2話「死に損ないのダークホース」
ロボットの腕から小型なミサイルが私たちに向かって飛んで来る。
「ちっ……」
夏川さんは翼を広げて私たちを防ぐ。しかし……。彼女は悲鳴と共に口から血を思いっきり吐いた。その血が私たちにかかる。
「なっちゃん?だいじょ……」と花咲さんが聞いた時だった。
私たちに向かってミサイルが来る。彼女の羽はボロボロになり、そこから痛々しい血がこぼれている。彼女はもうすでに限界を超えていたのだ。本から魔法を探し出す時間はない。
「第二変形……天空の赤壁」
ユキさんは私たちを守るかのように赤い雲で私たちを守る。その雲はまるで夕日に照らされているようだった。
「くっ、これでも限界よ。最低男さんだけでも出て欲しいのですが……」
「殺す気か?ん?」
私がユキさんの言葉に対して言うと地面が急に開いた。
「キャー!!」
私たちはそのまま下に落ちた。その三人のスカートの中が見えてしまった。
長い長い灰色の壁を見るなり、私たちは底に着いた。
「ふにゃっ!!」とユキさんの声が響く。
底には地面から上に丸く帯びたトランポリンがあって、そこに私たちは跳ねて助かったのだろう。
「ここは?」とユキさん。
「んんー、うぅーぁあぁ!!」と有川さんは苦しそうに悲鳴をあげる。
「まずは彼女を何とかしないと」
ユキさんは救急箱らしきものを取り出し、そこから包帯などを取り出すかと思ったら違った。彼女が取り出したのはトンカチとガムテープと接着剤と釘だった。
「何する気だ、このダメイド!!」と私は彼女に膝蹴りする。
「羽を治すのよ?」
「治すどころか痛くなるわ!!」
「健さん、そんなことよりも彼女を助けてあげてその本に書いてあるんでしょ?」
「ごめん、まだすべて読み切れてない。探すのに時間かかる」
花咲さんの質問に答えながら私は本をめくる。有川さんの悲鳴は止まることなく、大きくなる。
そんな時だった。
「ひぎぃっ!!」
有川さんはそう言ってそのまま地面に横たわった。
「命中命中!!」
「誰だ?」
私は国境を近寄ってくる女に言う。彼女は吹き矢を持っていた。
「ごめんね、あなたたちと話してる暇は今はないの。でも大丈夫。彼女は死んでないし、これから助けるわ。あなたたちも黙って付いておいで。手当てなどしてあげるから」
彼女の優しそうな顔がこちらを見ながら言った。
私たちはとある部屋に連れてかれる。彼女は有川さんをベッドに連れて寝かせた。彼女はカーテンを閉めるなり、カーテンの外に出て私たちに言う。
「しばらく待っててね。私がいいと言うまで開けないでよ?」
そう言って彼女はカーテンの中へ戻ってしまった。心の中で昔話の鶴の恩返しかよ、と思ってしまった。
しばらくして有川さんの悲鳴がカーテン越しに聞こえる。物凄い激しい物音がしていた。
「こら、暴れないの。腹にメス刺すわよ?」
いや、何か怖い言葉聞こえてきたんですけど。でも開けるなって言われたから。でもパーティーだし、いきなり会ったばかりの彼女を信用しろだなんて無理があるので私は立ち上がる。
「あら、最低男さん、覗く気?もし彼女が全裸になっていたらどうなさいますの?そりゃあ、私も見たいですけど」
ユキさんの足は尋常じゃないくらい貧乏譲りで震えながら言う。私はそのままソファーに座る。悲鳴と物音で私たちは気になる欲求が高まる。
「我慢出来ないわ。ねぇ、私は見てもいいよね?」
なるほど、花咲さんは幽霊だから気が付かれないか。私とユキさんは頷く。
「お邪魔しまーす」
彼女はカーテンの中に入ってしまった。しかしすぐに戻ってくるなり、彼女は
私たちの前で小さくうずくまり怯えていた。
いったい何があった!!っと思いながら私とユキさんはお互いの顔を見合わせた。そして私たちは頷き、カーテンの前に立つ。
「君たち、待ってられんのかね?まぁ、終わったけどな」
カーテンをめくるなり、私たちの二人の顔を見る彼女はそう言う。彼女の後ろには白い布団で体を包み、顔を白い布でひかれた有川さんがそこにあった。




