3話「レッドアイと呼ばれた女」
終わったって有川さんの人生が終わったのかよ?
前にいる彼女の目は赤かった。それもそうだろう、治療に失敗して殺してしまったら目が赤くなるだろう。
「安心しな、治療は成功、大成功だ」
「いや、死んでません?」
「失礼な。私は医者だ。あれを見た前、心拍数などなど正常だ」
彼女の指差す心拍数などの表示されてるものを見た。それは綺麗に一直線を書いていた。いや、これ死んでね?
「耳くさっ。うぇー。こちらの世界では心臓が止まるとあれが動きまくります」
花咲さんは耳打ちをする。臭くて悪かったな、風呂にも入れてないからな。
私は有川さんの綺麗な首に指を当てる。脈は動いてるそうだ。そもそも首がビクビク動いてるのが分かる。
「さて、君たちも手当てしないとな。なーに、安心しなさいな、このレッドアイと呼ばれた私に失敗なんてない。さぁ、やろうか」
「あのぅ、どこかでお会いしませんでしたか?」
彼女は持っていたガーゼを下に落としてしまった。
「さぁね?私はユキって子なんて知らないなぁ」
「まだ、名乗ってないんですけど」
「あっ」
またガーゼを落としそうになるのを花咲さんが手に掴む。
「はい、どうぞ」
花咲さんの手と彼女の手がぶつかってしまった。
「あなた、いつの間に?まさかあなたたち、影の仲間か?」
「影?幽霊ですよ?」
花咲さんはメスを握り締めて言う。
「よく見ればあなたはあいつらとは違うわね。いいわ、手当てしてあげながら話しましょう。あなたもね、幽霊さん。ユキ、あなたのことから話した方がいいわね。ユリも元気にしてるかしら」
「うん、お姉さんはお町の方にいるけど元気よ」
彼女は頷き、そして私たちに手当てをしながらユキさんの過去とこの町の過去を話し始めるのだった。
「ユリとユキは私の実の娘なのよ。だから本当のことを言うとあなたのことを見えていたのよ、幽霊さん。でもこの町では幽霊……いや、影は私たちにとっては敵なの。真っ黒で白い目玉が二つのそれはロボットたちに入り込み、私たちを地下へと追いやった。その際に私は雲移しという雲を使った能力で彼女たち二人を安全な場所に連れて行ってあげたわ。そして今のように至るというわけ。そして影たちの上に立つのは”ピアルゴ”よ」
「”ピアルゴ”ってどこかで聞いたような?」
「あら、最低男さん、もうお忘れですか?彼は王都を破茶滅茶にした人じゃないですか?」とユキさんは言う。
「ちっ、まだここにいたか」
その声は先ほどのパーティーであるアルファだ。私たちを他所に一人の男がこの部屋に入ってくる。両腕に女性を引き連れている。片方にはメイド服の女を、片方には白い翼が生えた天使を。その女たちを彼は思いっきりベッドに投げ込む。片方には見覚えがあった。彼女はユリさんだった。
「こいつらの修理を頼む」
「修理ではございません、治療です」とレッドアイと名乗る人。
「はぁ?リーダーとして上に立つ者以外パーティーに付くものはすべて道具でしかねぇよ。ちなみに俺はピアルゴ以外倒した英雄だ!!お前らの残りもな、雑魚共!!おい、お前。本当のリーダーは何か教えてやるよ。だから、付いてこい。殺してお前の道具もらうから」
彼は先に外に出てしまった。
「何なのよ、アレ?最低男さん、行くつもり?」とユキさん。
「あぁ、どっちが上か見せてやる。お前らは休んでろ」
「でも……」
ユキさんはそう言った。しかし私が振り返った際にこぼした大粒の雫を見て何も言わなかった。私は袖でそれを拭き、そのまま外に出た。男は私を見るなり、前を歩く。そのまま付いて行く。




