べないわよ。持ち上がらないもの」と花咲さんは膨れっ面で言っている。
「いえ、少しあの町から離れたのだから魔法で飛べばいいのではと思ったのですよ。そうすればその分だけ他の冒険者たちの犠牲が減るわけですから」
その言葉に納得し、本を開く。
「”ワープジェット”」
見たことのない建物が広がっている。どうやら、着いたようだ。
「ここが”マチツヅケラレタ町”です」
花咲さんはナビゲートする。
「ついに魔王の一歩手前の町ね?」と有川さん。
「少し休みたいわ。ここ数日、大変でしたし。母親に会うとか母親に会うとか……」とユキさん。
「えぇ、そうしましょ」と花咲さん。
「そうだな、ひとまず宿を決めるか」
私はそう言う。ここが平和であって実は今まで通った町の中でも最悪な町とは知らずに。
次回から5章始動。忘れてはならなかった、その思いだけが彼らを強くする。




