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チートゴースト  作者: 未知風
2章「チートルートを渡りゆく者たち」
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5話「元いた世界で思ってたことが実現すると大変な目に合う」

アバを自由自在に動かせるRPG系のゲームをしている人なら一度は思ったことがあるだろう。少なくとも私は思っていた。そう、それは今の状況だ。私は今、ものすごくお手洗いに行って用を足したい。

外の世界には公衆トイレなんていない。また、私たち以外にも冒険者たちはたまに見かける可能性がある。なので野原でしようにもできないのが普通の考えである。


「ねぇ、私、お手洗いに行きたいんですけど」と有川さん。

「あらやだ、この天使。天使のくせにもっと上品に言えないのかしら。それに王子もいるのに。まったく。私も花を摘みに行きたいんですけどね」

「お二人のそれ、俺飲むぞ?」とテンマは言っていた。


彼女たちにどういう始末を受けられたのは言うまでもないが、今の彼は紐にぐるぐる巻きにされながら転がっていることだけは確かである。


「ふふふ。そう思って私が用意しておきました。普通の冒険者たちもマップのある地点まで行っでトイレボタンを使用すれば使える瞬間トイレ扉。私の場合は自由自在です。ちなみにこのトイレの中身はその地点に通過するとキレイになる優れものです。このボタンを押せば楽ちん楽ちん。さぁ、私を敬え。ふっへへへー」

「ありがとう。使わせてもらうよ」と有川さんは言う。

「じゃあ、俺も使うか。テンマも行くだろ」

「あぁ」


私はドアノブに手を付ける。あっ、忘れるところだった。


「ねぇ、あなた。私たちと行くわよ?確かめてあげるから」とアポロニアに手を引っ張って連れていこうとするユキさんが言う。


アポロニアはあたふたしていた。


「やめろよ、アポロニアが嫌がってるだろ?このダメイド」

「最低男に言われたくないわね。もしその子が女の子だったらどうするの?」

「っせーよ。女だろうが気にしねぇよ」

「じゃあ、私もそちらに……なんて言うとでも?ぺっ」


豪快に唾を吐いて彼女は女子トイレにさっさと入ってしまった。いつの間にか花咲さんもいなかった。私たちはアポロニアの手を引っ張って中に入る。


「ごめんな、こんなアホしかいないパーティーで」


私は扉に入るなり、アポロニアを見る。アポロニアは顔の頬を染めて目がトロンとしたような顔をして私を見ている。


「アポロニア、大丈夫。個室に入ってしておいで」


私がそう言うと、アポロニアはその中に入る。


「それにしてもでかいなこのトイレ。なっ、テンマ」

「子どもの頃のように覗かせてもらうぜ、ヒーハー!!」


こいつはこいつでアホだったのを忘れてた。扉を飛び越えようとジャンプしている。

私は用を足して彼の脇腹を膝蹴りして止めさせる。


「何すんすっか?パーティー暴力、PVっすか?あっ、まさかアポロニアに嫉妬ですか?照れるなぁ」

「んなわけがあるか!!外の出口付近で待つぞ」


そう言って私たちが扉を開けると、例の女三人たちは待ち構えてこちらを見て睨んでる。


「いやぁ、気持ちよかったなぁ、兄貴。ん?どうしたんです?兄貴」


テンマ、お前本当に空気読めよ。王都に行って捨てるぞ?


「お前ら、俺は用足しただけだからな。勘違いすんなよ」

「あっ、そう……」と三人同時に呆れた女の声で言われる。


そんな中で後ろの扉が開く。そこにアポロニアがいた。

女三人は安堵した表情で言う。


『カスは無能にランクがあがった』


なんか嬉しくねぇ。というかなぜここでシステムメッセージ!!


そう思いながら私たちは先に進むのだった。王都『話せば長くなるからやめようか町』をめざして。

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